名作・神スレ

【名作スレ・ホラー】カツオ「姉さん……それはタラちゃんじゃないよ」

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※コミカルなタイトルに見えますが、ホラーです。怖いです。サザエさんが好きな方もご遠慮ください。

1 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 00:52:44.16 ID:DSAeDx70O

タラちゃんが交通事故で亡くなり、一年が経っていた。

今だに姉さんはショックから立ち直れないでいる。

だけど傍から見れば以前となんら変わりのない元気な姉に見えるだろう。

それは、姉さんの中では全てが以前のままだからだ。

サザエ「なに言ってるのよカツオ、タラちゃんならここにいるじゃない」

ボロボロになった縫いぐるみを抱いた姉は、それを我が子だと信じているのだった。

6 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 00:55:17.51 ID:DSAeDx70O

カツオ「何言ってるんだよ姉さん、しっかりしてよ……」

サザエ「私はしっかりしてるじゃない、あんたこそ顔色悪いわよ、ねえタラちゃん」

姉さんは同意を求めるように腕の中の縫いぐるみに微笑みかける。

もちろん縫いぐるみは何も答えない。

サザエ「今日の夕飯はハンバーグにしようかしら、カツオが元気になるように」

カツオ「わ、わーい……やったー」

サザエ「タラちゃんも好きよね、ハンバーグ」

もちろん縫いぐるみは何も答えない。

8 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 00:57:36.37 ID:DSAeDx70O

サザエ「カツオ、私は夕飯の支度をするからあんたはタラちゃんと遊んでてくれる?」

カツオ「わかった……じゃあ、あっちで遊ぼうか、タラちゃん」

僕は姉さんから縫いぐるみを受け取る。
抱き抱えるとだらりと四肢が垂れた。
僕はそれを持って自分の部屋へと向かう。
とても姉さんの視線が届くところにはいられなかった。

9 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 00:59:56.62 ID:DSAeDx70O

カツオ「ワカメ……ここにいたんだ」

ワカメ「うん、……あ」

ワカメは振り向き僕の手にある縫いぐるみに視線を向けると、僅かに表情を強張らせた。
縫いぐるみを息子だと思い込む姉について、どう思っているのか話合ったことはない。
しかし、一時期のふさぎ込んだ姉さんの姿よりは今の方がよいのでは、と考えているのは同じだろう。

12 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:01:57.86 ID:DSAeDx70O

ワカメ「お兄ちゃん、それ……」

カツオ「ああ、姉さんがタラちゃんと遊んでろってさ」

ワカメ「ちょっと貸して」
カツオ「あ」

ワカメ「ここ、ほつれてきてるわ、直さないと……」

縫いぐるみは姉さんが四六時中連れ回しているせいか、ずいぶんとボロボロになっていた。

16 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:03:31.98 ID:DSAeDx70O

男の子の形を模したその縫いぐるみは、タラちゃんに似ていたからつい、と父さんが買ってきたものである。

タラちゃんが死んでから一ヶ月程経った頃のことだった。
皆はそれを見せたら姉さんがタラちゃんを思い出してよけいに悲しむのではないか、と懸念していたが、事態は予想外の方向へ向かった。

サザエ『あら、タラちゃん!こんな所にいたのね』

仏壇の近くに置いていたその縫いぐるみを、姉さんが明るい声を出しながら抱き上げたのだった。

18 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:05:02.55 ID:DSAeDx70O

久しぶりに見る姉さんの笑顔に、家族は皆喜んだ。
タラちゃんを失った悲しみは癒えはしないだろうけど、しばらくはこの縫いぐるみで気を紛らわせるのではないかと思った。

一日中暗い部屋に篭り、ろくに食事もとれないような生活になっていた姉さんは、その日から変わった。
いや、元の姉さんに戻ったのだ。

タラちゃんという存在が欠け、崩れていたバランスが縫いぐるみによって埋められたからである。

21 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:07:00.40 ID:DSAeDx70O

姉さんは縫いぐるみにタラちゃん、と呼びかけまるで本当の子供のように接した。
皆、始めの頃はそれを暖かく見守っているだけだったけど、それが一月経ち、二月経ち、
変わらず縫いぐるみを可愛がり続ける姉さんが、さすがに不安に思えて来た。

ある日のことである、ついに母さんが姉さんから縫いぐるみを取り上げようとした。

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25 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:10:17.85 ID:DSAeDx70O

フネ『サザエや、もういい加減にしたらどうだい』

サザエ『え、何が?母さん』

フネ『これは……』グイッ

サザエ『ああっ、駄目よそんなに乱暴にタラちゃんを引っ張っちゃ!』

フネ『これはタラちゃんなんかじゃないのよ……』

サザエ『あ、ああ……』

フネ『分かってくれたかい?』

サザエ『ほら母さん、タラちゃんが痛がってる!離してあげて!』

フネ『サザエ……』

サザエ『大丈夫?タラちゃん』

32 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:13:32.81 ID:DSAeDx70O

姉さんはすっかり縫いぐるみをタラちゃんだと思い込んでいたのだ。

その件以来母さんは姉さんのことには触れないようになってしまったし、
他の家族も、もっと時間が経てば、元に戻るだろうと楽観的に考えていた。
それにどうしようも無かったのだ。

父さんと母さんは古い人で、姉さんを精神科に連れていくことを決断しかねていた。
マスオ兄さんも我が子を失った悲しみは深く、自分以上に傷ついている妻を狂人扱いすることは出来なかったのである。

37 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:15:55.36 ID:DSAeDx70O

そうして今に至る訳だが、一年近く使われ続けている縫いぐるみは所々ガタが出てきている。
ワカメや母さんが、姉さんの目の届かない所で直しているのだが、いずれ限界がくるだろう。

カツオ「それ、まだ大丈夫そうかい?」

ワカメは頭部に綿を詰め足しながら曖昧に頷いた。

ワカ「うーん、そろそろ危ないかもしれないわね」

薄汚れた縫いぐるみがワカメの手の中でグラグラと揺れている。

43 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:19:41.62 ID:DSAeDx70O

綿を詰め終わり、開いた部分を針と糸で縫い合わせるワカメの手元を僕はぼーっと眺めていた。
何度もやっている作業のため、スムーズに動く針の動きに見とれていると不意に首筋に視線を感じたような気がした。

カツオ「……誰?」

僕は勢いよく振り向く。

瞬間、ぴしゃりと襖が閉められた。
それを開いて後を追い掛ける勇気は僕には無かった。

ワカメ「どうしたの……?」

カツオ「あ、ああ……誰かが覗いてたみたいだったからさ」

ワカメ「もしかして……!?」

カツオ「大丈夫だって……それは、ない……よ」

そんな根拠はどこにもないのだけれど僕は掠れる声で呟いた。

カツオ「姉さんの訳……ないじゃないか、はは」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:21:13.01 ID:/Y1jLr0sO

なんか怖いな

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:21:00.26 ID:GDFcAD+w0

こええええええええええええええええええええええええええええええ

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:22:12.75 ID:Orfhil35O
こえぇよ

50 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:22:24.58 ID:DSAeDx70O

やがて母さんの声に呼ばれ、僕とワカメは夕食の席に着いた。

カツオ「さ、さあタラちゃん、姉さんの所に行きなよ」

僕は姉さんの隣に縫いぐるみを置く。
先程のあれは本当に姉さんでは無かったのだろうか。

もし部屋を覗いていたとしたらワカメが縫いぐるみを修理していたのを見ていたかもしれない。
姉さんにとってこの縫いぐるみはタラちゃんなのだ、その体を開き、針を刺す場面などどのように映るだろう。

サザエ「さあタラちゃんいらっしゃい、おいしそうなハンバーグでしょう」

僕は笑顔で縫いぐるみを抱き抱える姉さんに、心の中で安堵のため息をついた。

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:22:26.57 ID:GLh6b55sO
怖い

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:23:58.62 ID:dGuN0tyB0
こわ

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:24:46.26 ID:pb8Vb/znO
めっちゃ面白い
支援

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:25:04.04 ID:lRX6G7wW0
こええ

63 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:25:38.27 ID:DSAeDx70O

サザエ「はい、タラちゃんあーんして」

サザエ「おいしい?そう、うふふ」

サザエ「あらー駄目じゃないこんなにこぼしちゃって……」

サザエ「タラちゃんもそろそろ一人で食べられるようにならなきゃ駄目よ」

食卓では姉さんの楽しそうな声が響く。
縫いぐるみは口に押し付けられた食べ物をただボロボロと床に落とすばかり。
最近ではすっかり見慣れた我が家の食事風景だ。

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:26:18.38 ID:i7MBpACEO

紅い蝶で桐生の家に出てくる双子の人形思い出した

恐い

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:27:05.29 ID:1A149cSsO

そんな食事風景欝になるわww

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:27:14.99 ID:r27N4TIJ0
何かこのぬいぐるみ臭そうだな…

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:26:46.99 ID:pAY1q0aIO
くそぉ
寝たいのに…
寝たいのにー

73 :携帯厨(樺太) ◆r/B1GxVgoo:2009/05/23(土) 01:27:59.48 ID:3dPbcprYO
>>66
今寝たら夢に出そうだな

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77 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:28:54.96 ID:DSAeDx70O

サザエ「あら?どうしたのタラちゃん」

サザエ「もう食べないの?」

サザエ「食欲がないってどうしたのよ」

サザエ「頭が痛いの?うーん、風邪かしら」

サザエ「少しお部屋で横になりましょうか、そうね、それがいいわ」

サザエ「母さん、私タラちゃんを休ませて来るわね」

姉さんから心配そうな言葉が続く、どうやら縫いぐるみの具合がよくないらしいのだ。

フネ「あ、ああ……そうかい」

姉さんは縫いぐるみを大事そうに抱き抱えると、寝室へと向かった。

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:23:22.80 ID:a7DdNSPQ0
よく見たらこの子お人形…

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:29:03.08 ID:NqiGj0Fy0
>>54
あさき乙w

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:30:15.82 ID:Ly7/WX/SO
嫌な予感…

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:30:26.42 ID:r27N4TIJ0
やっぱ麻酔なしの手術はきついか

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:30:38.32 ID:v6SE2NMBO
タラヲ死ねって言いに来たらすでに死んでた

85 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:31:21.50 ID:DSAeDx70O

僕らが食事を終えても、姉さんは戻らなかった。

皆特に気にもせずに、母さんとワカメは食器の片付け、父さんとマスオ兄さんは晩酌を始めていた。
することがなくなった僕は、部屋に戻って漫画でも読もうかと廊下へ歩き出した。

姉さん達の寝室の前を通過する時、妙な音が聞こえてきた。

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:32:07.76 ID:hcYo2zQ20

KOEEEEEEEEEEEEEE

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:32:15.96 ID:NjUTFDxQO

こえぇ

88 :ぽっぽ焼き ◆pOPPOVB9oU:2009/05/23(土) 01:32:41.84 ID:3/l1GfRb0
ごくり・・・

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:30:41.68 ID:y/FvGTOtO
マスオ「ええっ?!壊れるほど愛しても、3分の1も伝わらないのかい?!」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:33:04.25 ID:Ly7/WX/SO
>>84
www

90 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:33:38.55 ID:DSAeDx70O

思わず立ち止まり耳を済ませてみると、その音はどうやら人の囁き声のようだった。
止めておけばいいものを、僕は思わずその場に立ち止まり、耳を済ました。

サザエ「……大丈夫よ、タラちゃん……大丈夫だからね」

どうやら姉さんがタラちゃんを気遣う言葉をかけているようだった。
どこか抑揚を無くしたようなその声に、僕は少しだけ違和感を覚える。

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:35:11.61 ID:/nTR31kZO
こわいお(´;ω;`)

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91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:33:45.53 ID:FbTKXM9ZO
誰かこれサザエ視点のも書いてくれないか?

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:35:29.48 ID:NM10A99xO
>>91
作成者が途中で鬱になって自殺するだろ

101 :源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE:2009/05/23(土) 01:36:14.10 ID:DSAeDx70O

サザエ「大丈夫だからね、すぐに良くなるわよ、すぐに……」

僕頭のの中には、姉さんがタラちゃんに添い寝をしてあげている微笑ましい光景が浮かぶ、ほんの二年前には当たり前だったその光景。

サザエ「ほらね、こうやって悪い所を……」

頭が痛いと言っていたから、撫でてあげているのだろうか。
たとえ全てが姉さんの頭の中で作られた話であっても、当たり前な親子の会話が部屋の中で交わされている。

だけど次の瞬間、頭に浮かんだ微笑ましい親子の図は音もなく崩れさった。

 

 

サザエ「痛いところ全部……とってあげるからね」

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:36:56.18 ID:8ZOluN7sO

ぎゃぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:37:23.27 ID:VUy1F1/i0

こ、こええぇエエエエエェェエェェェェェエエエエ

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:37:23.32 ID:a7DdNSPQ0
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:37:24.09 ID:XO6D0bYs0
ワカメ逃げてー

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:37:41.26 ID:r27N4TIJ0
>>101 恐し

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/23(土) 01:37:52.29 ID:GDFcAD+w0
取るってどういうことだよおおおお
うおおおおおおおおおおおおppppppppppppppppppp

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