550: 本当にあった怖い名無し 2010/02/13(土) 05:45:43 ID:4z99pCgX0
今から、10年以上前の話し
俺の家は長屋で、隣に40才位のおっさんが、独りで住んでいた。
小学校が夏休みに入ったころ、家の周りに、ひどい悪臭がするようになった。おっさんが亡くなって、腐り、蛆だらけで発見された。
それから、すぐに、おっさんの幽霊がでるとか、見たとか、噂が立つようになった。おれの親なんかは、一笑に付していたが、俺は半信半疑だった。
そんな、ある晩、俺は寝ていたので夜中だったのだが、表でギャーッと悲鳴が聞こえた。その声に、最初に反応して、窓を開けたのは、俺の斜め向かいの家、つまり。おっさんの向かいの家だった訳だが、開けて見たおばさんも、顔面蒼白で悲鳴をあげた。
街灯に照らされた、おっさんの家の窓に、おっさんの顔が、はっきりと映っていた。俺の父親も飛び起きて出ていったが、それを見て固まっていた。母親と俺に来るな!と言った。表の男性は、尻餅ついて、震えていた。
父親が、悲しげな顔をして、ほおか、さびしかったんか、辛かったんかと言った。
父親の目から涙が出ていた。なんか、緊張感がとける感じがした。おっさんの顔は消えていた。
その後、幽霊話しは聞かなくなったが、借手が付く事はなかった。今は、俺の家共々、取り壊され、分譲住宅に変わっている。