スポンサーリンク
34 :名無しさん@おーぷん :2015/01/08(木)17:47:14 ID:qLc
生まれてずっと育った場所があってさ、まぁ田舎のテンプレと言うか、山川海のぼくの夏休みみたいなね。
昔話や土地神様みたいな話ってのも特にない所でさ、
あるとすれば、どこのどこのお坊さんがここを本山にお寺開いて~。まぁ古い寺がある所はどこもそんなもんだろう。
その山ってのが先祖代々うちの持ち物なんだが、
うちが開祖の子孫・・・てわけでもなく、まぁ持ってるとは言え全体ってわけでもないしねw
山の中にある御堂はお寺さんのものだし、春の山開きの日に参拝はするくらいだ。
よくある○○様の怒りが、なんて話もないし、祭りもするが慣習であって信仰ではない。
変な言い方だが今どきの田舎。
自分自身も田舎のテンプレ、小中高と育ち大学進学都会に就職。盆正月は実家に帰省と、周りの幼馴染もそんなもん。
で、まぁ3年ほど地元を離れて働いていたんだけど、仕事のトラブルが続いて体調を崩してダウン。
自分の所為ではないトラブルだったけど、辞めてしばらく実家で静養することに。
実家と言っても両親は仕事関係で2年前から隣の市、祖父母が畑しながらたまに行き来してる感じでね。
まぁみかん畑やら触りながらのんびりするかーと祖父母の家にすることにした。
部屋は広いし生まれた時からそこにいるんだ、仕事してる人を毎日見るのもなんか辛いしね。
35 :名無しさん@おーぷん :2015/01/08(木)17:49:44 ID:qLc
そこはまぁ田舎なもんで、帰ってきたと話になる。
幼馴染も就職したってそう遠くない所に一人暮らしとか結婚とかいるわけで、ちょこちょこはここに帰ってくるもんで、
久しぶりに会って飲もうぜなんて話も出てくる。
正直あんまり気乗りはしないけども、海を見ながら縁側で、さしつさされつ虫の声ってのもいいかなと、
幼馴染のNくんと二人で飲むことに。
他愛のない話や仕事の愚痴なんか聞くわけさ。
どこどこの○○ちゃんが結婚した、とかお前中学の時○○先輩好きだったんじゃろ、とかさ。
で、田舎の山ってのは街灯なんてなくてさ、あんまり遅いと猪なんかもおるからね。
まさに行きはよいよい~ってやつで、周りの家が明かりついてるうちに帰らないと色々と危ない。
Nくんの家は麓、うちの実家は中腹なもんで昼間は10分も歩けばいいが、夜はそうもいかない。
Nくんも今日は泊まって行けばえぇってんで、遅くまで飲むことにしたんよ。
「ちぃと煙草でも吸いに歩こうや」
「えぇよ、酔いもさましたいし波止場でも行く?」
「えぇね、こまい頃あっこでよー釣りやら泳いだりしょーたよねw」
みたいな話しながら海までは目の前、1分も歩けば着くし街灯もある。
えっちらおっちら歩きながら、彼女欲しいなぁやら、Nくんあの子とはよ結婚しちゃりーやとか、
ぐだぐだしながらふと、じいちゃんばぁちゃんもう寝とるかなって家を見た。
光ってる、山が。
御堂のあたりでもない 実家でもない。
あそこは誰も住んでない。なにもない。幼い頃から見てきた木しかない場所。
登山者の明かりでもない。そんな小さな光じゃない。火の光でもない。
今まで見たことがない。
「Nくん・・・なんか光っとらん?ほら、あっこらへん、うちの家の上の方さ・・・」
「なんなんwいやいや、何言いよるんよw山は光るじゃん」
36 :名無しさん@おーぷん :2015/01/08(木)17:57:41 ID:qLc
これは少し前の話で、色々調べたところ見る人が見れば場所バレしちゃうから詳しく書かないけど、
光る山を鎮めるために○○上人がお寺を建てた、と郷土史にありました。
なんで光るのか、何が光るのかはわかりません。
真夜中ってのと、実家からは見えない位置だって事。
他の人に聞いたところ、「あぁ、たまにねw」程度で逆に話題に出ない事。
知らなかった自分にとっては怖い瞬間でした。
っていうか鎮めたんじゃねーのかよって言う・・・