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75:1:2006/07/08(土) 09:51:04 ID:4cac60jR0
あんま怖くないけど、つーか俺が死ぬほど怖かった話しをひとつ
今から20年くらい前、俺がまだ小学校低学年の頃
夏休みになると、家の近所の公園で朝のラジオ体操をやってて
近所の子はみんな早起きして公園に集まって遊んだりしてたんだ。
その日は、何故かいつものメンバーが来なくて、ラジオ体操後
俺は一人で木渡り(公園の周りに木が植えられてて、地上に降りないで
木から木へ移動する遊び)をして遊んでて、ちょうど公園の角の木へ渡った時、
変なうめき声が聞こえてきたんだ。
俺は木の上で息を殺して道路の方を見ると、後方から乞食(そういう風体だった)
が歩いてきた。
乞食は酔っ払っていたのか、ブツブツ何か言いながら公園の木を、指をさして数えながら
こっちの方へゆっくりとゆっくりと歩いてきた。
俺は何故か「見つかったらやばい」と思い、恐怖で動けなくなってしまい、ただ息を殺して
木の上で身を潜めていた。
76:2:2006/07/08(土) 10:20:20 ID:4cac60jR0
乞食は時折立ち止まって、奇声のようなものを発し
段々と俺のいる木に近づいてきた。
「やばい、どうしよう、気づかれませんように」っと目をつぶって必死に祈った。
その瞬間、乞食の笑い声が聞こえたので、目を開けると、こちらを指さしながら
乞食が不気味な笑みを浮かべていた。前歯が2本位しか無く、ボサボサの髪、
浅黒い肌は正にホラーだった。
「うわ、バレた!殺される」俺は例え様の無い恐怖に失禁寸前。
乞食は公園の中に入ってきて、こちらにゆっくり近づいてくる。
あまりの恐怖で声も出ない
とうとう木の下まで来た乞食はポケットに突っ込んだ手をだし
俺の足元へ伸ばしてきた。
「もうダメだ!!」と思った瞬間、乞食が
「あげるよ」としゃべった。
77:3:2006/07/08(土) 10:40:36 ID:4cac60jR0
「!?」頭の中がパニックに、ふと乞食が伸ばしてきた手を見ると、
飴を1つ握っていた。
「い、いらない。あっち行って」と勇気を振り絞ってそう言うと
何かブツブツ言いながら乞食はまた道路の方へ歩きだした。
「た、助かった」、恐怖から解放された俺は、急いで木から飛び降り
乞食に向かって何故か「お前なんか死んじゃえ!!」と叫んだ。
ちょうど、道路に出たばかりの乞食は、俺の声を聞いて振り返った。
「やべぇ」俺がダッシュで逃げようとした正にその時、十字路を猛スピードで車が曲がってきた。
公園から道路に出たばかりの乞食にドライバーは気づかず、
あ、っと思った瞬間、乞食は10メートル位ふっとばされて、俺の2メートル位手前に落下した。
ピクリともしない、いや子供にも一目で死んでるとわかる位の有様だった。
仰向けで手がありえない方向に曲っていた。
その手には俺に渡そうとした飴が握られたままだった。