※おそらく同じ作者の「山の怖い話12選」です。
竹薮に湧く化け物
∧∧∧山にまつわる怖い話Part3∧∧∧
293 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:29
枯れた竹薮に湧く化け物がいるらしい。立木を引き倒し、大雨を降らせると言う。
嵐の夜、見回りをしていた男が、半年前に枯れた竹薮の足元に来た時、
黒髪のようなものが絡み付いた木々が、土石流と共に押し寄せてきた。
慌てて逃げる男の後ろから、甲高い笑い声が追いかけてきた。
馬の小便
294 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:30
一仕事終えた男が山で酒を飲んでいると、突然耳もとで声がした。
「馬鹿だな、馬の小便なんか飲んで」
それを聞いた途端、口の中に何とも言えない味が広がり、男は思わず酒の瓶を放り投げた。
一瞬後、我に返った男がいくら探しても瓶は見つからなかった。
滝の向こう
295 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:31
ある人が、山中の滝壷の側で休んでいた。
何気なく滝に近付いた際、轟々と流れ落ちる水の中で、腹を見せて泳いでいる魚を見つけた。
尾ひれを優雅にくねらせる魚の周囲の水は、静止しているようにも見える。
思わず顔を近付けたその時、向こう側の水面から突き出した嘴が魚をついばんで消えた。
人の形をした獣
301 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 02:47
猟師をしていた祖父は、山で人の形をした獣を撃った。
翌々日に家に帰った祖父は、祖母にそのことを話した。
祖母は顔を青くして、
昨晩猿のようなものが、人の言葉で祖父の名前を呼ばわりながら、
家の周りをぐるぐる回っていたことを祖父に話した。
猿の毛皮
270 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 23:05
猟師が河原に猿を追い詰め、銃で撃った。
倒れて動かなくなった猿のところへ、猟師が近付いてみると、
そこにはひからびた猿の毛皮があるばかりで、周囲には血の跡もなかった。
猟犬は怯えるばかりで、近寄ろうともしなかった。
窯の歌
271 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 23:17
男が炭を焼いていると、窯の中から妙な音がする。
耳を澄ませると、男がいつも歌っている歌が聞こえてきた。
気味が悪くなったものの、そのまま焼き続けた。
やがて出来上がった炭は、生焼けで使い物にならなかったと言う。
けもの道
291 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:27
ある男が山菜を摘んでいると、背後から何物かが近づいてくるような音がした。
てっきり猪か熊だと思い込み、慌てて手近な木の上に登って下を見ていると、
姿の見えない何物かによって草や灌木がなぎ倒され、けもの道が出来上がっていく。
それが遠ざかってから下に降りてみると、辺りには百合の匂いが漂っていた。
お地蔵様と桜
292 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:28
その杣取りは、毎朝桜の木の根元にあるお地蔵さまに手を合わせるのを日課としていた。
ある日、手を合わせている最中に、お地蔵さまの顔が何処となく悲しげに見えた。
そこで、五分咲きの桜の枝を手折り、お地蔵さまの足元に添えた。
夕刻山から下りてくると、満開となった桜の枝が、お地蔵さまの頭を貫いていた。
肉の塊
265 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 21:39
白山を歩いている時、何かが目の前に落ちてきた。
拾い上げると、テニスボールくらいの肉の塊。
血にまみれた新鮮な肉片に、良く見ると毛皮もついている。
上を見上げても、木の枝が覆い茂ってばかり。
いろいろと怖い想像が頭をよぎり、慌ててその場を離れた。
空洞の骨
266 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 22:40
ある人が切り倒した木を寸断していると、木の中に空洞があり、
その中に獣の骨が一揃い入っているのを見つけた。
抜け穴もなく、外界から完全に隔絶した洞の中には、乾いた糞のようなものも落ちていたと言う。
燃える岩
267 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 22:50
山菜採りを生業としている夫婦が、山肌にある大岩が燃えているのを見つけた。
慌てて近寄ったが、不思議と熱を感じない。
やがて火は消えたが、周囲の草や木には焦げた跡はなかった。
ただ、岩肌の苔は奇麗に無くなっていた。
幹の向うの目
268 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 22:57
ある人が梯子に上り木の枝を切っていると、耳もとで声がした。
声のした方向を見ると、幹の向こう側から誰かが覗いている。
目が合った途端、そいつは上の方に滑るように消えてしまった。
その目は真ん丸で、目蓋がなかったと言う。