874 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:02:11.68 ID:huDK09vf0
中学生くらいの時の話。
当時中の良かった4人で、肝試しすることになったんだ。俺の他をA・B・Cとしておこうか。
夏だったし、地区にあるトンネルの上に丁度良さげな廃病院があるってんでさ、その日の深夜にいくことにした。
結構距離があったけど、自転車でいったのよ。
875 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:04:02.66 ID:huDK09vf0
で、トンネルの前まで着いて横から階段を登る。暫く草を分けて進んでくと病院が見えてきた。
まだ結構距離あるなぁなんて思ってたら、
Aが目標を目前にして、「すまん、やっぱり絶対入りたく無い。気持ち悪い」って言い出したんだけど、
残りの2人がテンション上がり切ってて、
「勿体ないよ此処まで来たのに。俺たちだけでも行っちゃうよ?」
「此処で待ってる方が怖く無いか?」
って言ったんだけど、どうしても無理らしい。
876 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:07:13.69 ID:huDK09vf0
「いいよ、三人で行って来てくれ。トンネルの前で待ってるから、ごめんな。
つか本当にいくの?やめといた方がいいよ」
トンネルも一応心霊スポットで有名なんだが、そっちの方がマシだとまで言う。
俺はそれで少しびびっちゃったんだけど、
「そか、わかった俺たちだけで行くよ」
『俺たち』の中に俺も入ってんだろうなぁと思い、もう着いていくことにした
877 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:11:10.99 ID:huDK09vf0
「なんかあっても、絶対自分たちでなんとかしようと思うなよ。
後で誰か連れて来た方がマシだから、すぐにげてこい」
Aが言った。俺は完全にとどめを刺された。
また暫く歩いて、やっとこさ前までついた。
「うほー雰囲気あるなぁ!」
Bは楽しそうだが、俺はさっきAに言われたこともあって、かなりビビり始めていた。
「だれかいますかぁー?きたねぇとこですねー。うわぁボロボロ」
Cは楽しそうに病院に入っていく。おれはタモリの怖い話を思い出してしまう。
「いたらどうすんだよ、やめとけ」
「録音してるわけじゃないんだから。大丈夫だろw」
一階には手術台?以外特にめぼしい物がなく、二階に上がることにした。
879 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:15:29.44 ID:huDK09vf0
階段を上がって右手に廊下が伸び、その突き当たりで廊下が右に折れていた。
なんかわからんけど、そこがどうしようもなく怖くて、気持ち悪かった。Aの気持ちが分かった気がした。
「も…もういいだろ?帰ろうぜ」
「あそこだけっ調べてっ来るわ、怖いならお前もうここにいろよっ」
Cが妙に冷たく、たまに何かを飲み込む様に言い放った。
BどCが廊下を慎重に進んで行って、角に差し掛かった。
Bが膝からゆっくりうつ伏せになり、Cは廊下の先を見つめて
「フーッ……フーッ……」
深呼吸の様な、変な息の吐き方をしだした。体に動きがなかったから、吐き出してたのか。
880 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:20:54.33 ID:huDK09vf0
Aの言葉を思い出す。俺には何もできないんだと自分に言い訳をしながら、咄嗟に逃げ出した。
いまやさっきの気持悪い感じが、病院全体に広がってる気がした。
「っおォっ……グッぶっ……ごェえ……」
何か吐き出そうとしているが、何も出てこない。そんな嗚咽が聴こえてきた。Bの声だ。
直後に妙にはっきり、
「んぁ……カ……っカ……り」
音声に、ストロボかトレモロを当てた様な声が聞こえる。
BかCがおかしくなったのかと思っていたが、今でもわからない。
881 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:26:06.26 ID:huDK09vf0
走りたくなかった。出来るだけだれにもに気付かれず、逃げると言うよりもその場を離れたかった。
やっと病院を抜けて全力で走り出し、Aのところまでたどり着く。
「やばい!どうしよう!あいつらが、その!倒れちゃって!あの!どうしよう!」
「俺たちだけで帰ろう」
「ふえぇ!?」
肩透かしを食らった。
「俺たちじゃどうしようもねぇよ。仮に霊が見えたとして何ができんの?
急ぐぞ。俺たちまで倒れるようなことがあったらそれこそどうすんのさ?」
「いや、あっ!でもっ!!」
こんな時にいやに冷静だし、正論すぎて反論できなかった。
884 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:35:41.45 ID:huDK09vf0
「おぃーなんでおいていくんだよ!w」
寒気がした。BとCだ。ヘラヘラして階段の上に立っている。
「おまえら大丈夫かよ…?」
笑顔で近づこうとすると、すごい力でAに腕をつかまれた。
普段からアイラインを引いたように目がぱっちりした奴だが、いつにもまして大きくなっていた。
「おーい。おまえらそこにいろ、別々に帰ろうぜ」
そう言うや否や、Aが自転車にまたがった。
「いそげ、にげるぞ」
俺に囁いた。『帰る』から『逃げる』に言葉が変わっている事で、事態を把握した。
BとCが何やらわめいているが、俺たちは全力で自転車を漕ぎだした。
「別にあいつらにおかしいとこはないのかもしれない。気持悪い感じもしなかったしな。
でもお前息切らして走ってきたのに、あいつらに全然疲れてなかったろ?
つか、時間的にもおかしいんじゃ無いか?」
言われればそうだ。また怖くなってきた。
886 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:40:52.95 ID:huDK09vf0
「取り敢えずO神社行こう。最悪今日は泊めてもらおうな」
Aはずっと無表情で、俺をあやす様に言った。俺は泣き出してしまった。
階段を駆け上がり境内に入った。
「すみません!誰かいませんか」
Aが叫ぶと、不機嫌そうなおっさんが出てきた。
「何時だと思ってんだ!ややこしいもん連れてきやがって!クソガキが!何やらかした!」
よかったよかった。ここの人は本物らしい。
一通り起こったことを俺が話すと、
「その友達は外まできてるみたいだぞ。ここまで入ってこないとこをみると、そう言うことなんだろう。
今日はここで寝ろ。そんな得体のしれんもん、俺にはどうにもできんし、調べるつもりも無い」
その日、泣きながら眠りについた。
残りの夏休みは、妙な罪悪感に苛まれながら過ごした。
BとCには意図的に会わないようにした。
889 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 04:56:26.51 ID:tpAm3wlU0
そしてその年の冬、Cは授業のマラソン中にコースを外れて、
神社の階段の途中にある、大きな灯篭に押しつぶされて死んでしまった。
大人でも倒すのは到底無理なほど大きい。
Bは一昨日、他府県から地元に帰ってきたが、家には顔も見せず、
『ただいま』という留守電を両親に遺し自殺した。
この話を書こうと思ったのはBが死んだからなんだ。
んで、次は俺なんじゃないかと思ってる。
890 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 05:02:52.28 ID:BSg8yDpq0
乙
肝試しをしたのは何年前になるの?
891 :本当にあった怖い名無し:2011/05/22(日) 05:05:51.41 ID:tpAm3wlU0
>>890
有難う。いま25歳なのよねんで中3だったからなんさいだろ?
後日談的なもの~
夏休みが終わり、新学期が始まった。
あいつらとは同じクラスだから、如何しても会わないといけない。
Aにすがり付きながら朝登校すると、2人が話しかけてきた。
「あの病院のさ!お前が怖がって見なかった部屋あったじゃん?」
「あそこすげーきれいでよ、嘘みたいに」
「ベッド1つ置いてあっただけだったんだけど、見惚れるほどきれいだったよ!何かわかんねぇけど。
死ぬまでに見といたほうがいいよ。絵画みたいだった!」
2人はうれしそうに話す。Aが病院の話はやめようと言い、2人は少し反省していた。
2人が死ぬまで俺たち4人は、鏡台みたいに仲良く遊んだ。
話をしようと思ったもう一つの理由がある。
Aと2人で、もう一度あそこに行こうという話しになったんだ。
決行は明日。さすがに昼に行くし、除霊グッズはもってくつもり。
921 :892:2011/05/23(月) 02:42:05.07 ID:1DeR120w0
昨日、廃病院の話を投下したものです。続きってかまぁ、さっきの話。
結果だけ先にいうと、病院にはいけないんだ。すまんね。
俺は、個人的にあの部屋をみて見たかったんだ。
それに友達が死んでるし、何かやっぱり、やりきれ無いと言うか、
まぁあの2人の死はなにも関係なかったのかもしれないけど。
そんなこんなで、「明日行くんだし準備しようぜ」って、
Aと一緒に昼飯食った後、探り探りで霊に効きそうなものをホームセンターで買って、Aの家に行った。
んで、Aは車出せるから「それで行こうかー」なんて話してたんだ。
922 :892:2011/05/23(月) 02:44:12.11 ID:1DeR120w0
「あっ、言ってなかったんだけど」
「ん?」
「あの後、部屋に行ったんだ」
「おいー!」
「あいつらの説明聞いて気になって。
んでO神社の人、あの後取り付く島もなかっただろ?だから、なんとかしようと思って…
夏休み中に行ったんだ。
流石に昼に行ったよwつか俺自身霊が見えるわけでもないんだ。雰囲気で危ないかどうか分かるだけ。
だからなんか対策立てようと思って、Sと電話しながら行ったんだ。
役に立つかはわかんなかったけどねw」
924 :892:2011/05/23(月) 02:46:12.77 ID:1DeR120w0
Aが用意した『S』は当時まだ小学生で、
事故現場を通り過ぎただけで、どんな人が死んだか、何人死んだか分かるくらい、はっきり見える女の子。
Aの親戚の友達と言うわけのわからない関係だが、親戚にくっついてAの家によく来るらしい。
ある日、Aが携帯を忘れて家を出て、帰りが遅くなった時に、
Aの母が「どこにいるんだろねー」なんて言ってると、
「なんかいまうるさいとこにいる。あれ?A髪切ったの?あと中途半端な金髪の人がいるね」と言った。
その日Aは散髪後にカラオケへ行き、金に染めた頭がプリンになり始めた俺といたのだ。
これ以来Aは、不思議な事が起こるとSに相談する。
925 :892:2011/05/23(月) 02:49:19.79 ID:1DeR120w0
以下Aの話
電話しながら病院の前までつくと、流石に昼時だけあって雰囲気はだいぶ優しかった。
「今から病院に入るけど、大丈夫かな?」
「わかんない。大丈夫じゃない?ほんっとに1人も居無いよ」
これはフリか?
Sの言葉に不安になりながら、Aは入って行った。
話を聞いただけで実際に入るのは初めてだったから、入り口から入ってすぐに左に曲がって廊下を進んでしまう。
俺たちが登った階段は真ん中で折り返してたから、構造的にAが進んだ廊下はあの時の廊下の真下になる。
「ん、二階かな?」
Aが「昼でもやっぱ霊とかいるの?」と聞くと、
「時間帯は関係ないよ。タイミングが大事。わかる?」
別に会いに来たわけじゃ無いが、意を決してAは二階に上がった。
926 :892:2011/05/23(月) 02:53:27.81 ID:1DeR120w0
「…思ってたよりずっと怖いわ」
だれに言うでもなく声をだした。
あの先になにがあるんだろう。2人は何に苦しんだのだろう。
Aは廊下の先を睨みつけながら歩いて行った。
「今んとこなにもいないよ。もうやめたら?」
もう一歩踏み出して、体を右に向ければ部屋が見えるところまでついた。
「ちょっとわかんない。多分何もいないけど、もう帰ったら?ねえ?きいてる?」
Aはもはや聞いていない。
927 :892:2011/05/23(月) 02:58:20.92 ID:1DeR120w0
「その部屋なんっもなくてさ、まぁ入り口から見ただけなんだけでわかんねぇけど、
赤のペンキが塗りたくってあった。
部屋のどこまでそうなのかはわかんない。遠目に一瞬だけ見てすぐに帰ってきた。
流石に入れなかったよ、怖すぎ。無理無理。なにも出来ない。
Sに聞いたら、天井まで身長が届いて、首を少し傾げてる、
髪ぼっさぼさの女がつったってたってさ。部屋の奥にね。
俺の方振り向こうとした瞬間、俺がにげたんだってさ。
Sにも悪い事したよ。暫くうなされたって。カクカクした声が聴こえるんだってよ」
929 :892:2011/05/23(月) 03:02:47.03 ID:1DeR120w0
Aが語り終えた。
なんだか死にに行く様な感じがしてきた。
「とにかくさ、お前が行きたいって言った理由の一つは潰したよ。あそこに綺麗な部屋なんか無い」
「つかおかしいんだよ、あんなところに病院がある事自体。
この辺に俺たちの団地以外住宅は無いじゃん?
ほんの数十年前に山を切り開いて、ベッドタウンにしたわけだ。トンネルだってそうだろ。
どのタイミングで病院が建って、いつの間に廃墟になるの?
あんなとこに、だれがはるばる診察に行ってたんだよ」
Aが興奮気味になってきた。
「正直、行きたく無い。
いまんとこ俺たちには何も無いし、直接は気味悪い部屋見ただけだから良いけど……
別に死ぬのはあんまり怖くないし。でもあそこで死ぬのは絶っ対……嫌」
930 :892:2011/05/23(月) 03:10:11.75 ID:1DeR120w0
自分でもどうしたいのかわからなくなっていた。
「ぁ、へんな金髪野郎!」
Sが入ってきた。本当に偶然今来たらしい。
「おっきくなったなぁー。つか、よく覚えてんなw」
少し場が和んだ。Sは今高校生で、えらくポップでおしゃれになっていた。
「あそこ行こうとしてんでしょ?やめときなよ」
急に真顔になって、ベッドに座り込む。
「あたしたちは普通なの。特別でも何でも無い、もうほんとに普通。『何者か』ではないの。
Aはたまたまタイミングを外したから無事なだけ。つか、連れて帰ってきたら家いれないよ。
洋画に出てくる様な、陽気な黒人ポジションには立てないのよ。絶対すぐしんじゃう」
妙に説得力があった。
931 :892:2011/05/23(月) 03:17:34.35 ID:1DeR120w0
で、今に至る。
結局SがA母にチクったため計画は駄目になったが、Aはホッとしてる様に見えた。
その日、O神社に3人でいった。あのおっさん以外で、協力的な人間が居ないものかと考えたのだ。
「私はここに来てまだ日が浅いから、その病院は知らない。
でも何というか、この辺り一帯が気持悪いね。この団地中になんか変なとこいっぱい無い?」
その日おっさんは居らず、何だか気さくなねーちゃんが話をきいてくれた。
言われたとおり、変な箇所はいくつか思いついたし、そう言えば自殺もかなり多い。
「こうやって神社にいるけど、マニュアル通り対処出来る事なんてまぁ稀なんだよ。イレギュラーばっか。
だからあんまり危ない事されてもねぇ」
933 :892:2011/05/23(月) 03:24:42.27 ID:1DeR120w0
O神社を出て、小学校の前を歩いていた。
もう真っ暗で、何気なく小学校を眺めると、警備員の人が窓際を歩いている。
窓の連続が途切れる、丁度消火栓が壁に埋め込まれているゾーンに彼が差し掛かった。
反対側からは誰も出てこなかった。
「いま見えたでしょ?案外怖くないもんだよね、何もしてこないし」
Sが俺に微笑む。
今日、俺は初めてユウレイを見た。
おしまい。
長々と失礼しました。遊び半分でわけのわからないところにはいかない様にしよう!
SとAには、その後沢山不思議な話を聞いて別れましたとさ。
936 :本当にあった怖い名無し:2011/05/23(月) 03:35:09.88 ID:E3o+YfRkO
>>933
ほんのりどこじゃないので明日ゆっくり読むわw
>SとAにはその後沢山不思議な話を聞いて
この辺も書いて欲しいな~
938 :プリン:2011/05/23(月) 03:44:50.37 ID:1DeR120w0
いつ規制されるやもしれないので突然消えるかも知れませんし、大したオチもありませんぜ。
Sの弟の話
Sが昔山に行ったときついて来た幽霊『カケル』くんが居る。長くなるから詳しいとこは省くね。
んで、S家までついて来て、普通にみんなカケル君を認めて暮らしてるそうだ。
あるとき、S弟が泣きながら家に帰って来た。
「どうしたの!」
Sが尋ねるが、犬に追いかけられただけだと言う。
でも、カバンの中に入っていた筆箱がボロボロだから、おかしい事に気付いた。
次の日、カケル君に「今日、S弟についていってみてくれない?」と頼んで見る。
939 :プリン:2011/05/23(月) 03:53:20.76 ID:1DeR120w0
昼休みのカケル君の報告によると、S弟はどうやらいじめられているらしい。
Sは弟と同じ学校だったから、クラスを覗きに行ったんだって。
教室からすごい音が聞こえて来た。弟の机は投げ捨てられ、鞄で殴られている。
もうクラス全体が、そう言う雰囲気に慣れてるみたいだった。
「……」
言葉も出ずにSは震えた。
何も出来ずにいったん家に帰って母に報告。
黙認してた教師は左遷され、主犯格の少年の家に怒鳴り込んだらしい。
942 :プリン:2011/05/23(月) 04:00:21.44 ID:1DeR120w0
でもやっぱり子供だから、少年はいじめをやめない。
カケル君はSにかなりなついてるみたいで、Sが嫌な気分になるような事を誰かがすると、
本当にその場の雰囲気が凍りつくというか、カケル君が怒るんだ。
で、暫くS弟についてたから弟にも懐いて、
虐めてた少年が遊具から落ちて大怪我をしたり、雰囲気に耐えられなくなる子どもが出てきた。
根本的な解決にはなってなくて、弟は転校してしまう。
Sの方からカケル君になんとか理解してもらい、今はそんな事ない見たいだけど、
機嫌が悪くなってものを壊す事はあるらしい。
943 :プリン:2011/05/23(月) 04:06:12.12 ID:1DeR120w0
S弟の話は以上です。短いですけども。
覚えてる範囲で、答えれるとこは質問にでも答えて行こうかと思ってます。
944 :プリン:2011/05/23(月) 04:16:03.35 ID:1DeR120w0
Aの旅行の話
Aは目がすこぶる悪い癖にメガネを掛けない。
本人曰く、「目が濃いから、メガネまでかけると顔がやかましくなる」との事。コンタクトは怖いと言う。
Aは、高校の友達と九州に行く事になったらしい。
高速を連続して走る車の助手席で、暇なのでAと友達はクイズをだしあっていた。
連続したトンネルを走っている時に、Aが左の路側帯に目をやると、
腰に手を当て、人差し指で地面を指差す人が立っていた。
「今へんなおっさんいたよな?」とAが言うが、
「見てねぇよw事故るから怖い事言うなw」と一蹴されてしまう。
945 :プリン:2011/05/23(月) 04:24:16.41 ID:1DeR120w0
「んだよ…俺だけ怖いじゃねぇか」
そんなこんなでその時の旅行は終わった。
んで去年、Aはその時の友人に会うために、同じ道を通り高速を飛ばして居た。
友人が仕事の関係で九州配属になったのだ。
「あぁひまだなぁ」
なんて独り言を言いながら走り続ける。
「この辺か……」
以前の旅行で人を見た処に差し掛かる。チラチラ脇見運転をしながら通り抜けてしまった。
「あれ…居ない」
そりゃそうだ。何年も同じ場所に人が居る方が怖い。
947 :プリン:2011/05/23(月) 04:29:48.36 ID:1DeR120w0
いや、まてまて。見えるはずが無い。メガネ掛けてなかったもん。
Aはメガネを掛けていないと、対面に居る人の表情さえわからない。
気付いた瞬間寒気がして、
「パーキング……なんkmだ?」
丁度近場にあったパーキングに入り、急いでSに電話する。
「おい、S?いま俺の居るとこ見える?」
『ばっちりよー。人が沢山車が沢山ネー』
Sはなぜか酔っていて、当時彼女の中ではやっていたフィリピン人のモノマネで電話を受けた。
948 :プリン:2011/05/23(月) 04:37:13.74 ID:1DeR120w0
「へぇ?」
Aが入ったパーキングは、トイレと電話しかなく、車も3台程しかなかった。
『どこ見てんの?お前の後ろだよ』
すぐに車に乗り込み、パーキングを抜け出す。
「うぐぐ…」
Aは出来る限り運転に集中し、高速を降りて少しでも明るい処へ向かおうとした。
が、へんな集落に入り込んでしまい、カーナビには見た事も無い記号がてていた。
「あぁ、終わった」
Aが何かの覚悟を決めると、電話がなりだした。Sだ。
『うそうそ!ごめんよーw』
「おまえ!車乗ってる時はだめだってあれほ」
『ほれほれ、そんな事より運転に集中だ』
949 :プリン:2011/05/23(月) 04:51:35.08 ID:1DeR120w0
『次右。んで真っ直ぐ。もうすぐ抜けるから大丈夫』
酔いの冷めて来たSが、たんたんと言う。
『よしよし、後少し。つぎひだりねー』
「なんでだよ?ここ真っ直ぐいったら抜けれるじゃないか?」
『良いから』
ドスのきいた声で言う。
何とか謎の集落から抜け出した。
『奇跡的に運のない男だね!帰りは同じ道使うなよ』
「トンネルの事?集落のこと?パーキングか?」
『全部だよ』
Sが早口で言った。
帰りは来た道を避けて全部下道で帰ったお陰で、ガソリン代がえらいことになったらしい。
回り道をしたのは、ついて来てる人を減らす為。
明るく電話に出たのは、カケル君が怖がっていたからだった。
Aから電話があった時点で、カケル君に出るのをとめられたらしい。
950 :プリン:2011/05/23(月) 05:00:38.26 ID:1DeR120w0
SがAの家に来た時の話
ほんの数日前の話
Sが1人でAの家に来ると言う。血はつながってないのに変な話だが、親戚みたいな扱いだった。
で、『21:00につくから迎えに来てねー』とSからメールがあったので迎えに行く。
俺たちが住んでる団地から駅に行くには、橋を渡るか神社の前を通らなければいけない。
Cが死に、Bが自殺した場所だ。
あいつら元気なのかなぁなんて、死んだら元気も糞もないが、Aはぼんやり考えていた。
駅に着くとSが手をふって居る。
「たばこくせぇ!」
開口一番不機嫌だ。
952 :プリン:2011/05/23(月) 05:10:44.65 ID:1DeR120w0
どうするかな、Sには黙っとこう。
AはSに、病院で俺たちに降りかかった事、BとCが死んでしまったことを何も説明していなかった。
隠してもバレるだろうが、出来るだけ普段通りのテンションで、その日は橋を渡る事にした。
「あのあれよ!あっ…あっ……って声!あんなの目の前に居たら失神しちゃうね!」
最近見た呪怨の話でSが盛り上がる。
「おしいれあるでしょ!Aの部屋!絶対あそこで寝たくないw」
何事もなく橋を渡り終え、コンビニによる事にした。
「ただいまって何なの?」
Sが悲しそうに言う。震えて居る。
「なんであんなに必死に。Aに言ってたよ?」
Sが泣き出し、Aも泣き出してしまう。
「ごめんな、B。でも、俺たちじゃ何も出来ないんだよっ…」
953 :プリン:2011/05/23(月) 05:26:55.22 ID:1DeR120w0
Bの姿こそ見えなかったが、橋を渡っている中、ずっと囁くように「ただいま」と聴こえた。
観念して、Aは事のあらましをSに告げた。
「やっぱり、あの時のカクカクが関係あるんだね」
「Aが自分でいったとおり、ほんとに何も出来ないよ。
実際あたしもあれを見て何かわかンなかったし、よく同じ目に合わなかったと思うよう。
正直ね、今日この街にくるのもちょっと気が引けたよ。
カケル君がさ、いつも付いて来てたんだけど、二度と行きたくないって」
この時Sに漏れ、俺たちの計画は頓挫した。
Sが来た目的はそれだったらしい。
おしまい。
怖くもないし面白くもない話に、長々とお付き合いいただきありがとうございました。
また機会があれば、別の話を投下させていただきます。
ありがとうございました、さようなら。
956 :934:2011/05/23(月) 05:32:54.44 ID:zI03wUbW0
おつ おもしろかった
>天井まで身長が届いて
というのは、首でも吊って身長が伸びてたのかな?
つか名前w
958 :プリン:2011/05/23(月) 05:42:05.33 ID:1DeR120w0
自身の体験も含め、全部のSの話を鵜呑みにはしてないです。
彼女盛ってる部分もかなりあるんでしょうが、
居場所当てられたり、何してたか言い当てられると、
あながち全部が嘘な訳では無さそうなんで半信半疑ですねw
>>956
ありがとうございます。
その女なんですがね、何かホラーDVDで見たやつの劣化版みたいな感じらしいです。
Sが内容うろ覚えで、名前を呼ばれたら返事をしなければならず、
返事をしないとでかい女が部屋に立ってるって感じだそうです。
959 :本当にあった怖い名無し:2011/05/23(月) 05:44:31.29 ID:eMz4Slzu0
>>958
ああ、新耳袋のやつか
960 :プリン:2011/05/23(月) 05:47:50.19 ID:1DeR120w0
>>959
あぁ多分それです、あそこまで強そうではなかったみたいですね。
961 :本当にあった怖い名無し:2011/05/23(月) 05:59:17.49 ID:X1tMenDd0
>Sが昔山に行ったときついて来た幽霊『カケル』くんが居る。長くなるから詳しいとこは省くね。
>んで、S家までついて来て、普通にみんなカケル君を認めて暮らしてるそうだ。
みんなってSの家族?
みんなが認めてる理由って例えば、
Sが学校に行ってるときに、家で母親や父親などがしていた事を、
Sが知りえるはずが無いのにSが見事に言い当てたから、みたいな?
964 :プリン:2011/05/23(月) 06:49:19.08 ID:1DeR120w0
>>961
認めている『みんな』はS家の人々です。
ポルターガイストやら、単なる霊現象なら誰も信じなかったでしょう。
おっしゃる通り、知り得ない情報を得て居ることが多いです。
正面の家の幼児虐待も見抜いて通報した事があり、虐待を受けていた子どもは死なずに済んだそうです。
信用に足る一番大きな出来事が、S弟の虐め発覚でした。
本当に明るい子で、家族は全く気づけなかったほどです。