768: 本当にあった怖い名無し 2020/10/10(土) 00:05:47.21ID:NmEX0n9S0
70年代の少女漫画、菊川近子の『自殺志願 名前のない少女』が後味悪かった。
「見えない叫び」という単行本に収録されている…といってもとっくに絶版だが。
ある雨の夜、一組の兄妹が早く家に帰ろうと歩いていると、1人の少女(以下「少女」)が橋から川へ身投げしようとしているのを目撃する。
兄の方が駆け寄って取り押さえようとするが、2人はもつれ合ったまま川へ転落してしまう。
増水した川に流される中、兄は必死で「少女」を川岸に押し上げるが、自分は力尽きてそのまま川に流されていった…。
やがて近所に住む老夫婦が、川岸で気絶している「少女」を発見し、自宅に連れ帰って寝かせる。
「今日はもう遅いから、警察への連絡は明日にしよう」と就寝する老夫婦だが、そこで家が火事になり全焼、老夫婦は焼死する。
「少女」は目を覚ますが、老夫婦は既に手遅れであり、1人で逃亡する。
翌日の昼間、町中を1人でフラフラと歩く「少女」を、いかにもヤンキーっぽい2人組がナンパしようとする。
「裸足でどうしたの?服もヨレヨレだし」「一緒に遊ぼうぜ、靴ぐらい買ってあげるからさ」と、彼女の手を掴んで連れて行こうとするが、そこへ通りがかった正義感の強い青年が「やめろ、嫌がってるじゃないか」と制止しようとする。
しかし彼はキレたヤンキーに殴り飛ばされ、頭をブロックに打ち付けて即死してしまう。
周囲が騒ぎ出す中、またも1人で逃亡する「少女」。
場面変わって、「少女」は海辺に来ていた。悲しげな顔で1人佇んでいるところへ、昨日の兄妹の妹の方が「見付けたわよ!」と言ってやってくる。
「あのあと兄は死んだわ。下流で遺体が見つかったの。あなたがなぜ自殺しようとしたかは知らないけど、何か言うことはないの!?」
ところが「少女」は悲しい顔を崩さず、「私を助けようとなんかするからよ」と呟く。
「何て言い草を!」と激高する妹だが、「少女」は足元からガラス瓶の破片を拾い、「よく見て」と言って突然自分の手首を切り裂いて見せる。
血が飛び散るが、すぐにその傷は跡形もなく塞がってしまう。
呆気に取られる妹に、「少女」は自分の事を語り出した。
769: 本当にあった怖い名無し 2020/10/10(土) 00:06:42.57ID:NmEX0n9S0
「私は自分が誰だか知らない。気付いた時から今の姿で、独りぼっちだった。自分の名前も、家族も、それまでどこでどうしていたのかも思い出せない。そして、私に親切にしようとした人は何人もいたけど、みんな必ず死ぬ。あなたのお兄さんのように。だから私は何度も自殺しようとした。でも死ぬことができない。私は年を取らず、病気にもならず、ケガをしてもすぐ治ってしまう」
何も言えない妹。傷がすぐ治るさまを目の当たりにしては、信じるしかない。
「あなたとお兄さんには謝っても謝りきれないことをしたけど、私は死んで詫びる事すらできないの」
と言う「少女」に、
妹は「もし私が、またあなたが自殺しようとしてるのを見かけても、私は兄さんみたいにあなたを助けたりなんかしない。見殺しにするわ。それが私の、あなたへの復讐よ」と言い捨て、立ち去って行った。
その後ろ姿を拝み、感謝し詫びる少女……。
770: 本当にあった怖い名無し 2020/10/10(土) 00:07:24.49ID:NmEX0n9S0
時は流れ、妹は大人になり、恋人もできた。
結婚も決まり、2人でウェディングドレスを見に行き、腕を組んで帰り道を歩いていたのだが……
そこで、フラフラと歩いている「少女」を目撃してしまう。「少女」は昔と変わらぬ姿で、車道へ飛び出そうとする。
そして妹は、見捨てることができずに思わず飛び出してしまい、「少女」を突き飛ばし、自分が跳ね飛ばされる……。
「少女」は嘆く。
「あの時の妹さん……私を助けたりしないって言ったのに!私はいつもそうだ。善良な人ばかり死なせてしまう……」
そこで「少女」がハッと気付いたところで、漫画は終了する。
「もしかして、私の名前は……『悪魔』!?」
772: 本当にあった怖い名無し 2020/10/10(土) 02:35:05.45ID:J7Dyotng0
>>768
懐かしいー
読んだ事あるわその話