後味の悪い話

【後味の悪い話】ゲゲゲの鬼太郎6期15話『ずんべら霊形手術』

284:本当にあった怖い名無し 2018/07/08(日) 15:27:28.77ID:YI25UeaG0
今朝やってたゲゲゲの鬼太郎

あるところに房野きららという容姿に恵まれない中学生がいた
その容姿の悪さから行っている中学ではブスの房野といじめられ
初対面の人間ですら顔を見ると怖がる始末。
気になっている学校の皆の憧れのアイドルの先輩のゆうすけも、取り巻きの同級生女子グループに
「ブスが話しかけるんじゃない」というノリで邪魔されて声をかけることすら許されない。
趣味は自分の顔をフォトショップのようなツールで美少女に編集しネットに上げること。
可愛くなりたい余りゴスロリ衣装を着たりするが、結局顔が顔なのでどうにも似合わない
そんな日々に憤りを感じていた中、ある日「自分ならあなたの悩みを解決できる」と語る怪しげな老婆と出会った。
その老婆は霊形手術というものを勧めており、それさえ受ければ彼女はどんな美少女になることも可能だという。
きららは当然怪しむが、老婆は「こんな姿になることも可能さ。」というと、中から見た目麗しい妖艶な美女が現れる。
躊躇うきららだったが今まで自分を馬鹿にしてきた人の顔がフラッシュバック。
あいつらを見返してやろうと手術を受けることを決意。

285:本当にあった怖い名無し 2018/07/08(日) 15:28:32.20ID:YI25UeaG0
次の日、彼女は以前自身が画像加工していたフォトショ写真に勝るとも劣らない美少女に大変身を遂げた。
学校に行けば以前は自分を馬鹿にしてきた生徒たちは羨望の眼差しで見つめ、道を歩けば芸能事務所にスカウトされる。
これならあの憧れのアイドルの先輩にも振り向いてもらえる、といつも女子に囲まれている先輩に声をかけてみることに。
いつも自分をいじめていた女子グループは「あの綺麗な子は誰だろう」とそもそも気づいていない。
これはチャンスだ、と話しかけようとすると、先輩は「君、ひょっとしてきららさんかい?」
きららは「なんで自分だとわかったのか」と驚くが
先輩は「いつも君のことを見ていたからわかるよ。」とすんなり返す。
そして「それにしてもそれは美容整形かい?…顔なんてそんなに気にするものでもなかっただろうに」と眉をひそませた。
きららは「顔なんてどうでもいい?…私はそうは思わない。」と不機嫌な様子で去っていった。
二人がいなくなった後、気に入らないのがゆうすけ先輩の取り巻き女子のリーダー。
いきなり現れたあいつは何なんだ、と憤っていると、そこに妖怪ねずみ男が現れた。
「あの女があの顔を手に入れた秘密、これくらいの紹介料で教えて差し上げますよ?」と怪しくささやく。

「いやー儲かった儲かった。お前のおかげだよずんべら。」
紹介料で儲けてご満悦のねずみ男が語り掛けるのは、きららに霊形手術を進めた美女だった。
彼女はずんべらという妖怪だったのだ。
まとまった金が入るのは良いが、これで美容霊形クリニックでも立てて一大事業にできれば…
などと考えていると、鬼太郎、めだま親父、猫娘の3人に見つかる。
話を聞くと、手術を受けた人間が顔を失ってのっぺらぼうのようになって困っているのだという。
「自分の顔を簡単に捨ててしまうような連中だろう。顔を失うのも報いのようなものだ。」
と弁解するも鬼太郎に怒られ、しぶしぶ彼らと被害者のきらら、とりまきリーダーの女子をずんべらの元に案内する。

286:本当にあった怖い名無し 2018/07/08(日) 15:29:29.91ID:YI25UeaG0
ずんべら曰く、霊形手術は人の顔をはがし、そこに死人の顔を張り付けるものなのだという。
要するにきらら達が美しい美しいとありがたがっていたあの顔は死人の顔だったのだ。
鬼太郎が「どうすればのっぺらぼうになった二人を元に戻せる」とずんべらに問い詰めると
二人の顔はちゃんと保管してあるので、それをくっつければ元に戻るとのこと。
やけに物分かりのいいずんべらを鬼太郎は怪しむが、ずんべら曰く
「目的があってこんなことをしているわけじゃない。自分はただ美に執着し、狂う人間達の欲望が好きなだけ」
ずんべらはかつて美を求めるあまり水銀を飲んだ女が妖怪となった存在で、自分と同じような人間を意図死んでいるのだという。
リーダーの女子は、元々彼女は容姿端麗な部類なこともあり、少しためらいつつも「死人の顔なんてごめんだ」と元の顔を選択。
しかしきららはどうしても自分の顔に手を伸ばさない。
自分をいじめていたリーダーの女子でさえ「このままだとアンタは顔無しの妖怪になっちゃうんだよ!早く戻らないと!」と心配するが
ついには自分の顔を投げ出して逃亡してしまう。

287:本当にあった怖い名無し 2018/07/08(日) 15:30:28.10ID:YI25UeaG0
彼女はのっぺらぼうのまま逃亡している間、アイドルの先輩、ゆうすけに再び出会う。
何も張り付いていない顔を見て先輩は驚いたが駆けつけた鬼太郎一行のおかげで事情を知る。
すると「自分はいつもきららちゃんが送ってくれたファンレターのおかげで救われた。自分は顔なんて関係なく君のことが好きだ。」と告白。
しかしきららは心配する先輩を大声でどなりつける。

「自分はあんたのために顔を変えたんじゃない。容姿端麗なアイドルのあんたの隣にいる自分に憧れただけ。
 可愛い容姿を得て、初めて世界が動き出したように感じた。もう前のように生きながら死ぬなんてごめんだ。」

しかし先輩はそんな彼女のことを抱きしめる。
「辛かったんだね。でもそんな君の手紙が僕を支えてくれた。これからは僕が君のことを支えてあげたい。」
その言葉を耳にしたきららは「綺麗な顔なんてなくても幸せはこんなところにあったんだ…」と呟き、元の醜い顔を取り付けた。

288:本当にあった怖い名無し 2018/07/08(日) 15:31:04.49ID:YI25UeaG0
その後、悪さを働いたねずみ男は被害者女子たちにこき使われるという制裁を受けることに。
鬼太郎はずんべらにもう顔を取るのはやめろと警告するが
ずんべらは「私は何もしない。女が私を必要としない限りね」とだけ返すのみ。

そしてすべてが解決した後、アイドルの先輩は取り巻き女子に囲まれながら歩いていると
ビルの大型スクリーンのニュース映像に衝撃的な映像が映る。
「今、大作ハリウッド映画に鮮烈なデビューを果たした日本人女性がこちら、房野きららさんです!!」
スクリーンの中できららが多くの取材陣に囲まれ、豪華なドレスを身にまとい、レッドカーペットを歩いているのだ。
当然その顔は以前張り付けた美しい顔のまま。
一同が困惑する中、きららは「何か一言お願いしますという」というカメラに向かって悪戯じみた笑みを浮かべながら、あっかんべーで返したのだった。

「人間顔じゃないよ。中身が大事だよ。中身を見てくれる人もいるんだよ。」というありがちな教訓話かと思いきや
結局彼女は最初から最後まで何も変わらず「かわいい自分でありたい」という意思を貫き通したというオチ

290:本当にあった怖い名無し 2018/07/08(日) 22:31:48.74ID:adQWG4Mgd
>>288
先輩がいつ豹変するのかと思って読みながらドキドキしてた
後味は悪くはない

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