復讐話・修羅場

【復讐話】盲導犬

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路線バス(後払い式)に勤めてる友人から聞いた話。

Aさんという始末書件数がトップな人がいるんだが、
そのAさんが運転する路線では、いつも決まった時間帯に
盲導犬を連れたおばさんが乗って来る。

おばさんはいつも笑顔で「おはようございます」等と
運転手に挨拶したりするいい人。盲導犬もちゃんとした
盲導犬なので吠えたり暴れたりせず、おとなしい。

ある日、いつもの様にそのおばさんが乗ってきていつもの様に
席に座るが、バスが発車してからすぐに偉そうなクソオヤジが
運転席の方まで来て、

「○○電鉄はぁ~いつから車内にペットの持ち込みがよくなったのかね?」
と、おばさんに聞こえよがしに言い放った。

Aさんはそれを聞いて、
「ペット?ペットなんてどこにもおりませんが?」とすまし顔。
するとクソオヤジは
「ここに犬がいるじゃないか!ペットだろこれは!」
と激昴。Aさんは
「あぁ、その犬はこの方の目ですから…」と答えた。

この時点で車内は「運転手グッジョブ!」な雰囲気に
包まれてると予想できるが、クソオヤジはひっこみがつかないのか、
「それは屁理屈だ!俺は犬のニオイが嫌いなんだ!
ごちゃごちゃいってないで早くこいつらを降ろせ!」
というような事を言ったらしい。
この場合、通常ならなんとかなだめすかしてクレームが
こないように計らうのが運転手の間での常道。

だがそこは始末書件数トップのAさん。
やおらバスをそこらの路肩に停車させると

「…あぁ、金はいらねぇからテメェが降りろ。
少し行けば次の停留所だ、あと30分もすれば
次のバス来っからよ、それに乗れ!」
と言ってクソオヤジを叩きだしたという。
当然その日のうちにそのクソオヤジからクレーム電話。
形式上、Aさんは始末書を書かなければならずAさんの
始末書件数がまた増えた。

…が、上司や同僚も含め、会社内ではこの件について
Aさんを咎める者は一人もいなかったという。

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