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8:804:2009/09/09(水) 15:33:28 ID:iD64+hB00
最近ネットコミックで読んだ後味悪いというよりはなんだかな~と思った話。
(作者名、作品名も失念)
昔、といっても(昭和初期?)山間の村に屈強な若者Aは村に流れる川の
渦を巻いている渕を泳ぎ切る事のできる唯一の若者であり、自他共に認める
村一番の力自慢でもあった。
そして幼馴染で、村一番の器量よしの娘Bと誰もが(本人達も)近いうちに
結婚するだろうと思っていたが、ある日、東京の大金持ちの大学生のCが
休暇で村に遊びにやってきて滞在中に器量よしのBを見染めた。
Bにとって、それまでは確かにAは好ましい男性だったがそれは
狭い世間でのことで、東京からやってきたこのスマートで博識な美男子のCに
直ぐに惹かれるようになり、いつしかAへの思いは冷める。
そして村祭りの夜、BはAの誘いを断りCと参加する。
それは村人たちの面前でコケにされたのも同然で
憤慨したAはCに喧嘩を挑む。
村一番の力自慢のAと、優男のCでは勝負にならないと思われたが
案に相違して、コテンパンにのされたのはAだった。
実はCは東京での拳闘の学生チャンピオンであり、いくら力自慢とはいえ
我流のAが叶う相手ではなかったのが、AにBを諦めさせる方策として
二人が画策したもので、作戦は成功して以後AはBの前に現れなくなり
BはCと一緒に東京にいくと結婚した。
そして数年、今やBは上流階級の奥方として息子も生まれて幸せの絶頂。
そして久方ぶりで故郷に息子を連れて休暇にやってくる。
もう昔の村娘の面影はなく、人々は「奥方様」と敬い、AもBには近づこうとは
しなかったが、たまたまBが幼い息子を連れて川沿いを散歩している時に
Aが通りかかった。
9: 8:2009/09/09(水) 15:36:14 ID:iD64+hB00
ありゃ、804なんてコテハンになっちまってる(´・ω・`)モキュ?
続き
昔のAへの仕打ちを後ろめたく思っていたBは、謝るためにAに話しかけるが
Aは会釈だけするとBを無視するようにさっさと通り過ぎた。
その時、Aに話しかけている間に手を離していた息子が川に落ちてしまい
そのまま渦巻く渕に流されてしまう。
絶叫とともに必死でAに助けを求めるB(この淵を泳げるのはAのみ)。
だが、Aは知らぬ顔でBの懇願を無視してどんどん離れていき
そうこうしているうちに息子はとうとう渕に沈んでしまった。
Bの「今でも私を怨んでいるのね!でも、子供は関係ないじゃない!
人でなし!!!!!」と泣き叫ぶ罵り声も無視して去っていくA。
実はAは少しもBを恨んではいなかった。
しかし、村祭りでの殴り合いの時に運悪く両耳を痛め、それから完全に
聴力を失ってしまっていたが、Bがそのことで負い目を感じないように
わざとその事を知らせず、聞こえない事がバレないようにできるだけ
Bとの会話を避けていただけであった。
なんつーか、そりゃ夏祭りの晩にBとCがやった事は胸糞悪いが
世間知らずの田舎娘が、粗野な村の力自慢より都会の大金持ちので
学もあって優しいCに惹かれたのは当然だし、Cにしたって
別にBを弄んだ訳でなく、誠実に結婚しているのだし
Aにしたって良かれと思って、失聴した事を隠していただけだったのに
この結末は切ないと思ったよ。
10: 本当にあった怖い名無し:2009/09/09(水) 15:42:28 ID:U6VsOI1N0
乙
良かれと思ってやった事が裏目に出るのは後味悪いよな・・・