エミネムの曲「スタン(Stan)」
行き過ぎたファンの暴走の歌。
歌詞の内容を簡単に言うと「エミネムの熱狂的なファンの男が、手紙の返信をもらえないことに腹を立てどんどん怒りがエスカレードしていくが・・・」という内容。
この曲から熱狂的なファンを「Stan」と呼ぶようになり、たとえば"stan for A!"は「Aを推す!」的な意味合いのスラングになりました。内容に反して聞きやすい名曲です。
エミネムの熱狂的ファンである青年Stan(スタン)が、エミネム(曲中ではエミネムの別称である「スリム」と呼ぶ事から、Stanはエミネムの旧年来のファンであることが窺える)に宛てて綴った3通のファンレターの内容と、男に対するエミネムからの返信がそのまま歌詞(ヴァース部分)となっている。
始めは一般的なファンレターらしい内容で、穏やかに韻を踏んでいる。しかし、エミネムからの返信がないことに苛立ち、内容も声も次第に熱を帯びていく。最終的に死を決意したStanは、自分とエミネムの親密な仲に嫉妬している(とStanが勝手に勘違いした)妊娠中の彼女をさらい、大量の酒を呑み(「I drank a fifth of vodka」)時速150kmを越すスピードで雨中運転しながら、Stanの遺書ともなるテープ・レターとして吹き込む。そして最期の時が来る直前、「どうやってこのテープをエミネムに送ればいいんだ?」と気づくが、トランクの中に閉じ込められた彼女もろとも車ごと川に転落してしまう。
最後の第四ヴァースは、スリム(=エミネムの分身)からStanに宛てた返信となっており、声も一転穏やかなものに戻る。事故死したカップルのことを新聞で読んだことを思い出し、冷静になるよう男を諭している。しかし、それがその狂信的なファンレターを送り続けたStanであったことに気づくところで曲は終わる。
ファンレターを綴る音や、男が運転を誤り急ブレーキする音、そして川へ転落する際の音がサンプリングされている。
『Stan』和訳
[Chorus]
Stanの彼女:紅茶も冷めてしまった
どうしてベッドから出てしまったのだろう
窓の外には朝の雨の雲
何も見えない
見えたとしてもきっとすべて灰色
壁に貼ってあるあなたの写真をみると
そんなに悪くないって思える。そんなに悪くないって
[Verse 1]
前に手紙出したんだけど、電話くれないな
下んとこに携帯とポケベル、自宅の番号も書いたんだけどな
秋に2通出したんだ。受け取ってないのかもな。
郵便局でなにかあったのかもな。
俺たまに住所、殴り書きしちゃうしな
そんなことはどうでもいい
最近どうなんだよ?
娘は元気か?
俺の彼女も妊娠してんだ
父親になるんだぜ
もし娘が生まれたら
なんて名前つけると思う?
俺はBonnieって名前にするね
Ronnie叔父さんの記事読んだぜ
残念だな
俺の友達でも自殺したやつがいるんだ
ビッチにいらないって言われてな
同じセリフを何度も言われているだろうが
俺はお前の一番のファンなんだ
お前がScamとやったアンダーヅラウンドのまで持ってるんだぜ
俺の部屋はお前のポスターと写真でいっぱいなんだ
お前がRuckusとやったのも好きだ
あれは良かった
まあ、これがド届くことを祈ってるよ
連絡くれよ
ちょっとした会話でいいんだ
心をこめて お前の一番のファン スタンより
[Verse 2]
まだ電話くれないな
いつか時間ができるの祈ってるぜ
別に怒ってはないぞ
まあファンを無視ってのは終わってると思うけどな
ライブのあと、外で俺と話したくなかったなら
それは別にいいんだ
だけどMatthewにはサインしてくれても良かっただろ
俺の弟なんだ
たったの6歳なんだぞ
極寒のなか4時間も待ったんだ
でもお前はノーと言っただけ
これってクソだぜ
お前はあいつのアイドルみたいなもんさ
おまえみたいになりたいんだ
あいつは俺よりお前が好きなんだ
別に怒ってるんじゃないぜ
ただ俺は嘘が嫌いなんだ
Denvorで会ったときのこと覚えてるか?
手紙書いたら返事くれるって言ったよな?
ほらな俺達って似てるんだ
俺も親父のことは知らないんだ
やつはいつも浮気して母親を殴ってたらしい
だからお前が曲の中で
言ってることがわかるんだ
クソみたいな日はひとりでお前の曲を聴くんだ
他にすることもないしな
だから落ちてるときには
こいつが救ってくれる
胸んとこにおまえの名前のタトゥーまでいれたんだぜ
たまに自分の身体を切ってみて
どれくらい知が出るのか
眺めるんだ
なんていうか、アドレナリンみたいなもんだな
痛みがそんな感じで俺を襲ってくるんだ
ほらな
お前が言ってることはすべてが真実
だからお前をリスペクトしてる。
俺の彼女はお前に嫉妬してるよ
7日間24時間
お前の話をしているからな
だけどあいつは
お前のこと知らないんだ
俺が知ってるほどにはな
誰も俺ほどお前を理解できない
彼女は俺達がどうやって育ってきたか知らないんだ
電話くれよ
失うことのない、お前の一番のファンなんだからな
心をこめて スタンより
P.S 俺たち一緒になるべきだぜ
[Verse 3]
これがお前のケツに送る
最後の小包だ
もう6ヶ月だ
いまだなんの連絡もない
こんな仕打ちってあるかよ
最後の2通
受け取ってんのは知ってんだ
住所も完璧に書いたしな
だからこれがお前當てのカセットだ
聞いてくれることを祈ってるぜ
今車の中なんだ
高速で90マイル出してるんだ
よぉ Slim
5杯目のウォッカを飲んだとこ
あえて運転してるんだ
フィル・コリンズの In the air tonightって曲
知ってるだろ
溺れてるやつがいて
助けられたのに
助けなかった男の話
フィルはそれを見たんだ
そして自分のショウでその男を見つけたって話だ
なんかお前みたいだな
溺れている俺を救うことができたのにさ
もう遅いさ
100ガロンも飲んで
もうフラフラさ
俺が欲しかったのは
くらだらない一通の手紙か
電話だけだったのに
お前の写真も全部壁から
引き剥がしたって言っておくぜ
Slim、
お前を愛してたんだ
俺達一緒になれたんだ
考えてみろよ
お前がぶっ壊したんだ
眠れなくなってこの夢を見ればいい
その夢の中でも眠れなくて叫べばいい
良心を食いつくし、俺なしでは息が
出来なくなればいい
ほらな、Slim
(女性の叫び声)おい、ビッチ静かにしろ
俺はいま話してんだ
よぉ、Slim
今のは俺の彼女の叫び声さ
トランクに入ってるんだ
喉を切ったりしてないぜ
ただ縛っただけ
お前とは違うんだ
窒息すればもっと苦しむだろう
そして死ぬだろうし
さて、もう終わりだ
橋んとこに着いたからな
Oh クソっ
忘れてた
このテープ、どうやって送るんだよ?
(ブレーキ音と車が水に落ちる音)
[Verse 4]
エミネム: 親愛なるスタンへ
もっと早く返事を出したかったんだけど
ただ忙しかったんだ
彼女が妊娠してるらしいな、あと何ヶ月だ?
娘にそう名付けるなんて
なんか照れくさいな
弟へのサインも入れとくぜ
Startarの帽子に書いといた
ショウのあとに会えなくて悪かったな
気づかなかったんだと思う
わざとコケにしたとか思うなよ
それにしても手首切るとかって何の話だよ
俺は冗談で言っただけだぜ
どうしちまったんだよ?
お前問題かかえてるな、スタン
カウンセリングに行くべきだよ
なんかあったとき
自分のケツを救うためにな
それと「一緒になるべき」ってどういう意味だよ?
こういうのがあると会う気が失せちまうよ
俺はお前と彼女がお互いを必要としていると思うぜ
それかもっと彼女を大事にしてやるかだな
お前がこの手紙を読むことを祈ってるぜ
間に合うといいんだけどな
自分を傷つける前に
まぁ、大丈夫だろう
もうちょっとリラックスすればな
お前をインスパイア出来て嬉しいよ
だけどスタン
なんでそんなに怒ってるんだ?
俺はただお前にファンとして
存在してほしいだけなんだ
クレイジーなことはして欲しくないんだ
何週間か前に
クソみたいなニュースを見て気分が悪くなったんだ
どっかの男が酔っ払って運転して、橋から落ちたんだ
トランクにはそいつの彼女がいて、妊娠していたらしい
車の中でカセットが
発見されたが
誰宛かは言ってなかったらしい
ちょっと待てよ
そいつの名は・・・・
お前だ・・・・
※この歌詞はフィクションですが、実際に熱狂的な女性ファンがエミネムに遺書を送りつけたあと車で海に飛び込み自殺しました。この曲はその体験を元に作られています。