ホラー

【洒落怖】祟られる

◇ 心霊ちょっといい話VER.6 ◇

96 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/31 00:40
ありゃたしか小3の頃だよ確か。10年くらい前。

そん日はダチが誰も来なくて一人で山に行ったんだよ。
んで当時俺は、兄貴が持ってたビデオの仮面ライダーブラックが大好きだったもんで、
ライダーキックやらパンチやらして遊んでたワケよ。一人で。馬鹿丸出し。
そんで俺は「ん?」と思った。
もう目をつぶってもダッシュで10往復くらいできるこん山に、なんか見知らぬ側道があるわけ。つーか獣道。
もー俺ワクワク。新境地大発見みてーな?

んだよここは。豆みてーな山なのに随分長げーな。舐めてんのかこの道は。
なんて思って歩いてると、目の前になんかちっちゃい神棚?社?なんつーんだっけアレ。とにかくなんか祀ってあんよ。
高さは当時の俺の身長よりちょっとデカイくらいで、扉が開いてて、中にはなんか狐がいっぱいはいってんの。
しかもこれが笑ってやがるんだ。
当時の俺はこれを即悪と認定。扉をおもむろに閉めてライダーキックを敢行。
意外と頑丈だったけど、何度か繰り返すと、
餓鬼にも破壊可能なくらいにはボロってたようで、程なく木でできた前面部は大破。
本当はもう全部壊したいみたいな感じだったんだけど、暗くなったのでその日は帰ることに。

97 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/31 00:42
で、家帰ったら、やっぱりお約束みたいに倒れたね。
熱が40度近く出た。新手の風邪かインフルエンザかと思って、「やた!学校休める!」と大喜び。
でも結局、死んだ方がマシ級に苦しんだんで直ぐに後悔。

んで、夜中にトイレに起きたの。なんか犬が吼えてんの。
ウルセーなこんな夜中に。飼い主はナニやってんよ?と窓覗くと、なんか田んぼに無数の光が灯ってんの。
つーか、炎みたいのがういてんの。
なんか農家でやってんのかな?と思って更に見てると、窓越しになんか聞こえてくる。
「まだ」「入れない」とか言ってんの。
その声がまた変。TVでよくスローにした時に出る声。あれみたいな重低音な声と、俺と同じくらいのガキの声。
あれが交互にボソボソ聞こえてくる。
さすがに怖くなって、その日は布団に潜って寝てしまった。

数日しても熱下がらない。病院で調べても、なんか風邪でもインフルエンザでもツツガムシとかでも無いらしい。
いわゆる原因不明の熱?県庁所在地にある大病院言っても同じ結果。
俺ヤバい。マジやばい。死ぬ。冗談抜きで。

んで、ちょうど夜中に起きて、「またあの炎か」とかって窓見てると、
親が丁度タオル代えに来て、何してるか聞かれた。

98 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/31 00:43
見た事を話すとなんか真っ青になっちゃって、
次の日、病人の俺を無理やり引き摺って、地元の昔からいる霊能者のババアんとこに連れて行かれた。
んで、行くなり「アンタ稲荷に祟られてる」って言われた。
さすがの俺も、先日の山中でのお茶目を思い出す。
んで、御詫びにその社を修復してオアゲでも供えなさいって事になったんだけど、
どうもそっからがおかしな事になった。
だってそんな社、最初ッから無かったんよ。
俺が行った場所には獣道なんてどこにも無かったんだって。
そんな筈無いってダチに言って案内させようとしたけど、やっぱそんなん無かったらしい。
ていうか、そこの地主にもそんな無いって言われた。

したら、その霊能者のババアが言うにはどうも厄介な事になったらしくて、話を聞くと、
どうやら『俺が社を壊したから』祟ったのではなく、『俺を祟るために社を俺に壊させた』んだと言うんよ。
悪質なのに捕まっちゃったみたい。嵌められた。俺狐に嵌められた。
んで、普通なら速攻憑り殺されてるんだけど、家守ってる動物がいるから狐は入って来れないでいるって事らしい。

ババアの家を出ると、流石に体力の限界が来たらしい。
貧血で真っ白んなるみたいに視界と意識がフェードアウト。

99 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/31 00:45
目が覚める。なんかもうボーっとしてる。体も動かない。
ん?と横目を見ると狐。狐に囲まれてる俺。
なんで?家には入って来れない・・・ってここ病院じゃねーか!
マジやばい。俺ヤバイ。「もらうもらう」とか言ってる。
俺タマ取られちゃう。金玉じゃなくてタマと書いて命と書くほうのタマ。
俺ピンチ。にはは。

したら、不意に病院の壁から手が出てきたの。「ぬっ」て。
帝国軍人が。あれすか?親玉すか?とか思ってると、狐を遮るように俺の前に仁王立ち。
そして、帝国軍人はおもむろに日本刀を振り上げ殺戮開始。
エイヤーとばかりに狐たちを切り捨てていく。狐も応戦してるけど貫目が違う。
程なく狐は全部切り捨てられて消えてしまいまった。

んで、振る帰ると、その軍人は俺を撫でてくれた。
そしたらその軍人さん、みるみる顔が年取っていって見覚えのある顔に。
死んだ爺ちゃんだった。
俺なんかうれしくなっちゃって、涙出てきて。

100 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/31 00:46
したら爺ちゃん、いきなり「泣くな」って頭をグーで殴りやがった。
間違いないね。
もっとガキの頃、泣き止まない俺の口に飴玉を10個くらい放り込んで、
「これやるから泣くな」って、そらもっと泣き喚きますよって感じの爺ちゃんに間違いない。
さらに見ると、後ろにでかいセントバーナード。
爺ちゃんが飼ってた犬だ。ああそうか。お前が吼えて守ってくれたんだなって思った。

次の日、目が覚めると熱はパーペキ治ってた。
帰りに味噌ラーメン大盛りとギョーザとライス食ったくらい治ってた。

しばらくしてから、その山でガケ崩れがあって、丁度俺が社があると思ってたあたりが完璧エグれて無くなったらしい。

うわーなんか長々書いちゃったよ。思い出しながら時間忘却全快で。
でもあれはやっぱ夢だったのかな?わーけわからん。
じゃ。
爺ちゃんありがとう。

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