名作・神スレ

やる夫はアフリカで奇跡を起こすようです その8(最終回)

※完結編です。

やる夫はアフリカで奇跡を起こすようです その22 緑の革命

631 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:30:22 ID:FUjsCFx20

人類がこの地球の覇者となった要因の一つに「農耕」があることを、
否定する者はいないだろう。

農耕、とくに穀物農耕により大量の食糧を安定して供給することに成功したことで、
人類はその数を増やし、
さらに食糧獲得以外の事柄へと労働力を振り向けることができたのである。

632 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:30:22 ID:FUjsCFx20

しかし食糧供給の改善には、
植物自体の選抜および改良が不可欠となる。

どの作物も、原種のままではろくに食えたものではない。
いや、食えることはもちろんなのだが、
収量が低かったり味がまずかったり可食部分が小さかったりして、
あまり役に立たないのだ。

こうして、人間の手による品種改良が行われることとなる。

633 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:33:25 ID:FUjsCFx20

どこぞのまおー様

大麦・クローバー・小麦・カブの
輪栽式農業を採用し、
囲い込みを行って耕地を広げ効率化する!

トウモロコシやジャガイモ、その他新作物の栽培、
肥料の投入や科学技術の応用も必要だな!

品種改良と同時に、
農法自体の改善も行われていた。

とくに18世紀のイギリスではじまった農業革命は、
ヨーロッパ諸国・北アメリカ・日本へと伝播し、
大量の食糧余剰と、農村における余剰人口を生み出す。
これらが都市へと流れ込むことで、
産業革命が引きおこされたのだ。

しかしこの成果は、日本を除くアジアやラテンアメリカ、
そしてアフリカにはそれほど普及しなかった。
このため、これら諸国においては食糧増産は緩やかなものにすぎなかった。

しかし…

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636 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:36:49 ID:FUjsCFx20

農学者 ノーマン・ボーローグ

マンマミーア!
画期的なコムギの新品種が開発できたぞ!

こいつを普及させれば、
世界の食糧事情は大きく好転するはずだ!

緑の…革命だ!

1962年、アメリカの農学者ノーマン・ボーローグが、
日本のコムギ「農林10号」と収量の多い小麦をかけあわせ、
大量の肥料使用に耐えうる画期的なコムギ品種を開発する。

この成果はすぐにほかの2大穀物…コメとトウモロコシにも応用され、
さらに各国での食糧増産を目指して発展途上国への普及がはかられることとなった。

「緑の革命」である。

637 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:39:20 ID:FUjsCFx20

緑の革命の根幹は、
肥料の大量投入によって収穫を激増させることである。

638 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:42:24 ID:FUjsCFx20

【誤った肥料投与の例】

ただし、ただ肥料を大量投入するだけだと、
実は多くつくのだが茎も伸びてしまう。
こうなると、実の重みに耐えかねて茎ごと倒れてしまう。
倒れてしまった穀物は当然収穫できないので、肥料分だけ損になる。

641 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:46:19 ID:FUjsCFx20

これを解決するには、あらかじめ茎が短く頑丈な品種を選抜すればよい。
茎が短ければその分安定性が増すので、倒れる率が低くなる。
また、台風や干ばつなどのことを考えると、
なるべく短い期間で収穫できたほうが危険性は減る。

つまり、収量が多いのは前提として、
「短稈性」「早熟性」の二つが緑の革命を成功させるカギになる。

ひらたくいえば、品種ごとロリ巨乳にするわけである。

642 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 19:49:20 ID:CjVVJMas0

ひらたくないwww

644 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:49:36 ID:FUjsCFx20

アジア諸国

645 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:50:01 ID:FUjsCFx20


  
ラテンアメリカ諸国

我々もさっそく、
新農法を
導入しましょう!

アジアやラテンアメリカ諸国は、この話にすぐに飛びついた。
農業が主力産業であるこれら諸国において、
農業生産性の向上はそのまま税収増につながるのだ。

650 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:53:38 ID:FUjsCFx20

えー、てなわけで、

農務省を中心として
新品種と新農法の普及を図ります。

農業試験場で、
新品種・新農法の
ローカライズを図りましょう。

新品種の無料配布や
新農法指導員の派遣、
肥料購入に
補助金を出すのもいいですね。

政府が主体となり、
新農法・新品種の普及は急速に進んだ。

654 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 19:57:02 ID:FUjsCFx20

地方豪農のみなさん

政府の支援を受けた地方農民は、
収量の増加を確認すると積極的に新農法の拡大に努めるようになった。

655 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:00:41 ID:FUjsCFx20

こうして途上国に導入された新農法・新品種は、
あっというまに収量を激増させ、
医療の進歩による急速な人口増加をとにもかくにも支えることに成功する。

アジアでもラテンアメリカでも、土地生産性が軽く2倍以上に跳ね上がっているのである。

しかし、この成果はアフリカには全くもたらされなかった。
それは、なぜか。

657 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:03:41 ID:FUjsCFx20

アメリカ

よーし、オラガンガン投資して、
コムギやトウモロコシの
品種改良すっぞ!

日本

コメは国家だし!

ガンガン投資して、
質のいいコメを作るし!

もともと、作物の品種改良などに国力と技術力を割ける国家はさして多くはない。
共産圏を除くと、20世紀後半でこれができる国家は、
アメリカ・ヨーロッパ諸国・日本、あといくつかの中堅国家くらいしかない。

そしてこれらの国家が力を入れたのは、
もちろん自国で需要の高い作物だった。

自国で使い道のない農業技術に投資する国家などない。
日本でコメの品種改良とナツメヤシの品種改良、
どちらに需要があるかを考えればすぐわかる。

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658 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:07:21 ID:FUjsCFx20

え、トウモロコシって飼料用だろ!?
食用トウモロコシの改良ったって、
オラ知らねえぞ!?

659 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:07:51 ID:FUjsCFx20

…え、ソルガム(モロコシ、コーリャン)!?

確かに日本に伝わってきたのは古いけど、
ぶっちゃけもう誰も作ってないし!

需要がないから研究もないし!

逆に言えば、先進各国と違う農業体系を持っている場合、
緑の革命の恩恵が受けにくい。

なにしろ、ろくに研究されていないのだから。

つまり、西洋系の主穀であるコムギ、東洋系の主穀であるコメ、
飼料として高い価値を持つトウモロコシ、
それに各国で利用される園芸作物や工芸作物。

それ以外の改良は、進んでいないのだ。

662 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 20:10:24 ID:TSvV9CP60

バナナ、ジャガイモでさえ品種の系統把握してないもんな

666 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 20:12:24 ID:whYQKOtM0

>>662
バナナ、主食用があるって事すら知られていない場合も多そうだよね。

668 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 20:14:26 ID:tVaOIXo20

>>662
ジャガイモなら、ヨーロッパでも救荒作物としてそれなりの需要があったはずだけど
(アイルランドやドイツなど)、これも緑の革命以後は改良が滞ってるの?

ジャガイモは結構進んでるはず。
ただ、ラテンアメリカはともかく
アフリカではジャガイモってあんまり育たないんです、気候的に。

664 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:10:58 ID:FUjsCFx20

そしてアフリカ諸国の主穀は、
先進諸国にとってはあまり経済的価値のないものが多かった。

ソルガムは飼料用やシロップ用の需要が高いのでアメリカで改良されたが、
それは食用には使えない。
食用ソルガムなど必要としている先進国が存在しないのだ。

667 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:13:37 ID:FUjsCFx20

1UP失敗しちゃったよー!

同じことはトウモロコシにも言える。
トウモロコシは緑の革命でも最も生産性が伸びた作物の一つだが、
それはあくまでも「ただし飼料用に限る」がつく。
飼料用トウモロコシは食用にも使えるのだが、
甘みが強すぎて主食にはならない。
そして主食用トウモロコシを必要としている先進国は、やっぱり存在しない。

ソルガムやトウモロコシのような栽培量の多い作物ですら、こうだ。
フォニオやテフのような栽培量の少ない作物はいうまでもない。

つまり、アフリカが必要とする穀物において、
「緑の革命はいまだ起こっていない」のだ。

676 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:17:56 ID:FUjsCFx20

このAAみたいな
区画整理とかね

とはいえ、コムギはともかくコメはアフリカで主食にしている地域も多いし、
「各作物に共通した農法改善」というものは、
ないわけではない。
農薬や肥料、科学的農法、機械化。
そういったもので今までより収量を増やすことは、
できないわけではないのだ。

それではなぜ、アフリカでは緑の革命が起きなかったのか?

683 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:22:09 ID:FUjsCFx20

ここでアフリカ諸国の農業データを見てみると、
穀物生産高自体は独立前に比べ、じつはかなり向上しているのだ。
1960年の生産高を100とすると、2000年の生産高は235までのびている。

しかし、この生産の伸びは耕地の拡大とぴったり連動している。
耕地当たりの収穫(反収)は、まったく伸びていないどころか、
農民一人当たり収量は-12.1%の大幅減になってしまっている。

これが何を意味するか。

707 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:56:47 ID:FUjsCFx20

農民単体で緑の革命を導入させるのは、
無理というもの。

政府が適切にサポートして、
はじめて生産が向上するのです。

上でも書いたとおり、
緑の革命を行うには、
その土地の政府の支援がどうしても必要不可欠になる。

新農法をその土地になじませるにも、普及させるにも、
政府の協力があって初めて可能になるのだ。

708 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 20:58:41 ID:N6tT04Dg0

政府の適切なサポート……あっ(察し)

709 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 20:59:21 ID:FUjsCFx20

農業に投資して、
なんになるでおじゃる?

農村から税収など、
ほとんど上がらぬではおじゃらぬか!

しかし以前も書いたように、
ほとんどのアフリカ諸国の政権は都市と、鉱山のある国は鉱山を基盤とし、
農村を非常に軽視していた。
政権の基盤が農村になかったのである。

712 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:02:50 ID:3fJPrUf60

なるほどね……そりゃ農業成長なんぞ望めませんわ……

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711 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:02:46 ID:FUjsCFx20

食糧価格に補助金を出し、
安価に抑えるのじゃ。

都市住民が飢えに苦しんでは、
政権が危なくなるからのう。

むしろ、アフリカ諸国の政権基盤は基本的に都市にあるため、
各国は食糧価格を統制し、
都市民および鉱山労働者が安く食糧を入手できるよう気を配った。

都市民が食糧暴動など起こしたら、
政権が一発アウトになりかねないからである。

713 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:06:10 ID:iw2lT6FA0

食料を安価にするために増産…という方向にいけばよかったのに

714 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:06:10 ID:FUjsCFx20

農民A

政府の支援がない以上、
新品種や肥料に多額の投資はできない。
食糧価格だって低いしな。

既存の農地の収量を上げるメリットがないんだよ。

しかし、この食料安価政策は、
国内農業に多大な悪影響をもたらした。

食料価格が低く、
さらに国内に肥料工業が成立していないために肥料価格が高い。
政府が支援策をとっていないため、新品種・新農法の入手が難しい。
生産した作物を輸送するにも、インフラが整っていないためコストが高くなる。

このため、自分たちの消費分とわずかな余剰分以上に食糧を生産することが、
コストに見合わなくなってしまったのだ。

717 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:09:30 ID:FUjsCFx20

ゲームクリアを目指して死んだら、元も子もない。

むしろ、クリアにそれほど
労力をかけられる奴のほうが
少ないと思うべきだ。

どの国の農民であろうと、
「自分自身の利益を上げるため」に行動することに違いはない。

アフリカで農地の反収が上がっていないのは、
「そうすることが農民にとって最も利益となる」からこそ、そうなっていると考えるべきなのだ。

そして政府の支援がない以上、
アフリカの農民は新農法に投資するリスクをとることができなかった。

720 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:12:34 ID:FUjsCFx20

農民Aの妻

じゃあどうするの、キリト君?

721 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:15:00 ID:FUjsCFx20

アスナ…

えっ

724 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:17:27 ID:FUjsCFx20

パパとママは隣の部屋に行ってしまいました

なにをしているんでしょう

結局、この状況において農民が選択したのは、
「従来のやり方を続ける」ことだった。

自給分とわずかな余剰分を生産し、
それ以上を望む場合は肥料や農法への投資ではなく、
自らの家族を増やし、その労働力を新規農地開拓へと振り向ける。

それが農民個人にとって、もっとも合理的な判断だったのだ。

725 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:19:56 ID:whYQKOtM0

マンパワー確保して物量作戦、維持できるなら間違っちゃいないもんなぁ。

726 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:20:20 ID:TJoBQsiw0

そうなればひたすら土地を使い潰すくらいしかないよなぁ

731 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:22:23 ID:FUjsCFx20

倫理コード解除しすぎでしょ…

そして、これは全世界的な傾向だが、
植民地時代以降、衛生知識や医療の改善によって、
乳児死亡率が急速に改善した。

結果、多産多死状況だったのが、
死ぬほうだけ少なくなり、人口が急速に増加した。

729 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:22:11 ID:Fclip36s0

今まで謎だった人工爆発の理由が今明らかに・・・

知りたくなかった

この行動そのものは全く従来通りなんです。
むしろ、731の死亡率改善がでかかった。

735 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:26:20 ID:d9qgJ88E0

産めよ増やせよってか。
でも肝心の生産効率は改善してないし土地の面積に限りは・・・

736 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:26:28 ID:FUjsCFx20

そして増えた人口は農民たちのもくろみ通り、
新規農地開拓へと振り向けられた。

こうして、耕地面積は急速に拡大した。

738 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:29:23 ID:FUjsCFx20

しかし、そういった遊休地がこれまで農地に利用されていなかったのには、
もちろん理由がある。

地味が痩せていたり、降水量が少なかったり、水が得にくかったり。
そういった不都合があるからこそ、今まで放置されていたわけである。
そんな土地まで人口増加によって無理に開墾することになったのだ。

さらに、もちろん土地は無限ではない。
人口の急速な増加によって、可耕地が耕しつくされ、
80年代に入ると農地拡大がどこの国でも頭打ちになる。

「土地」という限られたリソースの奪い合いに近い状況になってしまったのだ。

739 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:31:15 ID:0sSzEado0

焼畑農業も人口爆発でサイクル崩れたって言うしな

740 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:32:24 ID:FUjsCFx20

この結果、ひとたび干ばつが起きた場合、
新農地の被害は甚大なものとなった。
もともと条件の悪い土地を無理に開墾しているうえ、
そのリスクを軽減するための新品種・新農法の投入がまったくないのだ。

結果、1980年代にブラックアフリカ全土を襲った大干ばつにより、
各地の食糧生産は壊滅的な打撃を受け、
餓死者が続出することとなった。

745 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:35:34 ID:FUjsCFx20

商品作物

本来なら、こうした状況を緩和するためのものとして、
商品作物の栽培を促進する、という方法がある。

現金収入を確保することで、
その現金で食料を買ってしのぐわけである。

しかし、アフリカ諸国では、
この商品作物生産もほぼすべての国で停滞したままだった。

750 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:38:23 ID:FUjsCFx20

ガーナ大統領 クワメ・エンクルマ

「カカオ流通公社」!

農民の生産する
すべてのカカオを買い上げ、
外国に売却する!

商品作物からの収益はアフリカ諸国の経済の大きな柱になりえるのだが、
どこの国も農村から直接徴税する能力は乏しいので、
これに代わるシステムで徴税の代わりとした。

専売制である。

たとえば、ガーナやコートジボワールの商品作物といえばカカオである。
そのカカオを「カカオ流通公社」以外での売買を禁止し、
農民から安く買い上げ海外に高く売ることで、その差益を政権運営の資金にしたのである。

752 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:41:30 ID:FUjsCFx20

外国商人

うったりかったり どせいさん
かかお を うるます?

この手の作物は、自国での消費がまったくないか、あっても非常に少ない。
外国に売ることによって、初めて利益を得られる作物だ。
逆に言えば、外国との交易上の要地にだけ組織をめぐらせておけば、
割と簡単に収益があげられる。
関税と同じで、取りやすい税収(税ではないが)なのだ。

直接徴税が難しいので、代わりに流通を握ってそこで利益を得たわけである。

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755 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:44:18 ID:FUjsCFx20

イギリス政府

なかなか価格設定も難しいわねー。

まあ、買いたたきすぎて
生産意欲を失われても困るし、
買取価格を高めにして
経済成長を促しましょうか。

このやり方自体は、植民地時代からほぼ続いている。
ガーナを植民地としていたイギリス政府も、このやり方をとっていた。

ただ、この公社が設立される頃には
過去に痛い目にあって学習したイギリスは、そんなに無茶な買取をしないようになっていた。

英領時代の1949年、
ガーナのカカオ農民から公社は世界価格の89%でカカオを買い取っていた。
税率にすると11%。一公九民である。

756 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:44:20 ID:Fclip36s0

ここで「チョコやココアの商品化」と行かないのがアフリカ
縁もゆかりも無いのにやっちゃうのが日本

カカオは結構高度な加工がいるので生産国加工はしないんですが、
綿や鉄なんかだとそれを狙って工場を立てた国は結構ありますよ。

…ボツワナにダイヤ収入が来た回で説明したとおり、
一つとしてうまくいきませんでしたが。

758 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:46:05 ID:ToiyHsK.0

加工すれば高くなるだろうけど、それだってノウハウや設備投資が必要だしね

766 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:49:40 ID:TJoBQsiw0

とんでもない油分が多い上に、カカオの粒子をクッソ細かくしないといけないから
普通の製粉ラインみたいなイメージだとダメなんだっけ…

767 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:49:54 ID:FUjsCFx20

カカオ生産地域は、
国内他地域に比べ明らかに開発が進んでいる!

不均衡を是正するため、
カカオ栽培地域から得た資金で
貧困地域の開発を進めるのだ!

しかし独立すると、
初代大統領のエンクルマはカカオ買取価格を大幅に引き下げた。
ここで大きな利益を上げ、開発事業の資金にしようとしたのである。

まずいことに、カカオ生産地域はエンクルマの政敵の地盤であり、
ここから搾取することにエンクルマは何のためらいもなかった。

エンクルマ失脚後も、後継者たちは同じ政策を続けた。

773 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:53:47 ID:FUjsCFx20

国内通貨

さらに、買い取りは当然国内通貨で行われるのだが、
この通貨価値が暴落したうえ、
さらに公定レートと闇レート(実勢レート)が大きくかけ離れてしまった。

政府の買取は公定レートで行われるのだが、
公定レートと実勢レートの差は数十倍にも開いている。

つまり、公定レートで買い上げるということは、
そのまま数十分の一に買いたたくことを意味していた。

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780 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 21:56:26 ID:FUjsCFx20

頑張って生産して、
利益が消費税分しかないとかどういうことなの…

結果、とんでもないことになった。
1983年、ガーナのカカオ農民から公社がカカオを買い取っていた実質価格は、
世界価格の6%である。
実質税率にすると、まさかの94%。九公一民よりさらにひどい。

786 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:00:25 ID:FUjsCFx20

あたりまえだ

当然ながら、カカオ生産農家のほとんどは生産を放棄し、
自然にできた分だけを売るようになった。

ここほどひどくはないにしろ、
たいていのアフリカ国家でこれに近い状況は起こっていた。

775 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:55:41 ID:3fJPrUf60

そこから児童労働とかにつながっていくわけか……

776 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:55:48 ID:0KEuaHC60

貧困・飢餓輸出待ったなし

783 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:58:26 ID:0sSzEado0

せっかくの特産物を潰す気まんまんにしか見えない…ガタガタ

784 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:58:56 ID:.8jjE3yI0

九公一民とか畑放棄して武装闘争始めても許されるレベル

785 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:59:25 ID:Btz9ip9M0

耕作放棄されちゃう…………

781 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 21:56:51 ID:CQEa3wCo0

コーヒー値段の釣り上げを狙ってなのか同じような事をエチオピアかどこかの地方政府がつい最近やってたな……
確かコーヒー豆の加工工場を地方政府指定のものに限定するだとか

農場単位でのコーヒー売買が禁止されるからわざわざ高級路線で少量生産して海外と取引してた農家が潰されかねないんだよ畜生

791 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:04:58 ID:FUjsCFx20

作者にも存在を忘れられていた、
解説の高良みwikiです。

ガーナの名誉のために申し添えておきますと、
1981年に成立したクーデター政権が
さすがにこの事態の改善に乗り出しまして、
現在では普通に利益の出るくらいには改善されているようです。

795 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:07:15 ID:TJoBQsiw0

まぁそうでもなかったら国名がチョコの商品名になるくらいの一大生産地にはなっとらんわな

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796 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:07:02 ID:FUjsCFx20

こうして、1980年代には商品作物の生産はむしろ減少傾向に入る。
その代わりに増えたのが、…自給穀物生産である。
1980年代に入ると、耕地面積は拡大していないのに食糧生産の面積が急拡大しているのだ。
これは、飢饉と商品作物の不振により、
これまで商品作物の畑だったところまで穀物生産に振り向けられたということだ。

799 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:10:56 ID:FUjsCFx20

毎日キリト君とごはんが食べられれば幸せ

800 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:11:17 ID:FUjsCFx20

と、都市の分の食糧が

入ってこないでおじゃるよ!?

しかも、そこまでやってなお、国全体の穀物自給は達成できなかった。
農民が自分の手元の分だけしか生産しないので、
いくら農民と耕地が増えても都市にそれほど回ってこないのだ。

801 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:12:39 ID:TJoBQsiw0

そりゃ余剰作ったって儲かんないんだから作るわけないわな

805 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:16:03 ID:tVaOIXo20

こんな状況では都市の分の食料は、最悪輸入に頼らざるを得んよな。
でも食料の輸入には当然外貨が必要。

外貨収入の稼ぎ手が商品作物頼りだと、たちまち現政権が行き詰まってクーデターだろうけど、
鉱物資源頼りならまだましだろうな。

そういうことです。
少ない外貨を、よりによって自国で生産できるはずの穀物の輸入でつぶしちゃってるんですよね。

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802 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:13:32 ID:FUjsCFx20

農村から十分な食料が入ってこないため、
都市部は海外から食糧を輸入するようになった。

他国では緑の革命が順調に進展しているので、
穀物価格が安価になっている。
これを輸入することで、都市部は食いつないだ。

多くが輸入品である小麦やコメの普及も進んだ。

804 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:16:03 ID:FUjsCFx20

どうしよう、
干ばつのせいで明日食うものがない…

こうなると逆に、
干ばつが起きても都市部にはそこまでの被害はなくなる。
もともと食料を輸入に頼っているので、
国内で不作でもそんなに困らないのだ。

むしろ、干ばつは地方農民を直撃した。
それほど資金と労力をかけずに少ない収穫を得るという方法のため、
自然環境がすこし変化するとすぐに大減収となってしまうのだ。

食っていけなくなった地方農民は都市へと流れ込み、
ここで都市貧困層にも飢饉が初めて拡大する。

809 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:18:27 ID:FUjsCFx20

こうして、「アフリカの食糧危機」が、
数年ごとにニュースをにぎわすこととなる。

アフリカ諸国の農民比率は、平均して60%以上にものぼる。
どうみても、たいていの国で最大の産業である。

それにもかかわらず、実はアフリカは穀物自給ができていない。
それどころか、アフリカ全体の穀物輸入は
世界最大の穀物輸入国である日本を大幅に上回っているのだ。

労働人口の60%を占める主要産業をまるで改善していないのだから、
当然経済も伸びるはずはなかった。

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812 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:20:24 ID:FUjsCFx20

で、ブラックアフリカにおいて農業で成功した国家はないのかというと、
実は三つある。
南アフリカ、ローデシア、そしてモーリシャスである。

817 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:23:21 ID:KoM/WvQc0

またモーリシャスかwwww島じゃないのか

819 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:23:37 ID:TJoBQsiw0

モーリシャスのサクセスストーリー改めてマジパネェ

816 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:22:34 ID:KdxKRDUc0

ローデシアもか。
何か不毛の地のイメージがあったんだが。

820 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:24:02 ID:FUjsCFx20

南アフリカは、
反収が低い代わりに広大な土地でコストをかけずに収穫する道を選んだ。
アメリカ型の農業である。

823 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:25:21 ID:FUjsCFx20

ローデシアは逆に、
そこそこの広さの農地に労働力や肥料を集中的に投入して、
反収を上げる道を選んだ。
ヨーロッパや日本型の農業である。

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824 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:27:23 ID:FUjsCFx20

農業の生産性を上げれば、
わが軍はあと10年は戦える!

白人大農園主

政府がどんどん支援してくれるから、
いくらでも反収が上がるわぁ!

ローデシア白人政権はあらゆる意味で問題の多い政権であったが、
農業育成にはことのほか力を入れていた。

周囲の国すべてと敵対する状況下においては食糧自給は何よりも重要だったうえ、
ローデシアはもともと農業移民による農業植民地である。
農業こそが主要産業なのだ。

このため、政府は農業支援に力を入れ、
ローデシアだけ緑の革命が起こったような状態となった。

この強力な穀物生産能力はジンバブエになっても保持され、
ムガベが白人農園主を追い出すまでジンバブエ経済の牽引車となっていた。

827 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:28:40 ID:tLGKPZts0

食足りてこその安定じゃ

828 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:30:33 ID:fJYRdog60

南アフリカもローデシアも南部で寒いからヨーロッパの農法が輸入できたのかな?

826 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:28:33 ID:TJoBQsiw0

ムガベがとりわけ有能だったんじゃなくて
それ以前から基本的に農業重視路線だったわけね

ムガベが大飢饉を阻止できたのは、
それ以前のローデシア時代に成立していた農務官僚や農業行政をうまく引き継ぐことができたからですからねえ。

830 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:31:23 ID:FUjsCFx20

国土の狭いモーリシャスにおいて
農業を産業として残すには、
現在競争力のある分野に集中するしか
道はないでしょう。

サトウキビと茶のプランテーションの拡大を。
労働者の食糧は輸入で賄いましょう。

そしてモーリシャスだが、
ここは完全にプランテーション農業一本に絞る決断をした。

穀物生産を完全に放棄したのである。

831 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:33:11 ID:RdKVnINU0

まあ、クソ狭い島国で穀物生産とか不可能だよね常識的に考えて

832 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:33:29 ID:TJoBQsiw0

基本はサトウキビ生産一本勝負だったわけだし
構造として見れば大転換ってくらいでもなかったのかな?

833 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:35:47 ID:FUjsCFx20

誤解されがちだが、
ほとんどのアフリカ諸国はモノカルチャー農業ではない。

1997年、
農業総生産額の20%を占めていた商品作物は、
ベナンの綿花、コートジボワールのカカオ、モーリシャスとスワジランドのさとうきび、
それにジンバブエとマラウイのたばこ。これだけである。

耕地面積でも、やはりたいしたことはない。
耕地の20%以上を占めているのは、
ベナンの綿花、コートジボワール・ガーナ・赤道ギニア・サントメのカカオ、
それにモーリシャスとスワジランドのさとうきびしかない。
経済でも農地でも、商品作物生産は大した割合を持っていないのだ。

835 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:37:09 ID:KdxKRDUc0

へえええ。
凄く意外。

838 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:37:27 ID:d9qgJ88E0

モノカルチャーが行われたのは南米とアジアだな
アフリカはそれすら出来ない土地だった・・・

841 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:38:21 ID:TJoBQsiw0

まぁモノカルチャー以前に自給自足型になっちゃったところも多いみたいだしなぁwww

そうなんですよね。モノカルチャーまでたどりつかなかった。

836 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:37:16 ID:VXmVwbfA0

植民地時代の生産体制を引き継いでモノカルチャー農業やってると思い込んでたわあ

ぶっちゃけた話、
政府がアフリカ人化されて鉱山が国有化されて、
農園だけ無事に済むわけはなくてですね。

結構取り上げられたり、白人が逃げ出しちゃったりで。

849 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:42:37 ID:VXmVwbfA0

てことは、商品作物農場は国有が多い?

社会主義を目指した国だと国有。
ケニアあたりだと自作農に農地払下げてますねえ。

まあ、商品作物生産全体ということであれば、
自給農家が兼業でやってることが多いです。
ガーナやコートジボワールなんかまさにそれ。

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851 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:42:58 ID:TJoBQsiw0

結局モノカルチャー農業に移行するには
・行政の後押し
・大地主など地方有力者の存在
・マンパワーの集約
みたいな条件が必要なのに、
・行政の地方切り捨て
・白人農場園主の追放
・市場暴落による意欲の低下
みたいな真逆のことやっちゃったから、ってことでしょうね

855 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:46:12 ID:HjMD368I0

いかに俺の今までの農業観、アフリカ観がデタラメだったかがよくわかるなあ
それなりに教科書とか、まじめに読んでたつもりだったのに。

839 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:37:39 ID:FUjsCFx20

麻呂たちはもう、
ZIPどころかJPGしか売るものがないでおじゃるよ…

これに対し、輸出はかなりの国において商品作物が50%を超えていたりする。
ブルンジに至っては、総輸出額(農業輸出額、ではない)の88%がコーヒーである。
これは上で書いた変化のあった1980年代以降でさえ、そうである。

これがどういうことかというと、
ほかの産業があまりにもパッとしないため、
まだ競争力のある商品作物しか売るものがない、ということなのだ。

848 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:42:18 ID:FUjsCFx20

そんななか、アフリカ諸国中、
唯一完全なプランテーション国家となったのがモーリシャスである。

2003年の食糧自給率は、驚愕の0.1%。
これは穀物農家がほぼ国内に存在しないことを意味している。

ただし穀物生産性はアフリカ諸国では最も高くなっている。
これは、生き残ったわずかな穀物農家が労力と資金を農地に投入し、
非常に高い生産性を実現していることも意味している。

856 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:46:59 ID:FUjsCFx20

あまーいあまいおさとういっぱい

うれしいかぎりですー

穀物生産をほぼ完全に捨て去ったことで、
逆に砂糖の生産に注力できるようになったモーリシャスは、
その余剰労働力を繊維工業や観光業に注ぎ込んだ。

農業を完全にモノカルチャー化した代わりに、
産業構造自体を多角化したわけである。

そして農業が大規模化・効率化したため、
農家収入が激増し、繊維産業や観光業の労働者とほぼ同じ収入をたたき出すようになった。

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859 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:49:31 ID:FUjsCFx20

なにもかもうまくいくわけないだろ、
常識的に考えて…

さて、ボツワナだが、
ここはアフリカ諸国の中でもさらに農業の失敗の度合いがひどい。

「成長」の章でも書いたが、
ボツワナの土地あたり穀物生産性は、1960年代には1ヘクタール当たり333㎏だった。
これは1970年代になると430㎏まで伸びるものの、
1980年代に入ると236㎏まで落ち込み、以降も減少傾向が続く。
横ばいの国があっても、落ち込む国はボツワナくらいのものである。

このデータが示すことはただ一つ。
ボツワナは、穀物生産を半ば放棄してしまったのである。

861 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:51:00 ID:VXmVwbfA0

そういえばこのスレはボツワナスレだったと思いだした

863 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:52:08 ID:FUjsCFx20

こうなったのには、もちろん理由がある。
ここでVTRを見てみよう。

【再現VTR】第六話「前途多難」

※画像の敵うsとはこちら

これだけやっても、収入がそう増えるわけじゃなし。
行政費のほとんどがイギリスからの援助で、
まともな政府収入は「南アフリカ関税同盟」※から分配される関税だけだお。

ああ、どこからか金が降ってこないもんかなぁ…

※南アフリカ、バソトランド(レソト)、スワジランド、ベチュアナランド(ボツワナ)の加盟する関税同盟。1910年発足。
南アフリカが加盟諸国の関税を代理徴収し、加盟各国に分配する。
これら国家の貿易がほとんど南アフリカを介して行われるために、こんな芸当ができる。

869 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:54:17 ID:FUjsCFx20

牛よりも、さらに財政的に重要なものがある。
そう、「南アフリカ関税同盟から分配される関税」である。

南アフリカ関税同盟は現在でも継続しており、
今年(2014年)で結成104年を迎える。
統合度も非常に高く、域内関税は一切存在しない。

さらに、1980年代以降関税分配率は大きくボツワナ、レソト、スワジランド側に有利な率に改定された。
2000年代に入っても、ここからの関税はボツワナ歳入の15%を占める。
ボツワナ経済にとって、なくてはならないものなのだ。

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872 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:57:14 ID:FUjsCFx20

【SALE中】

しかし、南アフリカは上でみたとおりの農業大国である。
そこから無関税でやってくる穀物に、
砂漠の縁のぎりぎりで農業をしているボツワナが、
かなうわけがなかったのだ。

873 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:57:56 ID:/8LfHFsg0

また南アフリカか

875 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 22:58:46 ID:TJoBQsiw0

アメリカ型大規模農業じゃ単価もクッソ安いだろうしなwww

877 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 22:59:38 ID:FUjsCFx20

こうして、ボツワナ政府は農業支援をほぼ放棄してしまう。
その代わりとして畜産には力を入れたので、
農業は縮小していき、
畜産へと特化していくようになった。

879 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 23:00:31 ID:TJoBQsiw0

やっぱり牛はボツワナに限りますなぁ

880 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 23:01:36 ID:FUjsCFx20

牧童

げいの…いや、牧場で働く夢をかなえられるのは
ひとにぎりなんだよな…

しかし、牧畜は農業に比べて雇用が非常に小さい。
ましてボツワナの牧畜は、乾燥した地域での粗放的なものである。
結果、農業であぶれた人をすべてすくいあげることはできなかった。

こうして、多くの人が都会へと流入する。
2000年には第三次産業人口が59%に達するようになり、
経済は完全に商工業中心へと移行した。

881 :名無しのやる夫だお 2014/02/22(土) 23:01:50 ID:dq4c5cNg0

この状況で南アフリカによく喧嘩売れたなw

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883 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 23:03:43 ID:FUjsCFx20

公共事業のおかげで、
何とか飯が食っていけるっ…!

ここで大きな役割を果たしたのが、公共事業である。
「成長」の回でみたとおり、ボツワナは国家に富がたまっている状態なので、
国民に還元するためにインフラ整備等は積極的に行っている。

農村部においても、この職にありついて食っていけるようになったものは多かった。
これはツワナ人だけでなく、サン人などほかの民族においてもそうである。

885 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 23:05:34 ID:FUjsCFx20

公共事業だけってのは、
ほんとは無理があるんだよなあ…

やっぱり農業がしっかりしてないと、
地方人口を支えきれない…

しかし、公共事業だけで地方を支えていくのには、
やはり無理があった。

公共事業の割合の高い日本の地方農村といえど、
農漁業を完全に捨て去った村などほとんどない。
農業でなくともいいが、何か一つ「産業」がないと、
どこの村落もやっていけない。

そして、ボツワナはその開発に失敗した。

886 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 23:07:40 ID:FUjsCFx20

結果、地方と都市の所得格差が非常に激しくなった。
2003年の地方の貧困層率は44%。
都市部の19%とくらべても、明らかに高い。

国全体が富んでいく中で、
この地方の貧困は、ボツワナの抱える問題の一つとなっていくのである…

887 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2014/02/22(土) 23:08:28 ID:FUjsCFx20

今回ここまでっ!

いやー、今回は長丁場だった…

ちなみに個人的には、フェアトレードはあんまり信用してません。

まずなによりも、あれは「善意」を完全に組み込んでやってる仕組みですので、
長期的に見て機能するとはとても思えないんですね。
善意は損得勘定よりも動機づけが明らかに弱いんで、
善意が尽きたらそこで機能停止しちゃうんですよ。

参考文献ー。

まず緑の革命や品種改良に関しては、

「食用作物」 養賢堂; 新訂版 (2010/09) 国分牧衛
「図説アフリカ経済」 日本評論社 (2002/05) 平野克己
の2冊を元としています。

モノカルチャー経済や自給農業などアフリカ農業の現状に関しては、
「図説アフリカ経済」と、
「アフリカ経済論」ミネルヴァ書房 (2004/12) 北川 勝彦 , 高橋 基樹 編著
「エコノミスト 南の貧困と闘う」東洋経済新報社 (2003/07) ウィリアム・イースタリー
がベースですね。

ガーナの農業に関しては、
「エコノミスト 南の貧困と闘う」と
「ガーナ 混乱と希望の国」アジア経済研究所 (2003/12) 高根務
をベースにしてます。

それから最後に引用したボツワナの経済データは、
ttp://jp.knoema.com/atlas/%E3%83%9C%E3%83%84%E3%83%AF%E3%83%8A
このページからお借りしました。

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