ホラー

【洒落怖】霊能力がある友人のウラ

不可解な体験、謎な話~enigma~ Part38

605 :本当にあった怖い名無し:2007/05/30(水) 12:28:21 ID:i3RgJz5L0
とんだチキン能力者の話を一つ。

俺の友人に、とても霊感が強いヤツがいた。
ただ強いだけでなく、側にいる人間(全員ではないが)も見えてしまう程だ。
俺が霊感少年ウラと出会ったのは中学のとき。
その頃から、そう言う意味で有名だった。

中2で同じクラスになり、好奇心旺盛な俺は早速話しかけ、
「一緒に霊所スポットへ行かないか?」と誘ったのだが、
ウラは見える能力のせいか、自分からそう言った場所にはけして近づこうとはせず、
それどころか、かなりのチキン野郎だった。
でも、どうしても自分の目で幽霊が見たかった俺は、夕方にウラを遊びに誘った。
そして、男子数人と首つりがあったと言われる公園へと、うまく誘い出す事に成功した。

暫く公園をうろついたが霊なんて出る気配は無く、諦めかけていたとき、
「あ~あ、やっぱり幽霊なんて出ないな」
誰かがポロっと言ってしまい、ウラに今日の計画がばれてしまった。
最初はふてくされていたウラだったが、
「全然恐い感じしないし、みんないるから今日は出ないよ」とウラが言ったので、その日は帰る事にした。

ところが、ネタを証しても怖がらないウラが面白くなかったのか、幽霊が出ないからか、みんなでウラをからかい出した…。
「ここは落ち武者の霊も出るって有名なんだぜ~」
と俺が言うと、面白いくらいに怖がるので、みんなでどんどん話しを大きくしていった。
「…それで、血を流した落ち武者が手招きを…」
「やめてよ…やめてよ」

怖がるウラを見てウシシと笑っていると、
「なぁあれ何だろう?」
木陰のすみを指して誰かが言った…
「え?何々?わかんないよ」
中には見えていないヤツもいたが、俺と最初に見つけたコウジには、
ハッキリと手招きする血まみれの武者が見えた。
それを見て大声で叫んだウラを合図にパニックになり、皆散り散りにその場を逃げ出した。

俺は次の日に知恵熱を出し、学校を2日も休んでしまった。
2日目の夕方学校帰りのコウジがお見舞いに来てくれた。

606 :本当にあった怖い名無し:2007/05/30(水) 12:30:51 ID:i3RgJz5L0
俺が呪われたのでは?と心配したらしいが、俺自身はすっかり元気になっていた。
話題はもちろん公園の落ち武者…コウジは酷く怯えていたが、俺は思ったより平気だった。
それどころか、何か引っかかっていた。
「それでさ、学校は落ち武者の霊の話しで持ちきりで。
 落ち武者の伝説がいっぱい出てきてさ、俺なんて見ちゃってるから恐くて、話題に入れなかったよ…
 ウラなんて超チキンじゃん?びびりまくって学校早退してたよ」
コウジの話を聞いて、無理矢理連れて行った事を改めて悪いと思った。

コウジと落ち武者について話し合っていて、ある事に気づいた。
コウジが見ていた落ち武者と、俺が見た落ち武者が違っていたのだ。
「首が無くて全身血まみれ、大きく手を振っていた」
とコウジは言ったが、俺が見た落ち武者は顔があったし、手招きは指だけだった。
そして幽霊を見たと言うことで忘れていたが、落ち武者は、あのとき俺が付いた嘘だった事を思い出した…
落ち武者なんているわけ無いのに、俺たちは落ち武者を目撃した。

この謎が解明されたのは、数ヶ月後の廃病院での事件の後。
話しが長くなるので端折らせてもらうが、ウラは霊能力者では無く超能力者だった。
自分自身に『幽霊がいる』と言う暗示をかけ、パニックになると、その暗示が回りに伝染するのだ。
見ている幻覚は個々がイメージした霊なので姿はバラバラ。
『落ち武者』と全員にポイントが伝達されていれば、個々がイメージした『落ち武者』が見えるのだった。
ウラのこの能力に、俺とコウジは卒業までよく振り回された。
その話をまたの機会に書きたいと思います。
それでは…。

不可解な体験、謎な話~enigma~ Part38

677 :本当にあった怖い名無し:2007/06/02(土) 20:00:30 ID:jcxa1rr90
チキン能力者の話しを書いた者ですが、この前端折った廃病院の話しを最後に一つ。

『落ち武者』事件から数週間後、ウラはかなり周りから気味悪がられていて、クラスでも浮いてしまっていた。
その上『落ち武者』事件を聞いて面白がった先輩グループに絡れ、廃病院に呼び出されていたのだ。
「行きたくないけど、行かなきゃ虐められる」と泣いていたウラを見て、俺は本当に申し訳なく思った。
助ける事は出来ないが、せめて廃病院に一緒に行ってやる事にしたのだ。
罪悪感があるとは言え、そんなに仲よくない奴に、そこまでしてやるほどいい奴では無かった。
けど『落ち武者』事件の謎が未だに引っ掛かっていた俺とコウジは、純粋にウラの能力が気になった。

先輩達を含め男女10人程が、廃病院に集まった。
散々病院内を歩かされたが何も出ず、散々嫌みを言われた後、
女性を怖がらせていちゃつきたかったのか、急に百物語をする事になった。
ここからが大変…

百物語が進むにつれて、ウラの顔色が悪くなって言った。
マズイなと思っていたとき、「きゃー」と女の子が突然叫んだ。
振り向くと、無数の手が壁から生えていたのだ。
一瞬で消えたのだが、ソレをきっかけに、コウジ以外皆散り散りに逃げてしまった。
コウジも逃げたかったんだろうが、腰を抜かした俺に腕を掴まれ逃げれなかったのだろう。
これじゃあ『落ち武者』の時と一緒だ…と思ったが、
ビビってしまった俺は、謎なんかより、この病院から逃げ出す事しか考えられ無かった。
コウジと共に窓から逃げようとしたが何故か開かない。割ろうとしてもガラスが割れない。
しかも、どこからか先輩達の悲鳴が聞こえて来ていた。

パニックになりオロオロしていると、
コウジが「かあちゃん!?かあちゃんがいる!?」と突然言い出した。
アホだからとうとう幻覚が見えたか、と呆れてコウジを見ると、本当にコウジの毋(と思われるおばさんが)歩いていた…
しかも、そのまま消えてしまった。
もちろんコウジの母は健在。(合った事は無いが)
「何で!?今の見ただろ?かあちゃん死んだのか?」
隣でコウジがパニクっていたが、俺は逆にコウジ毋のおかげで、さっきまでの恐怖心はすっかり無くなっていた。

678 :本当にあった怖い名無し:2007/06/02(土) 20:02:04 ID:jcxa1rr90
「コウジ。お前のかあちゃんはパンチパーマで、ピンクのシャツにスーパー笹井の袋もってたよな?」
「はぁ?お前何見てたんだよ。俺のかあちゃんそんなダサくねぇよ」
コウジの言葉で確信した。
コウジはさっき百物語で、かあちゃんの話をしていた。(百物語の意味を知らなかったから、そしてアホだから)
無数の手も、入ったら出られない廃病院の話も、誰かがしていた。
コレがウラが思い込みで産んだ幻覚なら、『落ち武者』事件の話も納得がいく。

答えが分れば後は簡単だった。
コウジを落ち着かせて説明し、何とかウラを探し出した。
その間もウラの幻覚達に遭遇したが、
外もまだ明るかったし、落ち着いていればイメージの幻覚は、不鮮明でCGを見ている感覚になれた。

ウラを見つけたが、パニック状態のウラの思い込みを消すのはむずかしかったため、俺とコウジは嘘をついた。
「おれのじいちゃん、この病院で死んだんだけど、さっき現れて俺達を助けてくれたんだ」
「ヒロシ(俺)のじいちゃんが、ウラの所まで案内してくれたんだぜ!」
「じいちゃんが今、この病院の呪をねじ伏せてくれている!!」
「今だ!早く逃げるんだ」
と適当な演技でウラを信じ込ませ後は、簡単に窓から出る事ができた。

後日。
それからウラは、また気味悪がられたり、虐めに合うのでは?と思っていたが、
逆にここまで来ると大物扱いされ、先輩にも一目置かれていた。
他校の生徒にいたっては、ウラの名は教祖的になっていた。
ウラはと言うと、「先輩の嫌がらせにつき合ってくれた上に霊から助け出してくれた」と、
俺とコウジに懐いてしまい、どこに行くにもくっ付いて来る様になった。
その為、俺やコウジは結構でかい顔ができる様になった。
ウラや周りにコノ能力の正体を言わなかったのは、でかい顔が出来なくなると言うのもあったが、もっと大きなワケがあった。
その話は長くなるので書くのはやめます、では。

評価

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