後味の悪い話

【後味の悪い話】渡千枝「午前二時のデッドゾーン」

355: 1/4:2007/09/19(水) 15:56:13 ID:w6o+xwI00
渡千枝の漫画「午前二時のデッドゾーン」

ある名門女子高校に仲良し4人組がいた。4人は寮の部屋も同じ。
しかしその中の一人、瑛子が自殺する。実は仲良しというのは表向きで
実際瑛子は他3人からいじめられていたのだった。原因はリーダー格の小夜子の
彼氏に横恋慕したからであった。いじめの証拠は無く3人は何のお咎めも受けなかった。

しかし3人の寮の部屋に奇妙な貼り紙がされる。そこには悪魔の絵とともに
小夜子・理絵・真弓、と3人の名前が書かれていた。そして名前の上には大きな×が。
たちの悪いいたずらだと一笑に付す小夜子と理絵だが気の弱い真弓は恐ろしくなる。

そんな時転入生れい子がやってくる。なんとその子は自殺した瑛子にそっくりだった。
驚く3人だったが名字も性格も全く違う彼女に安心しやがて打ち解ける。
れい子は3人と同じ寮に入りまた4人の生活が始まった。ある晩退屈している4人は
何かおもしろいことはないかと思う。れい子の提案であるゲームをすることにした。

学校の地下室にある古い鏡の前に行き午前二時に「私の死に顔を見せてください」というと
自分の死に顔が映るというもの。れい子は鏡を支える役割を負い結局残り3人が鏡の前に
立つことになった。3人一度に呪文を唱える。半信半疑の3人だが小夜子の絶叫が沈黙を破る。

騒ぎに先生まで駆けつけ学園は騒然となるが小夜子は頭を抱えてうずくまったまま顔を上げない
小夜子は何を見たのか。恐れおののく真弓に理絵はこう言い放つ
「あんなデク人形みたいなのが自分だなんて信じられないわよ。ばかばかしい」
そして真弓もまた見てしまった。自分の無残な姿を。しかしそれはあまりにも非現実的であった。

356: 2/4:2007/09/19(水) 15:57:02 ID:w6o+xwI00
もうすぐ夏休みが近づこうとしているのに小夜子は日に日にやつれていった。
とうとう授業にも出てこなくなり寮の部屋に立てこもる。夏休みで学園には
誰も居なくなるのにどうするの?と説得するれい子たち。しかし小夜子は
「絶対にここから出ない」と泣き叫ぶ。らちが明かないので小夜子の彼氏を
呼び説得した「夏休み、一緒に旅行へ行くって約束したじゃないか!」
彼氏の呼びかけでやっと小夜子は出てきた。ほっとするれい子たち。

旅行に向かう小夜子を3人は笑顔で見送った。小夜子が3人と別れた直後である。
大型トラックが小夜子をはねた。手足がちぎれ内臓が飛び出し血まみれの無残な姿だった。
悲嘆にくれる理絵と真弓の元に気味の悪い封書が届けられる。それはあの
気味の悪い悪魔の絵。そして小夜子、理絵、真弓の名前。小夜子の名前の上には
大きな×が書かれていた。まるで一人一人消すことを宣言するかのように。

3人は無事高校を卒業し、みな大学へ進学した。大学卒業を間近に控え一番最初に
理絵の結婚が決まる。れい子と真弓は祝福した。理絵の新婚旅行の際は
空港まで見送りに行った。幸せいっぱいの理絵。そこにお祝いの花束を預かった
添乗員がやってくる。花束を受け取る理絵「誰からかしら?」カードを見る。
「結婚おめでとう、理絵。私も結婚式に行きたかったわ。―瑛子―」

357: 3/4:2007/09/19(水) 15:58:22 ID:w6o+xwI00
「瑛子!?たちの悪いいたずら!!」理絵はぞっとした。そしてあのときの
光景を思い出した。午前二時に鏡に映った自分の姿。まるで飛行機事故で死亡した死体のような・・。
恐ろしくなる理絵だがもう遅かった。飛行機は空港を発っていた。

翌日の新聞を見て真弓は絶句する。理絵の乗った飛行機が墜落。理絵が死亡したと。
真弓はあのときの言葉を思い出した。「あんなデク人形みたいなのが自分だなんて信じられないわよ」
次は私?真弓の脳裏にあのときの光景が浮かんだ。ぼろぼろの汚い部屋で
がりがりに痩せこけた老婆が苦しみもだえ倒れ、そばをネズミが這いまわっている光景を。
そして母親が真弓に郵便物を持ってきた。またあの手紙だった。悪魔の絵と名前
今度は理絵のところに×印があった。残るは私だけ。

真弓は結婚し子供をもうけたがどうせ幸せを築いてもあの最期を思うとやりきれない気持ちだった。
息子夫婦と同居するも嫁は「お義母さんいつ出て行ってくださるの」と夫にぼやくのだった。
結局真弓は木造のボロアパートで独居老人となる。そこに上品な身なりの女性がやってくる
女社長となっていたれい子だった。真弓は驚いて迎え入れた。懐かしさでいっぱいになる。

しかし予期せぬものを見せ付けられた。れい子が「呪術」とかかれた本を真弓に差し出す
そこには見覚えのある絵が書かれていた。あの気味の悪い悪魔の絵。
瑛子の自殺直後、そして小夜子と理絵が死んだときに舞い込んできたあの手紙。
「あなただったの!?」真弓はれい子に詰め寄った。「あなた方のせいよ!!」れい子は
怒りをあらわにした。「私のふたごの妹、瑛子を自殺に追いやったあなた方に復讐するために
鏡を利用したのよ!」あの午前二時のゲームだった。

358: 4/4:2007/09/19(水) 16:01:15 ID:w6o+xwI00
瑛子は両親の離婚でれい子とは離れ離れになり、名字も違ったがお互いを思いやるいい関係だった。
瑛子が死ぬとき日記帳をれい子に託した。それを読みれい子はいじめの事実を知る。
そして復讐を思い立ったのだった。「私が罰をくださなければ誰が妹のかたきをうてるの」
それを聞いて真弓は言った「じゃああなたは?あなたはどうなの?
あなたのやってきたことはどうなのよ!あなたもその目で確かめるべきだわ。」真弓は鏡を指差した。

午前二時のあのゲーム。「馬鹿馬鹿しい」そういうながらも「それであなたの気がすむなら」と
れい子は鏡の前に立った。「この年まで生きてきてもう怖いものなど無いわ」
しばらくして目を開けた。鏡には何が映ったのか。れい子は真っ青になった。
何も映っていなかったのだ。「それが答えよ、れい子」真弓は冷たく言い放った。

「あなたは死ねないのよ。それが悪魔に魂を売り渡した結果だわ。
人間は罰を受けることは出来ても罰を下すことは出来ないのよ」れい子はパニックになって
真弓のアパートを飛び出した。「嘘よ!嘘!」そこに猛スピードで車がやってきた
れい子は車と衝突する。

どれくらい気を失っていただろうか。れい子は花のにおいで目が覚める
「ここはどこかしら?」自分の周りは花でいっぱいだった。棺おけの中だった
「嘘よ!私はまだ生きてるわ!」どれだけもがいても誰も気付いてはくれない

「真弓たすけて!私は死なないって言ったじゃないの!!」事故を知った真弓は大急ぎで
火葬場まで走る。「どうか間に合って!!」しかし真弓がついた頃には
もうれい子は焼かれていた。生きながら焼かれていったれい子。もうこのゲームの
最後の生き残りは私。真弓はあの無残な最期を思いながら生きていかねばならなかった

359: 本当にあった怖い名無し:2007/09/19(水) 16:26:04 ID:xaZWSU6p0
火葬、急ぎすぎだw

362: 本当にあった怖い名無し:2007/09/19(水) 17:29:16 ID:XqAz6DGo0
とりあえず

車にはねられすぎ

363: 本当にあった怖い名無し:2007/09/19(水) 17:30:59 ID:xaZWSU6p0
>>362
たしかに、ちょっとデッドコースターみたいだな。

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