39 :本当にあった怖い名無し:2007/05/21(月) 02:43:53 ID:HCA1dCgQO
まだひいばあさんが生きていたころ…確かまだ幼稚園の頃だったと思う。
ひいばあさんの家があるのは、観光にも狸を利用しているほど県内では狸で有名な土地で、
もちろん今でも狸は良く出る。
狸を扱った絵本なども出ており、俺は狸の絵本が大のお気に入りだった。
ある日、ひいばあさんの家に遊びに行った時、俺はひいばあさんに聞いてみた。
「狸って化けるって本当?」
「…狸は化けねな」
「えー…」
夢を壊されふてくされかけていたら、ひいばあさんが続けて言った。
「…狸は化けねども、なんかしかが狸に化ける」
「狸に?」
「…おめ、動物園の狸が化けるのみたこどあっか?」
「なーい」
「…狸は化けね。ケモノっこだもの」
「…化けらァずはバケモノよ。バケモノがケモノさ化けらぁずや」
「バケモノが狸に化けるの?」
「狸だけでね、けづねさも、いたぢさも、いぬさも化ける」
「…人さもな」
「…」
「んだがら○○ちゃん。おがさんがたのゆごどきがねば、バケモノよってくど?」
最後の言葉は俺を戒めるために言ったんだろうが、
どうしても『バケモノはケモノに化けるからバケモノだ』と言う言葉が、心に残ってしかたない。