371 :本当にあった怖い名無し:2018/02/10(土) 09:49:32.61 ID:zyh5U9V60.net
山にまつわる…であってるのかなんだけど、舞台は山だからご容赦を。
年代と性別に多少のフェイクが入ってます。
自分が小学低学年の頃、今から35年ほど昔。
住まいは都内城南地区。
自営の我が家だった為、家には仏壇と神棚はあって毎日お参りはしていたけど、
特に宗教を特に信仰していたりってのは無い家庭だった。
ある日の休日、母が朝食の時に不思議な夢を見たと話し出した。
首都圏内の某山の上に、朽ちかけた祠があり、そこから声がするという。
声の主は神様?仏様?分からないけど人のような形で、右肩から血が出ていた。
痛くてどうしようもないから治しに来て欲しいという。
自分も父も、夢を見た母自身もなんのこっちゃだったんだけど、やはり気になると。
休みにしては珍しく早起きしたので、じゃあドライブがてらそちらの山のほうに行ってみよう!
何もなかったら近くの牧場でも行けばいいしね、となり出発。
372 :本当にあった怖い名無し:2018/02/10(土) 09:50:17.63 ID:zyh5U9V60.net
到着して、遊歩道を歩きながら進んで行くと、母が声を上げた。
見ると夢に見た小さな祠と同じだと言う。
誰も手入れをしていないようで、ボロボロになって、中には小さなお地蔵さん。
やはり肩のあたりががっつり破損していた。
しかし治すなんて言ってもどうしようもない。
仕方ないから祠の上には大判のハンカチを掛け、飛ばないように石を乗せ、
お地蔵さんには手ぬぐいを巻いて手を合わせ、どうしたもんかと考えた。
近くに知り合いもある訳でないから、困ったんだけど、とりあえずまた来ますとお地蔵さんに伝え下山。
車に乗ろうとしたとこで、地元の人っぽいおっさんに会う。
意を決して声を掛けて、夢の話とここであったことを伝えると、
おっさんはびっくりしていたけど、信じてくれて、じゃあ町会?だかに話しておくと言ってくれたので、お礼を伝えその場を離れた。
数ヶ月後、またドライブがてら様子を見に行ったら、祠は綺麗に屋根をつけてもらい、お地蔵さんも治療してもらってた。
綺麗なお花やお茶も供えられていて、誰かがちゃんと管理してくれてたみたい。
また下山すると、あの時とは別の地元のおばあちゃんがいたので、父が話を聞くと、おっさんがすぐに話して祠も直してくれたみたい。
地域の人が山菜取りやらなんかの時に、ついでだからねぇってお参りもしてくれるようになったとか。
ただそれまでそんなとこに祠があるって誰も知らなかったとか。
そんな奥まったとこでもないし目立つのにねぇって、地域の人達も不思議だったとか。
また行きたいけど、母も詳しい場所を忘れてしまったし、父ももういないのでもう行けないけど、
あのお地蔵さんが今でも大事にされてたらいいんだけどな。