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【洒落怖】ばあちゃんが教えてくれなかった怖い話

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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?統合

712 :本当にあった怖い名無し:2008/06/18(水) 14:09:22 ID:K7tsm01b0
絶対にばあちゃんが教えてくれなかった怖い話。
俺は怖い話が好きで、よく「ばあちゃん怖い話して」って子供の頃しょっちゅう言ってた。
ばあちゃんはまた話し上手で、たくさん怖い話をしてくれた。

ある時俺が、「ばあちゃんが知ってる中で一番怖い話を教えて」って言ったら、「それはだめだ」って言われた。
俺は『ははあ、怖がらせようとしてるんだな』と思ってねだったら、
「話したくない事だってあるんだよ!」と怒鳴られた。
ばあちゃんが怒鳴ることなんてあんまりないから、俺ちょっとびびってそのままになってたんだ。

でついこの間、ばあちゃんがふと「怖い話、してやろうか」って、ぼそっと言うんだよ。
俺のばあちゃんは昔、某ホテルの支配人だったんだ。
あんまり名前は出したくないが、火災で有名なとこな。

火災前夜に夜のシフトがはいってて、ばあちゃんと3人の男の人がフロントで話してたら、
キィってドアが開く音を聞いたんだって。
でもそれは音だけで、ドアも開いてなければ人もいない。
しょうがないから3人が見回りにいって、ばあちゃん1人がフロントに残されたんだ。
ばあちゃんは怖がる様なタチじゃないし、霊感とかそういうのも無いけど、勘が恐ろしく優れてる。
ばあちゃんは、なんとなく違和感を感じていたそうだ。

735 :本当にあった怖い名無し:2008/06/18(水) 17:41:31 ID:K7tsm01b0
しばらくフロントで仕事をしていると、ある事に気がついた。
そのホテルのロビーにはソファがおいてあるのだが、
ばあちゃんを背にするように、ソファに腰掛けている女性がいたんだ。
子供のように背の低い女性だった。
少し頭がちょこりと見えるぐらいの背だったらしい。
女性の髪形について書くのは難しいのだが、ロングヘアーでサイドに2つ持ち上げたみたいな感じ。
ただ、髪の毛には白髪が混じっており、首元は皮がたるんでいるような感じで、
子供の様な老人のような女性だったと言っていた。
その女性が振り向くんじゃないかと思って、怖くて声をかけられなかったって言うんだ。
黙ってどこを見ているのか。
そんな事を考えたら、怖くて逃げ出したくなった。
しょうがなくばあちゃんは仕事を続けていた。

「足らないの。これじゃあ足らないの。足らないの」
女性はしわがれた声でぼそぼそとそんな事をつぶやきながら、何か書いているように見えた。
そこに、あの3人が何事も無かったと帰ってきた。
ばあちゃんは胸をなでおろし、あの奇妙な女性の事を告げようとした。
「ねえ、あの人変じゃない?…あっ!」
女性は本当に忽然と姿を消していた。
ばあちゃんが「おかしいわね」と言いながらソファを見ると、そこには小さな紙切れがおいてあったそうだ。
紙切れに書いてあるのは、いくつもの数字と、ぐるぐると赤鉛筆で囲まれた丸。
まったくでたらめな数字の羅列に思えた。

740 :本当にあった怖い名無し:2008/06/18(水) 17:52:59 ID:K7tsm01b0
その後の事だ。
ホテルで火災が発生した。
ばあちゃんはここをあんまり語ろうとしない。
宿泊者が火災に気付いた時は、既に避難が困難を極める状態であったというから、相当火の回りが速かったんだろう。
ばあちゃんは正義感で、消防団員に止められながらも宿泊客の救助をしようと、
燃え盛る建物に無理やり入っていったらしい。

燃える建物、ガスや熱さで窓から飛び降りてしまう人達、木に刺さった死体を見て、
ばあちゃんは、この事件について語ろうとしないのだと思っていた。
でも、ばあちゃんがこの事件について語ろうとしないのは、それだけじゃなかった。
ばあちゃんは、燃え盛る建物を前に何も出来なかったことを悔やみ、火災事件死者のお葬式に参列した。

ある時ばあちゃんは、あの紙切れの事を思い出した。
あれは、一体なんだったんろう。
ばあちゃんは並んだ数字を囲む円を見て、はっと気がついた。
それぞれ囲まれた数字が、死者を出した部屋の番号である事。
『921、910、822、922、923、845』といった具合にだ。

実は俺、その紙切れ見せてもらったんだ。
ほんとうに普通の紙なんだが、ぞっとしたよ。
異様なまでにぐるぐると赤鉛筆で囲んだ円とか。
ばあちゃんはその紙を、ぱっと化粧台の下に入れた。

俺もそれ以上は詮索しないが、ばあちゃんにはまだ何かあるんじゃないかと思うんだ。

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