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マイナーなテレビで伊集院光がした話
ラジオの企画で急遽、百物語をやろうって話になった。
本当に百の怖い話をして、ろうそくを消したらどうなるのか。
ラジオのスタッフやら怖い話をする演者やらを何とかかき集めて、
二十人の演者に対して一人5本の怖い話があるのも確認して、
貸して頂いたお寺の本堂で百本のろうそくに火を灯して、いざ、録音がはじまった。
一人怖い話を終えて火を消し、また一人怖い話を終えて火を消す。
実のところ、ラジオの業界は仕事の時間帯がバラバラなので、
この収録も結構遅い時間にやっている。まぁ、何か出そうでこれはこれで良い。
だが、仕事が終わってすぐの人もいたり、収録時間が長くて居眠りする人もいたりと、
途中からだんだんと、話す内容の質が下がってきた。
しまいにはふざけ半分で話すお調子者もいたりで、流れがグダグダになりはしたけど、
何とかみんな怖い話を続けて、とうとう残るろうそくの火は一つになった。
最後の演者が話を終えて、ろうそくの火を、フッ、と消した。
何も起こらない。
59: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 :2011/04/13(水) 01:28:18.43 ID:pRrpuu/N0
>>58続き
そうそう上手くは事は運ばないなぁ。と思っていたら、一人の演者がこう言った。
「え?何で終わってるの?俺トリだから凄い怖いの用意してたのに。」
でも、確かにろうそくは百本全部、吹き消されている。
「誰かが間違えて2つ消したのかな?」などと憶測されたけど、
もともとは企画のため、この一連の流れは全て録音されている。
これを確認しようという話になり、時間があるメンバー全員でラジオ局に戻った。
早速録音されたテープを聞くと、しっかりと一番最初の人の話が録音されていた。
話が変わるたびに、「この話は僕がしたよ。」「この話は隣にいた〇〇さんがしてました。」と演者が確認していく。
半分くらいたった時だったかな。すごく小さい声で、ボソボソっと話してる声が録音されていた。
演者の一人が言うには「あー、これ俺覚えてるよ。誰が話してたか知らないけど、
聞き取りづらいし眠気誘うしで、俺寝ちゃったよー。」
他にも何人かの演者が聞き取れなかった話があったことを覚えていた。
たださ、やっぱりみんな、この声の主が何と言ってるか気になった。
幸いここはラジオ局。しかも音声さんやミキサーさんや、音のスペシャリストが揃ってる。
彼らが上手くノイズを消したり音量・テンポを調節したりして、
そのボソボソ声が何を言ってるのかわかるようになった。
みんな集まってそのテープから流れる音声を待った。そこから、流れてきた。
「最近の話なんだけどさー。俺、死んじゃったんだよね。」
と、スタッフ、演者の誰にもあてはまらない声で。
後日、収録場所になったお寺に確認に行くと、収録当日、
お堂には納骨される前の遺骨が安置されていたそうです。