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551: 本当にあった怖い名無し 2011/01/14(金) 02:57:27 ID:sYbnf+8k0
思い出した。昔読んだ忍者漫画『ムジナ』の「ゴキブリ編」と「シロベ編」
山奥にある忍者の里で生まれ育った少年・ムジナは修行中の落ちこぼれ忍者で、同年代の修行仲間の少年達から「ゴキブリの子だから仕方が無い」と蔑まれていた
「ゴキブリ」とはムジナの父のあだ名で、任務に失敗しても生きて帰ってくることからそう呼ばれていた
ムジナの母は、出世しないゴキブリを軽蔑して酷く罵倒し、ムジナに「父の様になるな」と言い聞かせた
ムジナ自身もゴキブリを軽蔑し、ゴキブリの様にならないために人知れず修行に明け暮れた
ある時、ハヤブサとあだ名される凄腕の忍者が任務で命を落とす
里の党首はその任務の後任に何故かゴキブリを指名する
ゴキブリは「ハヤブサが失敗した任務を私が出来るはずがない」と拒むが、党首は「仲間が援助してくれる」とゴキブリを説き伏せた
その任務の前夜、眠っていたムジナはゴキブリに起こされ、人気の無い丘の上へと連れて行かれる
ムジナはそこでゴキブリの自己流の忍術・飛頭を目の当たりにする
「その技があれば出世できるのに、何故実力を隠すのか」と聞くムジナに、ゴキブリは過去を語り始めた
ゴキブリは過去の出来事から「忍者は権力者が肥えるための捨て駒でしかない」という想いを抱き、
それ故に「たとえ他人から蔑まれても、自分だけは生き残る」と誓ったのだとムジナに語った
やがて夜が明け、ゴキブリは「自分のためだけに生きろ。愛する者を作るな」と言い残して任務へと出て行った
ムジナにはゴキブリが何故急にそんなことを言うのか理解できなかった
その日の夜、ムジナはゴキブリが壮絶な死を遂げる夢を見た
つづく
552: 本当にあった怖い名無し 2011/01/14(金) 02:59:19 ID:sYbnf+8k0
『ムジナ』つづき。けつ痛い
ゴキブリが無様に死んだという知らせが届く。任務はゴキブリの仲間が遂行したのだという
ある日、シロベという忍者が、ゴキブリを忍んでムジナの家の仏壇に線香を供えにやって来る
シロベは天才と呼ばれる忍者で、若い忍者達を優しく指導し、周りから慕われていた
無様に死んだゴキブリを罵倒し続ける母に対し、シロベはゴキブリの死の真相を語った
実は、ゴキブリは仲間に裏切られ、囮として利用され、全ての敵を一人で引き付けて戦って死んでいた
里の党首は、初めからゴキブリを捨て駒にするつもりで任命していた
それを知った母は泣き崩れた。シロベは苦悶の表情で「党首は我々を捨て駒としか思っていない」と言った
それから数日後、シロベは自分の妻と幼い娘を殺して里を抜け出してしまう
抜け忍の家族は拷問の様な手法(数日かけて竹のコノギリで首をギコギコ)で殺されるため、シロベは一思いに自らの手で妻と娘を殺していた
何人もの忍者がシロベ抹殺に狩り出されるが、ことごとく返り討ちにされてしまう
追っ手となったかつての友を何人も斬っていくうちにシロベは精神を病み、老人や子供のような無関係の旅人ですら切り殺すようになってしまう
やがて、シロベ抹殺の任務にムジナ達少年忍者も参加させられてしまう
シロベが逃走した道には切り殺された無関係の人間の死体が道しるべのように転がっており、
シロベを慕う少年忍者達は「シロベさんがこんなことをするはずが無い」と戸惑った
つづく
553: 本当にあった怖い名無し 2011/01/14(金) 03:00:22 ID:sYbnf+8k0
『ムジナ』つづき
シロベを発見する事に成功したムジナ達であったが、
シロベと戦いたくないムジナは自作の下剤を飲むことで体調不良で欠員する
少年忍者達はシロベを取り囲むが、キチ○イっぽい人に成り果てたシロベは、かつての教え子である少年忍者達を躊躇無く切り殺す
少年忍者達との戦いの末、追い詰められたシロベは火薬によって自爆してしまう
任務を終えた少年忍者達は帰還するが、下痢を言い訳にムジナは森の中に残っていた
ムジナはシロベを偲ぼうと、シロベが自爆した場所に近寄るが、そこに自爆したはずのシロベが現れる
実はシロベの自爆は偽装(逃走中に切り殺した旅人の死体を用意して爆破した)だった
ムジナはシロベの生存を喜んだが、キチ○イ化したシロベは口封じとしてムジナに斬りかかる
ムジナは危機に陥るが、かつてゴキブリに見せられた忍術・飛頭を繰り出して勝利する
致命傷を負ったシロベは正気に戻り、妻と娘の名を呼び涙を流して息絶えた
ムジナはこのまま自分も抜け忍になってしまおうかと考えたが、母がギコギコされることを考えると出来なかった
里に帰ったムジナは、シロベを討ち取った褒美を党首から渡される
それは、首の骨を折られた母の死体だった
ゴキブリの死の真相を知った母は、復讐のために党首を殺そうとしたが、返り討ちにあっていた
終わり