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827: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/09(月) 21:00:38.93 ID:IC1oes/b0
ゲームのガイド本(みたいなもの)についてたサンプルテキストの話。
ほんの数ページの短い内容だが、中身が結構えぐい。
主人公は吟遊詩人、町から町へ旅をしては色んな話を聞いたり聞かせたりしている。
ある日いつものように訪れた町で、とある富豪から歌を聴かせてくれと招かれた。
ただし、聞かせる相手は富豪ではなく牢屋の囚人である。おまけに、その囚人は年端もいかない少年だった。
この富豪は数日前に愛する息子を殺されたばかり。しかも下手人は囚われた少年だと言う。
町の人々はそんな奴のために吟遊詩人を呼ぶなんて、富豪は哀しさで狂ったのだろうと噂していた。
事情通が主人公に教えた話では、少年は暗殺教団に育てられた狂信者だった。
何も無い荒野で鍛えられ、楽しいことを何も知らず、ただ死ねば神に召されて天国に行けると教え込まれている。
主人公が訪れた時も、少年は「ああ、早く死刑になりたいなあ」とニヤニヤしてる始末。
ならばと主人公、富豪に依頼された通り、この世に楽しいことがたくさんあるんだよ、と歌って聞かせた。
季節の移り変わりとその美しさ、食べ物のおいしさ、恋の切なさと熱さ……。
主人公の仕事が終わるころには、少年は目を輝かせ、もっと生きたい! この世の楽しさを味わいたいと考えるようになっていた。
主人公は自分の仕事に満足して富豪の館を辞した。
だが彼が後に聞いた話。富豪は主人公が帰った後、死にたくないと泣き叫ぶ少年を処刑したと言う。
よく考えれば主人公も依頼人の意図に気づいたかもしれんが、まあお人好しだったんだよなと。
少年は人を殺してしまったとはいえ、生まれた時から洗脳されてたんじゃ……と後味悪かった。
842: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/10(火) 01:21:44.22 ID:Px9EQ4M+0
>>827
それ懐かしいな。
富士見ノベルズのキャラクターコレクションというRPGに出てくる職業の紹介を兼ねた短篇集のアサシンのストーリーだね
死に喜びを感じる狂信者が最終的に死ぬことに後悔をしながら死んでいくから個人的にはスッキリしたw
今でも死刑囚は何らかの方法で死刑されることに後悔をさせて執行して欲しいもんだと思ってる