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【洒落怖】落語の「死神」

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11本当にあった怖い名無し2022/10/09(日) 20:26:45.13ID:PQVZDNrm0
死神
落語の死神って話知ってますか?
三遊亭圓生さんって方の話が好きでyoutubeで時々聞いてたんですよ。

貧乏な主人公がある日、死神に出会いまして、ある呪文を教えてもらうんです。
「マジャラカモクレン セキウンハ テケレッツノパ」
そして手を2回叩く。

これを死神の付いた病人の前でやると、たちまち死神が退散していくというものです。
ただし、条件がありまして、死神が病人の足元に居る時しか効きません。
枕元に居る時はもう手遅れです。

私はこの話が大好きで、いつかこの呪文をどこかで使ってやろうと思っていました。
落語好きな老人ならウケるかも知れないし、話の種になると思ったのです。
そしてその時は来ました。

10年くらい前の夏の終わり頃の話です。
秋にさしかかろうかというところで、丁度今頃でした。

あの震災からは1年以上経過していましたが、
まだ仮設住宅から移動できない家族も居ました。

私もその一人だったのですが、
学生時代仲良かった友人がその仮設住宅地に居り、退屈はしませんでした。
遊びにも行くのですが、仮設なだけあってそう広くはありません。
友人の親、妹、祖父母、皆と顔を合わせます。

祖父は体調が悪く、部屋の奥で寝たきりでしたが、
起きている時は「よぅ来た、よぅ来た」と挨拶してくれます。
枕元にはカセットテープがあり、音を良く聞いてみると落語の演目「芝浜」のようでした。
これはチャンスとばかりにじいさんの耳元で話しかけました。

「マジャラカモクレン セキウンハ テケレッツノパ」・・・・パン、パン。
お前、良く知っとるじゃないか、俺も好きなんだよ
そんな反応を期待していたのですが、現実は違いました。
「あ~、あ~・・・・」と声にならない声を出しながら、頭上を向いて怯えています。
そのまま白目を向いてしまい、泡を吹いて容体が急変しました。

その後は親御さんが飛んできて、救急に連絡。私は帰されました。
翌日にお通夜がありました。

あの時、じいさんは何を見てあんなに怯えていたのでしょうか。

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