後味の悪い話

【後味の悪い話】コード・ブルー「真実と嘘」

258: 1/4 2017/07/08(土) 21:42:34.27ID:S3/kMV4b0
今やってるコード・ブルー2ndシーズンの再放送見て「そういやこんな(面白いけど)キッツい話あったなぁ」と思ったので投下。
コード・ブルー2ndシーズン第3話「真実と嘘」。

混雑した駅の階段で将棋倒しが発生、ドクターヘリの医師である主人公はヘリで現場へ。
そこで目にしたのは、3人の大学生の男女が折り重なるようにしてスキー板に串刺しになった異様な光景だった。
一番上の男性・松井は背中側から腰をスキー板に貫かれており、真ん中の男性・木沢はスキー板が貫通した上に頭を強打。
一番下になった女性・恵理は貫通こそしていなかったが左腕の神経を損傷していた。
やたらと饒舌な松井によると、交際を始めたばかりのサークル仲間・恵理と、同じくサークル仲間の木沢の2人に呼び出され、一緒に出掛けようとしていたとのこと。
そこで将棋倒しに巻き込まれ、前の客が剥き出しで運んでいたスキー板が突き刺さったという。

3人それぞれの負傷の度合いを調べていると、木沢の容体が急激に悪化。
脳内に血腫ができているようで、応急処置として頭にドリルで穴を開けたことでなんとか持ち直す。
しかし、その様子を見た恵理の酷い取り乱し方に疑問を持った松井が問い詰めてみると、「実は木沢と付き合っていて、松井と付き合ったつもりはない」という衝撃の真実が。
「勘違いさせたままじゃ可哀想だから、今日こそはっきり言うべきだって彼が…」という恵理の言葉に松井は愕然。
「俺、あの時避けようと思えば避けれたんだよ、それなのに…」と不満を口にする松井に、主人公は「あなたを傷付けないための嘘だった」と宥める。

「そんなの、自分が傷付きたくないだけでしょ」
「そうとも言います。人は嘘をつくものです」

259: 2/4 2017/07/08(土) 21:44:45.15ID:S3/kMV4b0
応急処置を行いながら救助方法の検討を続けるうちに、厳しい現実が見えてくる。
木沢は一刻も早く脳内の血腫を除去する手術をしなければ命が危ない。
長時間男2人の下敷きになっている恵理もクラッシュ症候群の危険性を考えれば早く搬送しなければいけない。
病院に搬送するためにはまず、松井と木沢を貫いているスキー板を切断して一番上の松井を移動させる必要があるのだが…
松井の腰に突き刺さったスキー板は、彼の骨盤を貫通して大きな血管を損傷させていた。
今、松井が比較的元気に見えるのは、スキー板が出血を防ぐ形になっていて、アドレナリンによる興奮と痛み止め投与のおかげで大した痛みも感じていないからだ。
スキー板を切断するためには、空間を確保するために松井の身体を持ち上げる必要がある。
しかし、そうすれば止血の役割を果たしていたスキー板がずれることで間違いなく致命的な大出血を起こす。
しかも、松井は恵理を庇おうとしてうつ伏せに倒れ込んでいたため、事前に開胸して下半身への血流を遮断しておくという方法も使えない。
悩んだ末に、主人公はありのままを松井本人に告げるという決断を下す。

「例え残酷でも、真実を告げられる方がいい」

260: 3/4 2017/07/08(土) 21:46:29.78ID:S3/kMV4b0
主人公は、松井に病院搬送のためにスキー板を切断することと、最初に木沢を搬送することを告げる。
「病院に搬送するには、あなたの身体を持ち上げてスキー板を切断しなければいけない。
しかし、そうすればあなたの傷からは間違いなく大出血が起こる。
止血や輸血など出来る限りの処置は行うが、この状況では助かる可能性が高い方から優先順位を付けるしかない」

恵理から告げられた真実に意気消沈していた松井は、その言葉の意味を悟り茫然と呟く。

「……俺、死んじゃうの? たった今ふられたばっかりだよ?
…それじゃ俺、ただの役立たずじゃん」

2人のやり取りを聞いていた恵理が、松井の名前を呼んで泣き叫び始めた。
このままではスキー板切断を待たずに松井の傷が開きかねないと、恵理に鎮静剤が投与される。
松井は、眠った恵理の顔を見つめてほんの少し逡巡したあと、「やってください」と告げた。

261: 4/4 2017/07/08(土) 21:50:01.98ID:S3/kMV4b0
レスキュー隊員たちの手で松井の身体が持ち上げられ、空いた隙間に電動カッターが差しこまれる。
突き刺さったスキー板が動いた痛みに一瞬顔を歪めた松井は、眠らされたままの恵理に声をかけた。

「なんか、実感湧かないけど……もし、このままお別れになるなら……俺、お前のこと守ってるから。
お前がどう思ってても、ずっと守ってるから……」

スキー板が完全に切断された次の瞬間、松井は意識を失い、傷口からは大量の血が溢れ出す。
木沢と恵理が搬送されていく横で、主人公は心停止を起こした松井に開胸による止血と開胸による心臓マッサージを行うが、やはり彼を救うことはできなかった。
木沢たちの搬送に付き添う仲間や任務を終えたレスキュー隊などが現場を後にしていく中、主人公は、松井の遺体を前に呟く。

「あなたが話し続けてくれたから、他の2人も落ち着いていられたんだ。
…あなたは、役立たずなんかじゃない」

そして、「せめてこれくらいはしてやりたい」と、普段は行わない開胸された遺体の胸の縫合を始めるのだった。

262: 本当にあった怖い名無し 2017/07/08(土) 21:56:03.47ID:S3/kMV4b0
以上で終了。
シリーズ全体もそうだが、特にこの話は松井青年の他にもキツいというか重いエピソードが山盛りで、色んな意味で「よくこれを(週の初めの)月9にやったな…」と。
踏んだり蹴ったりどころじゃない目に遭う松井青年を(今だと)auの金ちゃんや二代目ハマちゃんでおなじみの濱田岳がものすごく熱演してるので余計に重い。

263: 本当にあった怖い名無し 2017/07/08(土) 22:09:27.16ID:mzg3bJi+H
悲しい話だな
死んだ後で主人公の医者に褒められても縫われても本人には伝わらないし

ただ、本物の彼氏と彼女の命を助けるために偽彼氏が犠牲になると知って
彼女が偽彼氏への友情ゆえに取り乱してくれた事は僅かな救いになったかもしれない

265: 本当にあった怖い名無し 2017/07/09(日) 01:16:05.93ID:M3YfQzmYr
きっついなぁ
一見一番元気なのに死ぬ可能性高いですよなんて言われるの…
そして事故を大きくしてしまったスキー客の今後も想像すると恐ろしい

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