ツイッターで有名なたらればさんが、Fate/Grand Order 第1部 第4特異点 死界魔霧都市(ミストシティ) ロンドン 「ロンディニウムの騎士」の感想をつぶやいていました。
いつもながらとても勉強になる内容です。
目次
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最高にたぎるキャラとシナリオに出会った たらればさん
たらればさん 第四特異点『ロンドン』感想
テーマは「愛されないということ」と「死」ではないか
FGO第1部 第4章「ロンドン」修復完了!舞台は産業革命末期の1888年、大英帝国。この章のテーマは「愛されないということ」と「死」ではないかなー。
舞台的にやっぱり出てきた切り裂きジャック!『決定版 切り裂きジャック』仁賀克雄著・ちくま文庫刊は入門編にして文字通り決定版でお薦めです。
▼『決定版 切り裂きジャック』
この本が優れているのは、切り裂きジャックを単に連続猟奇殺人犯と見なすのではなく、「イギリス帝国の絶頂期であるヴィクトリア朝が生んだ(負の)社会的影響のひとつ」という観点から分析しているところです。
とはいえ個人的には参考文献は『黒博物館 スプリンガルド』(藤田和日郎著)を挙げたい。『スプリンガルド』まじで最高なので超読んでほしい。
▼『黒博物館 スプリンガルド』
FGOに戻って、切り裂きジャックが「記憶を操作するタイプの宝具の持ち主」(だから捕まらなかった)という設定すごいなー。
あっ……消えるの早っ……。 この章は、いわゆるヴィクトリアン・スチームパンクの世界観なんですねー。
人造生命体(ホムンクルス)に対するマシュの複雑な反応が気になります。第3章(オケアノス)冒頭で語られた、カルデアで2人目のサーヴァントと関連がありそう。あのシーンで出てきたシルエット、Dr.ロマンですよね。
円卓の騎士とモードレッド登場、親子のコンプレックスってわりと本作の鍵なのか。
アンデルセン登場
第4節でアンデルセンさん登場。o(´∀`o三o´v`)oアンデルセン!!アンデルセン!! ナーサリー・ライム(誰かの為の物語)の敵キャラ造形はこれ、『不思議の国のアリス』か。
デル先生の解説、「英霊召喚」と「聖杯戦争」は別々の魔術様式??(前者は後者のための仕組みではないということかぁ)
シェイクスピア登場
シェイクスピア登場。英語圏最大の作家の造形が王道すぎて物足りなさを感じたのですが、ただまあそもそもこの作品自体、(元人物との摩擦係数よりも)作品世界内でのシナリオとの関わりかたや他キャラとの競合回避、キャラ確立を優先させているため、たまには「そのまんま」も必要だよなあと納得。
また、おそらく「少年としてのアンデルセン」、「少女としてのナーサリー・ライム(アリス)」という極点が存在する以上、シェイクスピアはああいうかたち(大袈裟なおっさん)で登場するしかなかったのかなぁ……とも想像します。
第4章 作家組・時系列
自分資料用として第4章作家組時系列。
- メアリー・シェリー(1797 - 1851年)『フランケンシュタイン』作者
- ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805 - 1875年)
- ルイス・キャロル(1832 - 1898年)
- ロバート・ルイス・バルフォア・スティーヴンソン(1850 - 1894年)『ジキル博士とハイド氏』作者
おまけで科学者組。
- チャールズ・バベッジ(1791- 1871年)
- ニコラ・テスラ(1856 - 1943年)
科学者はファラデーとエジソン、作家はジュール・ヴェルヌやH・G・ウェルズが出てきそうで出てこなかった印象。そのうち出るんでしょうか。
ニコラ・テスラ登場
…と、やや強引に納得した直後にニコラ・テスラが笑い上戸のソバージュおじさん、坂田金時が少年チャンピオン系ヤンキーキャラとして登場。
おおおお玉藻の前って九尾の狐?? は、白面の者??(興奮)
ニコラ・テスラ、初めてFGO内のほうが元人物より話が通じるかもと予感させるキャラ造形な気が。テスラの変人ぶりは『変人偏屈列伝』荒木飛呂彦編・著あたりがわかりやすいです。
坂田金時は「雷神の子」という伝承があるので雷キャラ(そして交流おじさんテスラと絡むと)なのですねなるほどー!
テスラ退場と入れ替えで黒幕出現、英霊召喚と聖杯戦争の仕組みをレクチャーしてくれました。親切。
英霊召喚について
英霊はもともと自然に対する召喚だった、人に対する召喚が現在の(聖杯戦争用の)英霊召喚だったと。文明を築いて以来3000年、「死」を克服できない人類を「無為なので滅ぼす」というすごい理屈。
「死」は克服すべき現象か? むしろ進化の過程で獲得した長所では? と思うのですが……まあいいか。
人理修復完了
あれこれもやもや考えてたら「今日んとこは見逃したるわ」でカルデア生還、人理修復完了。お疲れさまでした。
Dr.ロマンのソロモン王に対する異様な執着(?)が気になります。魔術嫌いじゃなかったの? 何かの伏線でしょうか。
4章を終えて
この章を終えて、人は自らが創り出したもの(機械なり作品なり子供なり文明社会なり)を愛する義務があるのか? 仮にその義務はないとして、では壊す権利はあるのか? …などと考えてます。フランやアンデルセンのキャラはそれを裏返して描いていると。
ともあれ続いて第5章へ! 頑張ります!
(了)
参照元:https://twitter.com/tarareba722/status/1101725490413355008