ホラー

【洒落怖】蛇憑きの話

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56 :1/2:2008/05/11(日) 15:25:37 ID:4fxEx308O
中2の時の体験です。

正体不明の生き物に目玉を盗られそうになった事があったのですが、
大蛇に助けられた、という不思議な体験をしました。

私が仏間で昼寝をしていた時、誰かに顔を押さえられ、閉じた瞼の上から鋭い細いモノでチクチクと刺され、
眼球が奥の方(脳の方)からグググッと押し出されるような感覚になりました。物凄い激痛。
その何者かはしきりに、「これなら大丈夫」「やっと見つけた」などと、ブツブツ呟いていたのを覚えています。

もうダメだと思った時、私の体に何か生温いものが巻き付いたんです。
シャーともギャーとも取れない様な声が聞えたと同時に、目の痛みは消えました。
(叫び声はどちらの声かは分からない)
重い空気が消え、体の硬直もいくらか楽になると、私の体に巻き付いてるモノは一言、
「ナナニチシンボウサレバアカリガモドルデアロウ」
と、脳に直接話しかけてきました。
同時にお経の様なものも聞え、ズルズルと上に這い上がってきたと思ったらグ、
ググッと目の上から締め付けられました。
(この時は、ホットアイマスクをしているような温もりがあり、気持ち良かったです)

57 :2/2:2008/05/11(日) 15:29:57 ID:4fxEx308O
その後は両目がボンボンに腫れて、病院に行きましたが、原因不明のまま検査入院だけで帰宅しました。
正直、このまま失明するんじゃないかと不安でしたが、
言葉通り七日目の朝には、何も無かったかのように腫れも引きました。
視力にも何の問題もありませんでした。

助けてくれたのが大蛇だと分かったのは、その二日後です。
昔からうちの仏間には、大蛇とお釈迦様の縦に細長い絵が飾られていたのですが、その大蛇が消えてしまったのです。
ですが家族(特にばあちゃん)は特に慌てる様子もなく、
その時に初めて明かした私の話も、「なるほどね」といった感じでした。

ばあちゃんが話してくれたのは、その絵は私が生まれるずっと前からあり、
家に住み着いた大蛇が無事に修行を終え神になれる様にと、大昔に地元の宮司さんが書いてくれたものみたいのです。
ですが実はその大蛇、気味悪がった親戚のおじさんが山に捨てに行った、と言う事が一度だけ…。
おじさんは殺そうとしたみたいなのですが、何故か後を付けていた私(当時小二)が泣きながら間に入り、
小さい体で大蛇を引きずりながら家に持って帰って来た…と言う事があったらしいんです。
私は全く記憶にはないのですが、ばあちゃんは、
「何度か転んだみたいで、泣きながら泥だらけで蛇を引きずって帰って来るもんだから、ビックリしたよ」
と笑ってましたorz
ばあちゃん曰く、「だからその大蛇が恩返しに来たんじゃないか」と。
私が大蛇に助けられた年は、その大蛇が修行を終えて神になれると言われていた年だったみたいです。

不思議な体験はこの時のみですが、この事は一生忘れないでしょう。
大蛇には感謝の気持ちでいっぱいです。
私の目玉を盗ろうとした者については、
ばあちゃんは「知らない方がいい。調べるなんてしちゃいかんよ」と、絶対に教えてくれませんでした。

58 :本当にあった怖い名無し:2008/05/11(日) 15:53:08 ID:UM2hY3Cv0
大蛇さまに感謝だね。
知らない方がいいと言われると気になってしまうが・・・

59 :本当にあった怖い名無し:2008/05/11(日) 16:08:00 ID:4fxEx308O
>>58
本当に失明せずに済んで、感謝してもしきれないです。
私の中でばあちゃんの言う事は絶対なので、気になりますが怖くて調べる気にはならないですねorz
ただ、この体験から、私も人に憑いてる蛇が見える様になってしまいましたorz

60 :本当にあった怖い名無し:2008/05/11(日) 16:21:27 ID:UM2hY3Cv0
>>59
人についている蛇ってどんな感じですか?

64 :本当にあった怖い名無し:2008/05/11(日) 19:50:23 ID:4fxEx308O
>>60
その人の体の悪くなる部分(もしくは悪い部分)に、蛇が巻き付いているのが見える様になりました。
例えば、足を怪我してしまう人には足に蛇が巻き付いている、という感じに。
家族曰く、それも23歳までらしいので、後数年の間だけですけどね。

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蛇が憑いた

874 :1/4:2011/09/19(月) 12:31:12.53 ID:7onvNleiO
ちょっと長いですが、去年の話です。

大昔から白い蛇が住み着く実家の影響で、幼少期に蛇が憑いた。
ばぁちゃんの「20歳を迎えたら自然と離れる」と言う言葉を信じて、
嫌な思いをしたり助けられたりしながら上手く付き合って来た。
が、23歳になっても離れる気配がなく、ばぁちゃんに祓って貰おうと思った矢先に事故にあい左足首骨折。
忙しいばぁちゃんの都合と私の都合が合うのが、退院してから1ヶ月後先。
しかし、退院してから2週間でマンションの階段から落ちて肋骨にヒビが入った。
この時、誰かに後ろから押された感覚があった。

875 :2/4:2011/09/19(月) 12:33:26.71 ID:7onvNleiO
怖くなって、私は約束より早かったが実家へ行った。
母親が私を見た瞬間、真っ青な顔になってばぁちゃんを呼びに行って、
わけが分からないまま飛んできたばぁちゃんに思いっ切りビンタされた。
ばぁちゃん曰く、私の顔に大蛇の顔が重なっていたらしい。

すぐに奥の部屋に連れて行かれて、お祓いをやっているばぁちゃんの兄弟やいとこを集めてくれた。

876 :3/4:2011/09/19(月) 12:38:51.22 ID:7onvNleiO
部屋に入った時から体の中がザワザワして、何故かイライラしてた。
ばぁちゃんに「もってかれない様に気を強く持ちなさい」って言われて、
「私は私の物。私は私だ」ってずっと呟いてた。

40分位で全員集まって、お祓い開始。
目の前にいるばぁちゃん達が凄い憎く見えて、ふと血の臭いが鼻をかすめた。
喉が乾いて、出された水では潤せなくて、血が飲みたいって思ってしまった。
体の中がざわめいて、触った腕が蛇の様な触り心地でハッとした時、ばぁちゃんにまたビンタされた。
「○○(私の名前)!」
「うあぁぁぁ!!」
半分意識がある中で、体が勝手にばぁちゃんの首を掴んで、
私の中の蛇が笑った(私の顔がニンマリした)所までは覚えてるが、その後直ぐに気絶。

877 :4/4:2011/09/19(月) 12:46:21.81 ID:7onvNleiO
意識が戻った時に、お母さんが私を座り直させてくれて、日本酒のような物を飲まされてお祓い終了。

本来なら蛇神になる筈だった蛇。
私に恩返しのつもりで憑いたが、居心地が良くてこのままで居たくて事故を起こさせたらしい。
長く憑きすぎて悪霊手前までいってたが、私が幼少期に蛇を助けたのが嬉しかった(?)から、
その恩の気持ちのお陰で悪霊にならずにいたのかもしれないって、ばぁちゃんが言ってた。

お祓いが始まった時のあの体のざわめきとか血の臭いとか、本気でみんなを殺したいって思ったあの瞬間が、
本当に怖かった。
でも、一番怖かったのは、玄関で私をビンタした時のばぁちゃんの顔…。
鬼の形相とはまさにあの事です。

878 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 12:56:09.42 ID:4UGxuXm4O
ん?じゃあ蛇は晴れて蛇神モッコスになれたのか?

879 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 12:57:38.12 ID:iQAN0G7i0
>大昔から白い蛇が住み着く実家
憑きもの筋?

880 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 13:02:04.20 ID:V/v2Y7Ic0
節子、蛇神やない、邪神や。
無理矢理過ぎて、兄ちゃん…兄ちゃん、泣いてまうわ。

881 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 13:09:17.21 ID:7onvNleiO
邪神とはまた違います。
北国の田舎で昔の文化が残ってる地域ですから、知らない方は多いと思います。

882 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 13:15:45.59 ID:V/v2Y7Ic0
>>881
すまん、>878へのツッコミだw

883 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 13:16:46.66 ID:7onvNleiO
あわわ、レスの順番逆になってしまってスミマセン。

蛇神にはなれてない筈です。
ばぁちゃん曰く、私が20歳を過ぎてもまだ憑いていた時点で、すでに蛇神の道は閉ざされた、と…。

憑きモノ筋かもしれないです。
父は若い頃に狐が憑き(祓い済み)、じぃちゃんには今も別の蛇が憑いてます。

884 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 13:20:11.07 ID:7onvNleiO
>>882
はやとちりしてスミマセン(汗

887 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 14:43:23.33 ID:meORQgJ/0
よく分からないけれど、その家の子供が20歳になるまで取り憑くってこと?
でもおじいさんには、また憑いているんだよね。
家長は特別?

はがされた蛇はどこに行ったの?
蛇神様への道が閉ざされたってことは、野良蛇になったの?

家系に取り憑く蛇みたいだけど、どこからやってくるんだろうね。

897 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 20:36:37.42 ID:7onvNleiO
>>887
必ず憑くわけではありません。
私が幼少の頃に、蛇神になる為に家に来た蛇をおじが山へ捨てに行った→私が蛇を助けた→蛇が憑いた。
と言う経緯です。

じぃちゃんに憑いている蛇は、蛇に悪戯して取り憑かれた知人のお祓いをした→邪悪過ぎて祓えない→自分に憑かせた。
と言う経緯です。
周りへの影響が大き過ぎる為に、じぃちゃんは少し離れた家で隔離生活を送っています。

祓った蛇の行き先はありません。
上がる事も下がる事もなく、消滅させられます。
私は輪廻転生を信じていますが…。

実家にくる白蛇がどこから来るかは分かりません。
実家の床下に入り10年間の修業期間を経て、蛇神となれるそうです。
死骸がどうなるかは、(実家を継がない私には)ばぁちゃんが教えてくれませんでした。

898 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 20:45:45.94 ID:2qMMJPZQ0
>>897
それじゃ、もしあなたが蛇を助けなかったら(山に捨てられたままだったら)蛇はどうなっていたの?
やっぱり消滅?
それとも、また別の修行先を探したの?

899 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 21:00:12.99 ID:7onvNleiO
>>898
修業に来たのに山に捨てられ死んで供養もされないままだったら、
悪霊になっておじに取り憑くか、その場で呪縛霊になってたかもしれない。とばぁちゃんが言っていました。
その場合は、ばぁちゃんか他のお祓い師が消滅させていたかもしれないですね。

蛇神の場合、道が閉ざされれば、成仏ではなく消滅させるしかやり方がないそうです。

901 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 21:07:53.15 ID:2qMMJPZQ0
>>899

蛇神になろうとすること自体が博打みたいですね
せっかく修業しに来たのに、断られただけで蛇生転落が蛇生オワタ(´д`)の二択とは
蛇のままでいた方がよっぽどいいのに
どうして蛇神になりたいんでしょうね?

902 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 21:20:56.07 ID:7onvNleiO
>>901
実家が拒む事は決してありません。
おじは蛇が大嫌いで、婿養子としておばさん(離れた街で商売しているばぁちゃんの妹)と結婚→
なに不自由ない生活が出来る→でもやっぱりあんな家気持ち悪い。と、床下にいた蛇を引っ張り出した様です。

908 :本当にあった怖い名無し:2011/09/19(月) 22:11:18.07 ID:pNHRhn9Y0
亡くなったウチの婆ちゃんが若い頃、真っ昼間に仏間で太田道灌のような鎧武者と遭遇したらしい。
で、ここからが婆ちゃんのスゴイところなんだけど、
すぐさま台所から包丁を持ち出してきて、その包丁に3回唾を吐きかけ、
「お前なんかに負けてたまるか!」って叫びながら鎧武者に向かって斬りかかったらしい。
すると、その鎧武者は煙のように消えてしまったんだと。
で、翌日の朝、縁側の下で真っ二つに切られている白蛇が横たわっていたんだって。

そっか。白蛇は守り神なのか。
エライもん切っちゃったんだな、ウチの婆ちゃんはw
でも、その後も何も起こらなかったらしくて、4年前に大往生を遂げました。
ちなみに婆ちゃんは宮古島のユタの家系。

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去年亡くなった妹の話。

ほんのりと怖い話スレ その112
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1443968455/

689 :1/4@\(^o^)/:2015/10/31(土) 20:16:48.70 ID:6tw/URop0.net
去年亡くなった妹の話。

俺の実家は代々蛇憑きの家で、家の下で10年修業に耐えた白蛇は蛇神になる。
血筋のある人たちは殆どが強い霊感を持ってる。
俺もその1人で、人に繋がる『縁』を結んだり切ったり出来る。

妹が14歳の時 、何かに目を取られそうになった時に幼少期に助けた白蛇の霊が護ってくれた。
その後もずっと護ってくれていたらしいが、
居心地が良かったとかで20歳になっても離れず、23歳の時に蛇神が悪霊になり始め、
ずっと妹の中に居たいが為に殺そうとした。
怖くなった妹は、実家に帰りお祓い出来る祖母の兄弟いとこ達に祓って貰っていた。
ここまでは、妹が7年前と4年前に死ぬほど怖い話スレとほんのり怖い話スレに書き込んだ話。

少し妹の話をさせてもらうと、妹は小さい頃は霊感は弱かったが、生き物や植物に好かれる不思議な力はあったんだ。
だからか家の周りに来た蛇も妹には威嚇もせずに触らせてた事もあったし、
どんなに弱った植物も妹が世話をすればたちまち元気になってた。
生き物や植物だけじゃない。
誰に対してもとても優しくてよく笑う子で、お天道様だって拝む年寄りもいるぐらいw
凄く、凄く自慢の妹だった。
俺が言うのも変だけど凄い兄ちゃんっ子で、
いつも兄ちゃん兄ちゃんって俺の後をくっついてきては、何処にでも一緒に行きたがった。
本当に心の綺麗な優しい子だったよ。

話を戻すと、お祓いをして貰った妹は蛇が憑いてから霊感が高くなったとかで、実家の後を継ぐことになったんだ。
継ぐって言っても白蛇の修業場所の実家を守る役目ってだけで、ずっと実家の農家をやってた。
婿をとるの大変だなーなんて実家に帰る度に笑って話していて。
「婿とる前に蛇に連れていかれちゃうかもー」って冗談ぽく言う事もあった。
はたから見たら、楽しそうにやってると思ってた。
だが、妹はずっと祓った蛇の事を後悔していた。
蛇が離れられなかったのは、自分のせいだと。

690 :2/4@\(^o^)/:2015/10/31(土) 20:19:53.84 ID:6tw/URop0.net
蛇が好きだった妹は、自分を助けそばで護ってくれている蛇に、いつも話しかけていたらしい。
高校卒業後家を出て、一人暮らしの寂しさも蛇に話しかけていれば紛れた、と。
お互いに依存してしまった。
自分のせいで神様への道が閉ざされ、何処にも行けず、悪いものになってしまったと。
それなのに私は怖くなって祓ってしまったんだと、泣きながら話してくれました。
優しすぎたんだろう、妹は。
両親や祖父母にそれは違うと何度言われても、妹の中から後悔は消えなかったんだと思う。
元気が無くなっていったんだ。

家を守る役目の妹がこのままだと、
いずれ悪い気が集まってしまって、修業にくる蛇達は上に行けずに悪霊になってしまうってなって、
妹が家を出る事になった。
ただ妹があまりにもやつれていくから、祖父の弟(神主さん)の家にお世話になるのが決まった。
だが引っ越す3日前、突然祖父が倒れて危篤状態になった。
祖父は昔に蛇の悪霊にとり憑かれた人を助けるために自分にとり憑かせて、ずっと離れで暮らしていたんだ。
畑仕事や食事程度は家族と居ても問題ないが、夜は危険だからと。
いつも直径1cmくらいの5個の丸い黒い石?が輪になったものを持ってた。
その石を使って体の中に封印してるんだとさ。
でも、その石が割れてたんだ。祖父が倒れた時。
家族全員が真っ青になって、慌てて血筋のある兄弟いとこ集めて、新しい石に封印する式を始めたわけ。
俺も外側の結界を守るのにかり出された。
でも相当な霊らしくて、石に入れても抑えきれなくて、最中に数人倒れるわ吐く人も出るわで、
外側の結界のさらに外に居た俺も内蔵がちぎれそうな痛さだった。
「やっぱり肉体使わんとダメだ」って父親が言い出して、母親は泣いてたけど止めはしなかった。
そしたら、いきなり妹が入ってきたんだ。凄い勢いで。
男数人が押さえても全然ダメで、父親が今まで聞いた事ないような声で「やめろ!」って叫んでも止まらなかった。
石をさ、飲み込んだんだよ。
祖父が持ってたものよりも一回り大きい石なのに、水を飲むかのように5個とも。

691 :3/4@\(^o^)/:2015/10/31(土) 20:22:51.95 ID:6tw/URop0.net
なんて事を!とか吐き出させろ!とか、色んな怒鳴り声が飛び交ってて。
俺は中心に立ってる妹を呆然と見てるしか出来なかったよ。
そしたらさ、その状況に似合わないくらい優しい声で言ったんだよ。
「わたしが連れていく」って。
みんな泣き崩れて、父親が泣いてるの初めてみたよ。

でもやっぱりそんな事させられないってなって、とりあえず今日はこの部屋で結界の中に居させる事になった。
部屋に入ってきた時の勢いは消えて、妹は大人しく座ってた。
夜になって祖父が亡くなった連絡が来て、病院に行ったり葬儀の手配したりで家がバタバタしてる中、
外に祖父の霊を見たんだ。
離れの方に行こうとしてるけど、何か壁があるのか手で空中を探ってた。
きっと自分に憑いてた蛇の悪霊が気がかりで、こっち来ちゃったんだと思った。
「じいちゃん」
俺が言うとこっちを見て、何か言ってる。
「じいちゃん、あの黒い石、〇〇(妹)が飲んじゃったんだ...何とかならんかな?」
でもじいちゃんは首を横に振って消えたんだ。
その時、やっぱりダメなんだなって冷静に思えた自分が悔しかった。
その事を皆に伝えても、両親は何か方法があるはずだって怒ってた。

次の日、早朝に妹の様子を見に行ったら居なかったよ。
慌てて家族を起こして総出で探した。
近所のおじさんおばさん達も畑仕事ほっぽって探してくれたけど、見付からなかった。
夜になって祖父の通夜があるからって捜索は警察や消防に任せて、
次の日の告別式終わって、一日経って、全然見付からなかったんだ。

692 :4/4@\(^o^)/:2015/10/31(土) 20:24:14.44 ID:6tw/URop0.net
そしたら祖母が「神様の所かもしれない」って言い出して。
修業に耐えきれず死んだ蛇を供養する『大蛇神墓』って所があって、場所は妹は知らないはずだから思いもつかなかったって。
山はよく遊んだから知り尽くしてたつもりだったけど、こんな道あったか?って思うような道を歩いてった。
洞窟が見えて、奥にほんのり光が見えた。
それを見た途端に祖母が走って中へ行ったから、俺も慌てて付いていったよ。
大きな洞窟の中に祠があって。
居たんだ、そこに。妹が。
冷たくなってた。
祖母が泣きながら妹を抱き締めてて、俺もそばに行ったんだ。
祖母が見るな!って言う前に見ちゃったんだ。妹の顔。
目玉が無かった。
まさかって思ったけど、違った。
お供え物を乗せる皿に、茶色く変色した2つの球体があったよ...。
祖母に「担いでいけるか?」って言われて、
冷たい妹を抱き抱えようとしたら、死後硬直してると思ったのにぐにゃぐにゃだった。
なるべく顔を見ないように山を降りて、家に帰って...。
半狂乱になる母親をみるのも辛かった。
何故妹がこんな目にあわなきゃならないのか...。

身内だけで妹の葬儀もして、火葬したあと、骨の中に石があった。
熱でなのか割れていたけど、中が白いから蛇の霊はもう居ないって父親が言ってた。
本当に妹が連れていったんだなって。

妹が亡くなった為実家は俺が継いでいる。
小さい頃から皆に可愛がられて、俺はいつも「〇〇ちゃんのお兄ちゃん」だった。
昔はイタズラで時々だが、妹を悪い縁と結んだり良い縁を切ったりもした。
だが妹はいつも幸せそうだった。
ハタチを過ぎた頃に会った時、妹に繋がっていた黒いドロッとした縁は、妹が亡くなる未来の縁だったのかもしれない。
妹亡き今は俺が家を守っている。
もう「〇〇ちゃんのお兄ちゃん」じゃない。

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