ホラー

【洒落怖】でんわ、でんわ

983 :本当にあった怖い名無し:2013/08/25(日) 01:04:16.72 ID:kojzRZM90
高校に入学して直ぐに、クラス内のちょっとしたトラブルに巻き込まれ不登校になった。
昼間は家で、テレビを見たりゲームをしたり年の離れた弟の面倒を見て、
夜は近所の公園に行ってスケボーをしたり、友達の家に遊びに行ったりしていた。

ある時、いつものように弟と二人で飯を食いながらタモリを見ていた。
母親は確か病院とかで、家には弟と二人きりだった。
飯を食い終わりボーっと小堺を見ていると、
弟が突然「あ、でんわ。でんわしなきゃ」と言い出した。その当時弟は4歳。
「え?どこに?誰に?」と聞くが、
「でんわ、でんわ、でんわ・・・・」と繰り返しながら、電話が置いてある廊下に飛び出して行った。
慌てて追いかけると、弟は電話の置いてある台に精一杯手を伸ばし、
「ねえ、でんわとって!でんわ!でんわ!」と騒いでいた。
「だめだよ。誰に電話すんの?ママならもう帰ってくるよ?」と言ったが、
今度は「でんわ!はやく!でんわ!」と泣き喚き始めた。
参ったなあと思いながら、無理やり弟を抱きかかえリビングに戻ろうとした時だった。
プルルルルルル!と電話が鳴った。
その音を聞いた瞬間、
「でんわ!A(弟)のでんわ!」とすごい勢いで暴れだした。
俺は弟をガッチリと掴んだまま、
「わかった。ちょっと待って。先に兄ちゃん出てからね」と言いながら受話器をとった。

984 :本当にあった怖い名無し:2013/08/25(日) 01:05:25.61 ID:kojzRZM90
「はい○○です」
『・・あ、あのAちゃんお願いします』
聞き覚えのない40,50の位のおばさんの声だった。
そんな奴が4歳の弟に何の用なのかと不信に思い、
「あの、どちらさまですか?」
『・・・とも』
「えっ?友達?」
と聞き返したと同時くらいでブチっと切れた。
戸惑いながら受話器を置くと、弟がキョトンとした顔でこっちを見ている。
「なに?どっかのおばさんに番号教えたの?さっきのおばさんに電話しようとしたの?」と聞いてみたけど、
「しらない。わかんない。いやだ」の繰り返しで真相はわからなかった。
ナンバーディスプレイを確認すると、地元じゃ見たことないような番号だった。
何回か掛け直してみたがずっと話中で、一向に繋がる気配がない。
そうこうしてるうちに、母親が帰宅したので一連の流れを説明すると、母親も身に覚えがないらしく気味悪がっていた。

その日から、その番号から時々電話がかかって来るようになった。
俺や両親が出てもすぐにブチっと切られる、掛け直すと話中で繋がらない、
電話が鳴る前、なった後に弟が「でんわ!でんわ!」騒ぐのも正直怖かった。
あと、弟が間違って電話に出ないように、椅子を使っても届かない場所に電話も移した。

それから何週間か経ち、そろそろ警察に言おうと話していた矢先だった。
昼間、便所にいると電話が鳴った。
その日も母親は不在で、弟と二人きりだった。
「あ、あのババアかも」と思ったが、「まあ、どうせ弟は電話に届かないしいっか」と、
そのまま着信音が鳴り止むのを待っていると、
ガンって音の後に「もしもし?もしもし?」と弟の声が聞こえた。
驚いてトイレから出ると、線を引っ張ったのか電話が本体ごと床に落ちていた。
その横で弟が楽しそうに、
「うん。そうだよ。あそびにきてね」と電話をしていた。

その日から弟が「でんわ!でんわ!」と騒ぐことも、見知らぬ番号からの電話もなくなった。
電話番号も、話中から現在使われていませんになった。

あれから7年経った。
弟は全く記憶にないそうだ。俺や両親に言われる度に、「うそ乙」って感じの顔でため息をしている。

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