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【FGO・ロストベルトNo.2 ゲッテルデメルング】テーマは「執着」と「愛する覚悟」【たらればさん感想・評価まとめ】

ツイッターで有名なたらればさんが、Fate/Grand Order Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング 「消えぬ炎の快男児」の考察・感想を呟いていました。

いつもながら、とても勉強になる内容です。


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※以下、たらればさんの「FGO・ゲッテルデメルング」に関する話題まとめです。

ロストベルトNo.2のテーマ

年明けいきなりですが、FGO第2部2章 無限氷焔世紀「ゲッテルデメルング」クリア後の感想を呟きます!

・本章のテーマは「執着」だったなと個人的におもいます。

誰もが何かに「心」を囚われていて、何にどう囚われるかが、その人(含む神)のものの見かたや身の処し方、つまりは生き方を(その人が「何を持っているか」や「何が出来るか」よりもよほど)決めるんだなと…と。

あと、「愛する覚悟」ですよ。

なお前章よりもえらく時間がかかったのは、ナポレオン関連と北欧神話関連の書籍が、読んでも読んでも面白いものが続々と見つかりまして、その奥の深さと歴史や文学の面白さにあらためて自分の勉強不足を痛感していたのと、あと単に公私ともに忙しかったからです。

すまぬ。3章はもうちょい急ぎます。

イントロからサブキャッチまで

さてまず「イントロ」

・ロシアから北海(彷徨海)へ向かう途中の北欧が舞台。

・途中マカリー神父から攻撃を受けてカドック奪還劇(脱出)

・お…おお…ロケットランチャーてきみ……。

・用済みではないのね。

・「言峰綺礼」というのはFateのキャラクターなんですね。また出てくるんだろうなあ、、。、

目的地はスウェーデン南部

・「目的地はスウェーデン南部ノルヒェーピング」←実在するスウェーデン人口第8位の都市ですね

・第1節、ゴルドルフ所長、目を開けたまま気絶。この新所長どんどんキュートになってきますね…。

・虚数空間で「並走する何者か」を感知。

・本章で明かされなかった謎その1でした(その2は後述)

・誰?

サブキャッチ判明

・タイトルコール「消えぬ炎の快男児」というサブキャッチ判明。

・太陽がデカい(というか太陽なのかこれ?)

・青い火焔と白い氷雪が山嶺を覆う世界、この現象は魔術的な理由があるもの?(理由ありました後述)

・第2節でシグルド登場、ホームズ「完全に馴染んではいまいよ」

・馴染…む…???

神話体系が判明

・第3節で北欧神話もろもろ判明。

・『いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典』森瀬繚著が初心者向けで私にはとてもよかったです。

▼『いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典』

・北欧神話は(いわゆる北欧4か国だけでなく)アイスランドが大きな役割を占めていることがわりと重要で、本章で出てくる「カトラ山」もアイスランドに実在する火山です。

・北欧神話としておそるべきものとして描写されるメインはやはり「氷」と「雪」なのですが、最終戦争で「火」が出てくるのは、やはり(アイスランドの)火山が関係しているんだろうなあ、と思うのでした

・作中にあるとおり、実際に噴火したのは西暦1000年頃だそうです。
・モチーフにしたんでしょうね

・北欧神話、ざっと読んだだけでも大神オーディン(ゼウスっぽい)、始祖の巨人ユミル(例の超ヒットマンガの元ネタ)、世界樹ユグドラシル、最強神トール、巨狼フェンリル、世界を飲む蛇ヨルムンガンド、狂戦士ベルセルク、魔剣グラムと戦士王シグルズ、神々の最終戦争ラグナロクと、厨二感満載です

ゲルダ登場

・え、ゲルダって『雪の女王』アンデルセン著の主人公??

・アンデルセン先生出るの!???(最後まで出ませんでしたしょんぼり)

『雪の女王』は角川文庫版の山室静訳がすばらしいので、ぜひご一読を

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・『みにくいアヒルの子』も『マッチ売りの少女』も掲載するお得なシリーズ第2作です。

・『雪の女王』といえばご存じ『アナと雪の女王』の着想元で、(作品の品質は別として)『人魚姫』→『リトルマーメイド』と並ぶ原作の跡形もない改変作

・本章も内容は特に『雪の女王』との共通点はなし(悲)

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ゲッテルデンメルンクの世界観について

・この異聞帯では、みな14~15歳で子供を作り、24~25歳でヴァルハラへ召される(死ぬ)と。

・なにか理由があって(たとえば資源が極端に限られていたり?)こういうシステムなのでしょうか…?

・第4節で「第23集落」がヴァーネル湖(スウェーデン最大の湖で、5655㎢だそうです。琵琶湖で669.2㎢。でっか!)の上と判明。

・ゲルダさん、所長に「太った人を初めて見る」(やはり資源的な事情か)

第5節でナポレオン登場

・ナポレオン、「欧州の中世を終わらせ、近代の扉を開いたものの、その終わらせた中世に足をとられて退場した皇帝」という印象です。

ナポレオンでおすすめの本
・ナポレオンに関しては関連書籍が山ほど出ていてお薦めを挙げづらいのですが、本稿ではわたしが参考にした3冊をざっくり紹介します。

1冊目『ナポレオン時代』アリステア・ホーン著
・ナポレオンについて時代背景ふくめて丁寧に追いたい方は『ナポレオン時代』アリステア・ホーン著、大久保庸子訳お薦め(訳者あとがきにあたる「解題」がいい)

・以下『ナポレオン時代』より引用「ナポレオンは後世に多くのものを残してくれたが、われわれへの最大の贈り物、それは生涯そのものではないだろうか。」

2冊目『世界史劇場 駆け抜けるナポレオン』神野正史著

・またナポレオンの軍事面での天才性については、『世界史劇場 駆け抜けるナポレオン』神野正史著に詳しく、面白く読めました

・私が軍事知識に明るくないため不正確な説明になっているかもしれませんが、彼は同時代の軍人に比して多次元的な思考ができたようです(トゥーロン要塞攻城戦とかすごい)

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3冊目『ナポレオンを創った女たち』安達正勝著

・いっぽう(本章好きには気になる人も多いだろう)ナポレオンの女性関係を知りたい人は、『ナポレオンを創った女たち』安達正勝著がお薦めです。

(なおナポレオンが生まれたコルシカ島は、彼が生まれる一年三ヵ月前まではイタリアのジェノバ共和国領で、彼自身一時期イタリア語名を名乗っていました)

以下、『ナポレオンを創った女たち』より本章的にストライクな部分を引用

  • 「若い頃のナポレオンがかなりセンチメンタルな文学青年であったことは、これまでにもたびたびふれた。これが後々までも尾を引き、ナポレオンが女性たちに大きく運命を左右されることになったのも、この 「文学青年後遺症」に起因するところが大きい。」
  • 「つまり、現実にその女性がどういう女性であるかということよりも、自分が抱いている好ましいイメ ージを相手の女性に当てはめてしまい、現実と理想の区別がつかなくなってしまうのである 。とくに、二人の妻、ジョゼフィーヌとマリー=ルイーズに対しては完全にそうであり、これがナポレオンの命運を決することにもなるのである。」

・なお著者の安達正勝氏は、あの名著『死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男』(1.5部4章でも大変お世話になりました)を執筆した方です。

・巻末の註と年表も読み応え抜群のお得な一冊

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スカサハ=スカディ登場から「異星の神」まで

第5節で氷雪の女王スカサハ=スカディ登場。

・「スカディ」という名称が耳馴染みなく、よくわからなくて理解が遅れたのですが、北欧神話関連書籍では「スカジ」表記で登場する女神のことだと最終盤で気づきました。

・なんらかの事情で「スカサハ」と習合したと(この設定すばらしかった)

第8節でシトナイ登場
・第9節で北欧神話最強の病み女子ブリュンヒルデ登場(マジで神話内で炎の館に引きこもったり夫(シグルド)を殺して自決したりする、いわゆる絶対気軽にやさしくしちゃいけないタイプ)

・「シグルドは異聞帯の英霊ではない」繰り返されるフレーズ、よほど大きいポイントっぽい

第10節
・集落で誰かが結界を強化、「私はカルデアの者だ」といって立ち去る

・で、誰?(その2)

・第11節、ワルキューレ三姉妹vs.ブリュンヒルデ

・「愛」によって心が動いたブリュンヒルデに対し「嫉妬」で心が動いてしまったワルキューレ

・「愛」でなく「嫉妬」で知る心

・すごいシナリオだ…

第13節
・キリシュタリアが「異星の神」と対話

・他のクリプター(これCrypt=地下聖堂の者という意味?)に機会を与えるため、「あと数度、世界を敵に回す苦しみに耐えらえるかい?」

・あれ? これ、第2部で主人公が体験させられていることでは?

・つまり第2部はキリシュタリアをなぞっている??

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本章全体像

第14節で本章全体像発覚

・神々を狙う炎の巨人王スルトの目をくらませるため、スカディはオーディンによって「縁ある女(スカサハ)」と習合させられる。

・いっぽうスルトはオフェリアと(魔眼で垣間見たことにより)「縁」を結ぶ。

・スルトは「世界を滅ぼす」という方法しか愛し方、生き方を知らない。

15節からラストまで怒涛(寝不足)

・第2部1章ラスト近辺の怒涛の展開を終えて、「こ、こんなのがこの先つづくのかよ…」と思ったけど、普通につづいてました…。

・オレが! ここに いるぜ!!

・オフェリア、スルトとの契約解除のため、魔眼からの魔力逆流で脳が破壊し大令呪(シリウスライト)使用。

・序盤でクリプター側がカドック奪還に必死になった理由は、この大令呪なのでしょうか?

・とすると、この大令呪は契約サーヴァント(カドックの場合はアナスタシア)にも効くの?

・ともあれオフェリア…

・冒頭の「日曜日が怖い」は、曜日の呼称(英語)が北欧神話由来なのと関連があったわけですね

16節、スルト撃破!!!!!!

・あああーーー。。。オフェリアは、カルデアで窓の外を見ていたマシュに自分を重ねていたのか。。。。オフェリアは、、、、ただ、、ただ、、マシュと、、。、友達になりたかったと、、、、。

「彼(ナポレオン)に、ありがとうと、虹がきれいだったと伝えてほしい」

・大号泣

第17節(最終節)

・タイトル「征け、黄昏を越えて」だけでもう涙腺がヤバい。

・スカディさま「那由多(一般的には10の六十乗)の命をもこの手で奪ってみせよう」

・それは、カルデア側もまた「この北欧異聞帯に生きる命(1万人)を奪うことへの覚悟を持て」ということですね…

・あぁぁぁ、、、そうか、、、。、この世界では終末戦争(「ラグナロク」)の残り火が燃え続けており、それを抑えるため、あらゆる場所が(魔術の)氷雪に包まれている必要があって、だから大地はわずかな場所を除き痩せ衰えていて、この世界で維持できる生命の数と規模に限りがあるということか。。。

・スカディさまは、それ(限りある命の尊さ)を身に染みて知っているからこそ、「この北欧異聞帯」を維持するために、ひとり(絶望的なものであっても)戦い、かつ、まだ見ぬ汎人類史の(那由多の)命にも想いを馳せることができた、ということなのですね…

・それを3000年やってきたと…

・つらい

・この異聞帯への突入当初はなんと残酷で冷徹な世界だろうと嘆いたのですが、北欧異聞帯は「そうしたかたち」でしか存続できない世界でした

・たとえば近代以前の世界平均寿命は(当時の先進国ですら)25歳程度だったわけで、そうであるならばこの北欧異聞帯は、かつての汎人類史とどう違うというのか

シナリオクライマックス

・ロシア異聞帯は(汎人類史に比して)「過酷すぎる世界」でしたが、そこに生きる人々には「強さ」がありました。しかしこの北欧異聞帯は「弱すぎる世界」であり、ただひたすら、スカディさまの愛と尽力で存続されてきたわけですね。

・「愛はあるけど弱い世界」を踏み越えて進めと

・つ、、つらい

・「ぴょーん」

・なんという……なんというシナリオを……なんという……

・寺山修司はかつて「身捨つるほどの祖国はありや」と書きましたが、「弱さを踏みにじって進むほどの人類史はありや」という言葉が頭のなかを回っています…

・空想切除し、しばらく凹んで第2部3章へ

・フレンドの皆さんいつもありがとうございます皆さんのおかげでなんとか攻略できています。

(涙&了)

参照元ツイート:https://twitter.com/tarareba722/status/1212387116740567042

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