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820:本当にあった怖い名無し:2006/03/17(金) 19:50:38 ID:zK6LdTOn0
まあちょっと気分変えて、海外SFの後味悪かった短篇でも投下するね。
長きに渡る異星との戦争を終えて、何年かたった平和な地球。
かつての敵の異星人とも仲良く交流が生まれている。
主人公は、戦時中スパイとして働いた地球人男性。
同じく敵のスパイだった女性と恋愛し、戦後、結婚。
たが子どもが生まれた時、夫婦間に危機が。
実はこの異星人というのは、アメーバのようなどろどろベタベタの粘体生物。
妻は地球に潜り込む時、一定時間のみ地球人の姿になれる手術を受けており、
主人公はその時に恋に落ちた。一方、主人公のほうも敵の星に潜入するにあたり、
一定時間、ドロベタアメーバの姿になる手術を施されていた。
ドロベタになっている時はすごく不快なのだが、元には戻れない手術だった。
それはもとより覚悟の上だったので、地球人の姿に戻れる時を有効に使い、
主人公は妻との生活に踏み切った。だが生まれた子どもたちは、遺伝子の強さの関係で、
みな母親の体質に近く、一日中アメーバ状態だった。我慢できず激怒する主人公。
妻が、定期的に本来の姿になる事までも責め、その醜さ、不快さをののしる。
妻は妻なりに、愛に準じて慣れない姿で生活し、地球で生活しているのだった。
その心は深く傷つき、2人は別居する事に。もう全てお終いかに見えた。
だが主人公はやはり妻を愛していた。医者の友人などと相談し、ある決断に踏み切る。
一方、やはり妻も病院に行っていた。何日かの入院の後、担当医と話す妻。
「よく決心されましたなあ。貴女にはお辛いことでしょう。」
「ええ、でも私、やはりあの人を愛しているんです。」
一度手術を受けた彼女が選べる道は2つあった。そのまま不安定な体質でいるか、
地球人の姿に固定してしまうか。その場合は、もう二度と元の姿には戻れない。
彼女は後者を選んだ。子どものことは、冷静に話し合うつもりだった。
家に向かう彼女。夫はどんなによろこんでくれるだろう…。
その頃。夫も友人の医者と話していた。「本当に良かったのか?」と医者。
「もちろんさ。どんなにアイツは喜んでくれるだろう」
床の上には、もう二度と人間の姿には戻れない、アメーバ姿に固定された夫…。
822:本当にあった怖い名無し:2006/03/17(金) 20:07:53 ID:NXKToqMS0
昔話かなんかで、貧しい夫婦の奴で似たような話あったな。
クリスマスのプレゼントを愛する妻へ贈りたいと思っている夫。
しかしお金が無い。
しょうがないので、夫は自分の大事にしていた金時計を質に入れて、妻のために櫛を買ってあげる。
意気揚々と家に帰り、妻の姿を見たら美しかった髪が短く切りそろえられていた。
どうしたんだ?と聞くと「髪が邪魔だったから・・・。ああ、あなたにプレゼントよ」と妻は言うと
夫が大事にしていた金時計につけるチェーンだった。
どこからそんなお金、と考えてみた夫は、妻が自分の美しい髪を切って売り、夫へのプレゼント用のお金を工面した。
っていう話
824:820:2006/03/17(金) 20:14:04 ID:zK6LdTOn0
>>822
O・ヘンリーの「賢者の贈り物」は、意識されてると思う。
まあ髪なんかはほっとけばまた伸びるし、
時計は質から出せば良いことだけど
それが取り返しつかない事だったらどーか?て事だと思う。
今後ケンカでもした日にはどうなるか、考えるだに恐ろしかった。