名作・神スレ

彡(゚)(゚)で学ぶミルウォーキーの食人鬼 ジェフリーダーマーの生い立ち


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1: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)09:08:34 ID:eEP

(´・ω・`)「僕が父親に?」

ウィスコンシン州、ミルウォーキー。
ミシガン湖に面した工業と、ビールとハーレダヴィドソンの街である。

この頃、僕はミルウォーキーに住んでいた。

(*゚ー゚)「えぇ、あなたの子よ」

(´・ω・`;)「そ、そうか」

僕の胸中は複雑だった。
この頃の僕は大学院生でまだ定職もなく、経済的にも不安定だったのだ。

(*゚ー゚)「……、嬉しくないの?」

そんな僕の様子を彼女は最初から気づいていたのかもしれない。

(´・ω・`)「何を言ってるんだ。嬉しいに決まっているじゃないか」

デタラメを言ったつもりは無かった。
不安はあるにせよ、僕は子供の命が芽生えた事が嬉しかった。

(´・ω・`)「2人で力を合わせて頑張ろう!」

(*゚ー゚)「うん!」

2: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)09:26:58 ID:eEP

大学院の研究室。

友「よー、レオ。なかなか成績優秀らしいじゃないか」

(´・ω・`)「ありがとう。でも、研究が僕の性に合ってるだけだよ」

友「謙遜するなよ。教授もお前のこと褒めてたぜ?」

(´・ω・`)(決して謙遜したつもりはないんだけどなぁ)

友「ところで、これからダウンタウンのクラブに遊びに行くんだが、お前もこないか?」

(´・ω・`)「いや、僕はまだ研究があるから……」

友「お前はほんと、根っからの研究者気質だなw あんまり無理するなよ」

(´・ω・`)「うん、ありがとう」

僕は子供の頃から、生粋の理系人間だった。
じっくりと理詰めで物事を突き詰めるのが好きだったが、反面、人の心の機微には疎いところがあった。

いや、疎いというより避けていたのかもしれない。
正直な話、人と話すよりも、自分の学問と向き合っている時間の方が充実していた。

5: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)09:45:07 ID:eEP

(´・ω・`)「ただいま」

カチャッ

(*゚ー゚)「……遅かったね」

(´・ω・`)「ごめん、研究が長引いちゃって」

(*゚ー゚)「私、妊娠してるんだよ? 私と子供よりも研究の方が大事なの?」

(´・ω・`;)「何を言ってるんだ。そんな訳ないじゃないか」

(*゚ー゚)「ウソよ。あなたは私や子供よりもガラクタを弄ってる方が幸せなんだわ!」

(´・ω・`;)「頼むよ、ワガママを言わないでくれ」

(*゚ー゚)「ワガママ!? ワガママなのはあなたじゃない!」

(´・ω・`;)「……」

この頃からだろうか?
僕と妻の間には溝ができ始めていた。

6: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)10:03:30 ID:eEP

友「よぅ、レオ。お前が誘いに乗るなんて珍しいじゃないか?」

(´・ω・`)「……今日は飲みたい気分なんだ」

友「さては何か嫌なことがあったな?」

(´・ω・`)「……」

友「安心しろよ。ミルウォーキーにはいくらでも遊べるところがある。嫌なことなんてすぐに忘れちまうよ」

(´・ω・`)「そうなんだ。僕は勉強ばかりであんまり遊ばなかったから……」

友「俺が色々教えてやるよw まぁでも気をつけろよ。この辺の治安は結構悪かったな」

7: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)10:04:16 ID:eEP

娼婦「お兄さん、ちょっと遊んで行かない?」

(´・ω・`;)「え、いや、あの」

友「ごめんごめん、俺達行きつけのバーに行くとこなんだよw」

娼婦「なんだ~残念。また来てね」

(´・ω・`;)(何だか凄い世界だなぁ……)

黒人「ヘイブラザー!」

(´・ω・`;)「わっ、何ですか!?」

黒人「君達男同士でこんな所を歩いてどうしたんだい」チラッ

友「チッ」

8: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)10:05:38 ID:eEP

友「おい行くぞ、レオ」

(´・ω・`;)「う、うん」

黒人「ブラザー、待てよ」

スタスタ

友「俺にはあんな肌の黒い兄弟はいねぇよ」

友「にしても気持ち悪い野郎だぜ。おい、ああいう連中には気をつけろよ?」

(´・ω・`)「ああいう連中?」

友「お前は本当に世間知らずだな。アイツはゲイだ。ついていったら掘られるぞ?」

(´・ω・`;)「えっ」

この町はウィスコンシン州最大の都市だ。
歓楽街は常に賑わっており、その雑踏の中には有色人種や性的マイノリティーの人々もまた多く集まっていた。

(´・ω・`;)(あれから明け方まで飲み明かしてしまった)

(´・ω・`;)(あぁ、帰りたくないなぁ……)

カチャッ

(*゚ー゚)「……」

(´・ω・`;)(やっぱり)

(*゚ー゚)「……どういうこと?」

(´・ω・`;)「これは、あの……」

(*゚ー゚)「ねぇ、私の事なんだと思ってるの!?ねぇっっ!?」

(´・ω・`;)「落ち着いてくれよ!」

(*゚ー゚)「落ち着いてなんかいられないわよおおおおお!!!」

妻のヒステリーは日に日に悪化していった。
僕達はちょっとした事ですぐに激昂し、言い争いばかりしていた。

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11: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)10:36:54 ID:eEP

(*゚ー゚)「いたっ、痛いぃぃぃ!!」

(´・ω・`;)「だ、大丈夫!?」

(*゚ー゚)「大丈夫なわけないでしょ!!早く痛み止めを持ってきてよ!!!」

(´・ω・`;)「わ、分かった」

出産時期が近づくにつれ、妻の症状はどんどん悪化していった。
彼女のヒステリーは言動や行動だけでなく、痛みという身体症状にも表れていたのだ。

(´・ω・`;)(薬だけで20錠もある)

(´・ω・`;)(モルヒネなんて劇薬を妊婦に与えて大丈夫なんだろうか?)

(´・ω・`;)(でも、医者に処方されたものだし、飲ませないわけにもいかないよな)

13: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)10:48:59 ID:yoy
みてるで

14: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)10:52:37 ID:eEP

そんな現実から逃げるように、僕は研究にかまけていた。
本当に僕は夫として失格だったと思う。

それでも、妻と、産まれてくる子供のために、僕なりの努力はしたつもりだった。

その甲斐あってか、紆余曲折を経たものの、妻は無事に出産にこぎつける事ができた。

(*゚ー゚)「あなた」

(´・ω・`)「お疲れさま。体は大丈夫かい」

(*゚ー゚)「えぇ、それよりみてよレオ」

(´・ω・`)「あぁ……」

彡(-)(-)スヤスヤ

(*゚ー゚)「私達の子供よ」

(´・ω・`)(……)

(´;ω;`)ブワッ

眠っている子供の姿を見て、父親になった実感が湧き上がってきた。クリクリとした青い眼が可愛らしい赤ん坊だった。

僕達はこの子にジェフリーという名前を授けた。

19: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)11:08:40 ID:nRo
やっぱりダーマーニキか

20: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)11:16:22 ID:fcg
じっくりと理詰めで物事を突き詰めるのが好きだったが、反面、人の心の機微には疎いところがあった。
ここが完全にジェフリー・ダーマーニキの父親なんだよなぁ…

21: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)11:46:15 ID:eEP

(*゚ー゚)「あなた、またこんな時間に帰ってきたのね!!もっと家庭を大切にしてちょうだい!!」

(´・ω・`;)「いい加減にしてくれ!!君こそロクに家事もしていないじゃないか!」

(*゚ー゚)「なんですって!?あなたが父親としての責任を果たしていないのよ!!」

(´・ω・`;)「もういい!!」

あれから4年。
僕達夫婦の溝は出産を経ても埋まる事なはく、互いの心の距離は離れていく一方だった。

(´・ω・`)(どうすれば彼女は分かってくれるんだろう?僕にだって研究者としての責任や夢があるんだ)

(´・ω・`)(家庭が大事なのは分かっている。でも、そこを補うのが妻の務めじゃないのか?)

たぶん、この頃の僕も妻も、まだ親になるべき状況じゃなかったのだと思う。
僕達はまだまだ未熟だった。

彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`)「あ、ジェフ」

でも、子供の成長は親を待ってはくれない。

(´・ω・`)「一緒に遊ぼうか」

22: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)11:56:56 ID:eEP

ウィスコンシンの森や湖を僕は何度かジェフを連れて歩いた。

(´・ω・`)「どうだいジェフ? 湖は綺麗だろう?」

彡(゚)(゚)「せやな」

(´・ω・`;)(『せやな』って…)

(´・ω・`)「ほら、こっちには蝶々が飛んでる。捕まえてみたらどうだい?」

彡(゚)(゚)「ワイに捕まえられるやろか」

(´・ω・`)「大丈夫だよ。ほら、追いかけてごらん」

(´・ω・`)(子供なのに、この子はあまり周りの物事に興味を示さない)

(´・ω・`)(子供の頃の僕に似ているな…)

この子は僕に似ている。
それが、幼いジェフに対する僕の印象だ。
僕もまた幼少時代、興味のある事柄以外にはあまり興味を示さず、自分に自信もない、そんな子供だった。

23: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)12:56:54 ID:Ggv
みてるで

25: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)13:05:10 ID:Ct1
悪魔の子ですねこれは

27: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)13:08:31 ID:yoy
Wikipediaでみちまったわ、スゲー後悔したんご

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28: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)13:16:05 ID:1m6
>>27
逮捕された時の室内の様子生々しすぎるやろアレ…

29: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)13:22:35 ID:yIJ
見てるで

37: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)15:04:20 ID:eEP

(*゚ー゚)「ジェフ、今日は天気がいいから一緒に公園に行きましょう」

彡(゚)(゚)「うん」

~公園~

(*゚ー゚)「あら、ちょうど近所の子達も遊んでるじゃない」

子供達 ワイワイ キャッキャッ

彡(゚)(゚)「……」

(*゚ー゚)「……? どうしたのジェフ、みんなと遊んでいらっしゃい」

子供「ジェフくん、あそぼー!」

(*゚ー゚)「ほら、呼んでるわよ」

彡(゚)(゚)「う、うん」

(*゚ー゚)「……?」

38: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)15:10:00 ID:eEP

子供A「ねーねー、砂のお城つくろー!」

子供B「作るー!」

子供C「えー、ぼくはお城より恐竜つくりたい!」

子供達 ワイワイ キャッキャッ

彡(゚)(゚)「……」

子供達『ジェフくん何やってるの? ジェフくんも砂集めてー!』

彡(゚)(゚)「うん」サッサッ

子供達 キャッキャッ

彡(゚)(゚) サッサッ

彡(゚)(゚)(何でみんなこんな事が楽しいのやろ…?)

子供達『ジェフくん、砂集めるのおそいよー!なにやってるの!?』

彡(゚)(゚)「……」

39: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)15:19:43 ID:eEP

(*゚ー゚)「ねぇあなた」

(´・ω・`)「なんだい」

(*゚ー゚)「ジェフなんだか様子が変なのよ」

(*゚ー゚)「他の子供達と遊んでても全然楽しそうじゃないの。いつも1人でポツンとしてて」

(´・ω・`)「ジェフは僕に似て大人しい子供だからね。僕も子供の頃はそういう子供だったよ」

(*゚ー゚)「それにしても、ジェフは他の子供となにかが違うわ。もしかして虐められてるんじゃないかしら」

(´・ω・`)「考えすぎだよ。子供も子供なりに色々あるさ」

(*゚ー゚)「考えすぎって!?あなたが考えなさ過ぎなんじゃない!!!」ムキーッ

(´・ω・`;)「おい、こんな事でヒステリーになるなよ」

40: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)15:27:38 ID:eEP

彡(゚)(゚)「パッパ、マッマ」

(´・ω・`;)「ジ、ジェフ。いたのか」

彡(゚)(゚)「向こうの部屋の床下から音がするんや」

(´・ω・`;)「床下から?」

彡(゚)(゚)「何かいるみたいなんや」

(´・ω・`)「分かった、今行くよ」

彡(゚)(゚)「ここなんやけど…」

(´・ω・`)「よしらちょっと床下を覗いてみるか」

こうして僕は『床下を開いた』。
思えば、この時から運命の歯車が狂い始めていたのかもしれない。

41: ■忍法帖【Lv=11,しょうにん,Kxw】 2016/04/04(月)15:31:06 ID:Iw7
きたい

44: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)15:50:55 ID:eEP

ギギギ

(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)「……特になにもないな」

彡(゚)(゚)「パッパそれ」

(´・ω・`)「え…?」

(´・ω・`;)「ってうわ!?」

ジェフが指差した先には、無残な姿になったネズミなどの小動物の死骸があった。

(´・ω・`;)「ははぁ……こりゃジャコウネコが住み着いてるな。この死骸は餌を食い散らかした後だ」

45: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)15:52:33 ID:eEP

彡(゚)(゚)「パッパ、それ取ってや!その白いの!」

(´・ω・`;)「え、それって、この骨の事かい?」

彡(゚)(゚)「せや!」

(´・ω・`;)「あ、あぁ分かったよ(うぇぇぇ)」ヒョイ

彡(゚)(゚)「…………」ジーッ

(´・ω・`;)(ジェフがこれほど何かに関心を持つのは珍しい……けど、また随分変わったものに興味を持ったな)

ジェフは何かに取り憑かれたよにれその骨を眺めていた。
すると、ジェフは突然地面に小動物の骨を叩きつけた。
辺りに骨の砕けた音が鳴り響く。

(´・ω・`;)「ジェフ、なにを」

(´・ω・`;)「……??」

彡(^)(^) ニコニコ

始めてみる顔だった。
この時の僕は、骨を砕く音に心奪われていた息子の姿をみても、少し変わっているなとしか思わなかった。

47: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)16:18:41 ID:eEP

ジェフが生まれた6年後。
僕と妻は2人目の子供を授かった。

だが、それは例によって順風満帆な物ではなかった。

(*゚ー゚)「あああ!!隣の家の物音がうるさくて眠れない!!」

(´・ω・`;)「物音って……ただの生活音じゃないか」

(*゚ー゚)「生活音でもなんで私は眠れないのよ!!アンタどうにかしてきてよ!!」

(´・ω・`;)「ムチャ言うなよ……」

(*゚ー゚)「何よこの役立たずのグズ!!最低の夫よアンタなんて!!!」

(´・ω・`;)「おい、言っていい事と悪い事があるぞ!!」

彡(゚)(゚)「……」

僕達夫婦の心は全く通っておらず、幼少時のジェフはそんな僕達の姿を見て育っていった。

48: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)16:30:53 ID:eEP

2人目を妊娠して、妻の病状はさらに悪化していた。

彡(゚)(゚)「マッマ、ご飯」

(*゚ー゚)「は?」

彡;(゚)(゚)「え?」

(*゚ー゚)「ママは今つわりで苦しんでるの!棚に缶詰があるから自分で開けて食べなさい!」

彡;(゚)(゚)「でも、ワイ」

(*゚ー゚)「でもじゃないわよおおおお!!!!それくらい自分でやりなさいよおおお!!!」

(*゚ー゚)「アビャビャ!?!?あびゃかあくなめやわふじこ……」

妻は度々、痙攣発作を起こし、意識が消失することがあった。

(*゚ー゚)「……」ビクビク

彡;(゚)(゚)「マッマ!? マッマ!?」

彡;(゚)(゚)「パッパ、早く帰ってきてクレメンス」

彡(;)(;)「パッパ…」

妊娠して情緒不安で、発作まで起こす妻。
僕はそんな妻を半ば見限り、仕事に没頭した。

そのしわ寄せを、僕の知らないところでジェフは一身に背負っていたのかもしれない。

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49: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)16:43:59 ID:Tb4
シリアルキラーのほとんどが幼少期に家庭問題を持ってるよな

50: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)16:44:15 ID:gHV
悲しいなぁ・・・

51: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)16:59:39 ID:o51
マッマダメダメやな

55: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)18:27:37 ID:eEP

デイブ「ほぎゃあ、ほぎゃあ」

(*゚ー゚)「よしよし、デイブ。ミルクよ~」

彡(゚)(゚)「マッマ、ワイもお腹減った」

(*゚ー゚)「今、デイブのミルクをあげてるの。分かるでしょ?今日はパパ休みなんだから、パパに言ってちょうだい」

彡(゚)(゚)「…うん」

デイブ「ほぎゃあ、ほぎゃあ」

(*゚ー゚)「よしよし、デイブ。ママがいるからね~」

彡(゚)(゚)「……」

56: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)18:28:35 ID:eEP

彡(゚)(゚)「パッパ」

(´・ω・`)「なんだいジェフ」

彡(゚)(゚)「マッマがパッパにご飯作って貰えって」

(´・ω・`;)(アイツ、またろくに家事もしないで)

(´・ω・`;)「すまない、ジェフ。パパも研究の事でやらないといけない事があるんだ」

(´・ω・`;)「冷蔵庫に卵があるから、スクランブルエッグくらい作れるだろう?あと、ダイニングテーブルに食パンがあるからトースターに入れて食べなさい」

彡(゚)(゚)「……」

彡(゚)(゚)「うん」

(´・ω・`)「焼き過ぎに気をつけるんだぞ」

彡(゚)(゚)「うん」

57: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)18:29:55 ID:eEP

彡(゚)(゚) ジュージュー

彡(゚)(゚) トントン

彡(゚)(゚) ブリュブリュリュ ※トマトケチャップをかける音です

彡(゚)(゚)(できた)

彡(゚)(゚) ……

(´・ω・`)『ジェフ、ご飯を食べる前には必ずお祈りするんだよ』

(´・ω・`)『僕達がご飯を食べていけるのは神様のおかげなんだ』

(´・ω・`)『主よ、今日も糧をおめぐみ頂きありがとうございます』

彡(゚)(゚)

彡(-)(-)「しゅよ、きょうもおめぐみいただきありがとうございます」

彡(゚)(゚)「パクパク、モグモグ」

58: ■忍法帖【Lv=11,しょうにん,Kxw】 2016/04/04(月)18:42:45 ID:Iw7
※トマトケチャップをかける音です

59: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)18:56:08 ID:eEP

僕は妻や息子たちから目を背けていた。
でも、彼らが僕にとってかけがえのない家族である事に変わりはない。

父親として不出来な僕だが、それでも僕なりに家族が再出発できる道を模索していた。

(*゚ー゚)「引っ越し?」

(´・ω・`)「あぁ、実はもう物件に目星も付けてある。自然に囲まれた素敵な家だよ」

(´・ω・`)「そこで、やり直そう。イチからまた」

(*゚ー゚)「…そうね」

60: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)18:57:15 ID:eEP

こうして僕達一家はオハイオ州クリーブランドの家へ引っ越す事となった。

だか、悲しい事だがもう全てが遅すぎたのだと思う。
僕達家族の関係は、引っ越してみても結局のところ何も変わる事はなかった。

(*゚ー゚)「ほら、デイブ。ママがお世話してあげるからね」

(*゚ー゚)「パパは何もしてくれないもんね~。可哀想なデイブ」

(´・ω・`)(当て付けのつもりだろうが、かまってられないよ)

(´・ω・`)(さて、仕事仕事)

彡(゚)(゚) ……

61: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)18:59:00 ID:eEP

彡(゚)(゚) ……

彡(゚)(゚)……

彡(゚)(゚)……

(´・ω・`)「ん?どうしたんだジェフ。黙って座り込んで」

彡(゚)(゚)「ううん。別に」

(´・ω・`)「……そうか」

この頃のジェフは何をするでもなくただぼうっと座っている事が度々あった。
その間、彼が何を考えているのか、僕には分からなかった。

62: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)19:01:19 ID:Ggv
支援

63: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)19:15:19 ID:eEP

(´・ω・`)「ジェフ」

彡(゚)(゚)「?」

(´・ω・`)「今日はおまえにプレゼントを買ってきたんだ」

彡(゚)(゚)「ほんま?」

(´・ω・`)「あぁ、昆虫標本を作るための道具セットだ。すぐ裏の林で虫を捕まえたら、標本で図鑑でも作ってみたらどうだ?」

彡(^)(^)「パッパ!ありがとやで!」

(´^ω^`)「いいんだ、ジェフ」

こんなに子供らしい顔をする彼を見るのは久しぶりだった。
少しは父親らしい事ができた気がして、この時の僕は嬉しかったのを覚えている。

64: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)19:24:11 ID:eEP

彡(^)(^)「虫、虫、どこや~虫」

彡(^)(^) ~?

彡(゚)(゚)「ん、なんやろあれ?」

そこには、狸の死骸が転がっていた。

彡(゚)(゚)(……)

彡(゚)(゚)(あの、動物にもやっぱり、床下のネズミみたいな骨があるのだろうか)

彡(゚)(゚)ドキドキ

彡(゚)(゚)(みたい…)

65: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)19:31:45 ID:eEP

彡(゚)(゚)ドキドキ ワクワク

彡(゚)(゚)(でも何だか悪いことな気がする)

彡(゚)(゚)(でも……あの狸は死んでるんだ)

彡(゚)(゚)(死んだらもう、ただのお肉じゃないか)

彡(゚)(゚)ドキドキドキドキドキドキ

彡(゚)(゚)(みよう!)

ジェフは手に先の尖った木の枝を手にした。

彡;(゚)(゚) オソルオソル

ブス

グチャ

ブチィッ

骨を取り出すと、ジェフリーはそれを目に穴が空くほど見つめた。

彡(●)(●)ドキドキドキドキドキドキ

彡(●)(●)(なんてきれいなんだろう)

70: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)20:22:58 ID:ZDI
続きが気になるゥ

77: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)21:24:22 ID:eEP

(*゚ー゚)「あら、ジェフ。今日もお出かけ?」

彡(゚)(゚)「うん」

(*゚ー゚)「最近は随分活動的じゃない。どこへ行くの」

彡(゚)(゚)「裏の林」

(*゚ー゚)「あなたは随分この町の自然が気に入ったみたいね」

彡(゚)(゚)「……行ってくるで」

(*゚ー゚)「行ってらっしゃい」

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78: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)21:25:18 ID:eEP

彡(゚)(゚)トコトコ

彡(゚)(゚)(今日は死んだ動物おるかな)

ジェフリーは森で狸の亡骸を解剖して以来、すっかりその魅力の虜となっていた。

彡(゚)(゚) ~?

彡(゚)(゚)「……ん?」

彡(゚)(゚)「あれはなんだろう?」

ジェフリーの視線の先にあったのは、野犬の死骸だった。

79: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)21:26:28 ID:eEP

彡(゚)(゚)(す、すごい!)

彡(゚)(゚)(こんなに大きな動物をバラバラにするのは初めてや!!)

彡;(゚)(゚)ドキドキドキドキドキドキ

ジェフリーは家から隠し持ってきたナイフを犬の亡骸に突き立てた。

彡(●)(●)ハァハァ

グサッ

グチャッ

グチョベチョ

80: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)21:27:26 ID:eEP

彡(●)(●)ハァハァハァハァ

彡(●)(●)(凄く胸がドキドキする)

グサッ

ビキッビチッ

彡(●)(●)(骨も内臓もキレイや)

彡(●)(●)(首を切り取ろう)

ブチブチィ

グチョ

彡(●)(●)(カッコいい)

彡(●)(●)(このまま捨てるのは勿体無い)

彡(●)(●)(そうや、林の奥にある柵にこれを飾ろう)

ジェフリーは切り取った犬の首を持ち歩くと、それを柵に突き刺した。

彡(^)(^)~?

81: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)21:31:32 ID:WGG
家庭環境良くてもこうなったんちゃうか…?

84: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)21:38:37 ID:eEP
>>81
生まれ持っての気質で興味はある程度決まるから、どのみちジェフリーは生き物の解体に興味を持ったと思う。
問題は、その興味の発散の仕方について、社会に適合する方法を指し示す事ができる大人が彼の周囲に居なかった事だと思う。

82: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)21:32:41 ID:hwv
ヒエッ…

86: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)21:46:20 ID:eEP

~学校~

同級生 ヒソヒソ

同級生『ねぇ知ってる?ジェフくんの話』

同級生『動物の話』

同級生『そうそう、こないだシェーンが林の中でジェフくんが死んだ犬をナイフで刺してたんだった』

同級生『何それ怖……アッ』

彡(゚)(゚)……

同級生 シーン

彡(゚)(゚)……

同級生 ……

同級生ヒソヒソ

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87: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)22:25:22 ID:fT4
見てるでイッチ

88: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)23:14:37 ID:eEP

(´・ω・`)「みんなで夕飯を食べるのなんて久しぶりだね」

(*゚ー゚)「ほんと、誰かさんがいつも遅いからね」

(´・ω・`;)「やめろよ」

(´・ω・`)「それじゃ、食事の前のお祈りだ」

(´・ω・`)「我らが父たる主よ。今日もあなたのお恵みを頂ける事に感謝します」

彡(゚)(゚)……

(´・ω・`)「それじゃあ食事を食べよう」

(*゚ー゚)「今日はアナタの好きな牛肉のステーキよ」

(´・ω・`)「焼き加減もいいね。ステーキはやっぱり血の滴るようなレアじゃないと」

89: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)23:15:20 ID:eEP

彡(゚)(゚)……

(´・ω・`)「どうしたジェフ?」

彡(゚)(゚)「パッパ……なんで生き物を殺しちゃあかんのに、ステーキは食べてええんや」

(´・ω・`)「ふむ」

(´・ω・`)「神様は生きるのに必要な糧を得る事は許されている。でも、この世の生き物は神様が創られた宝物なんだ」

(´・ω・`)「悪戯に殺す事はいけない事なんだよ」

彡(゚)(゚)「……ふぅん」

彡(゚)(゚)パクパク

90: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)23:24:59 ID:eEP

~次の日~

ジェフリーは今日も林の中を1人で彷徨っていた。

彡(゚)(゚)(うーん)

彡(゚)(゚)(最近は中々死んだ動物が見つからないや)

彡(゚)(゚)(早く見つけてバラバラにしたいなぁ)

彡(゚)(゚)ウズウズ

ガサガサ

彡(゚)(゚)?

ウサギ ピョン

彡(゚)(゚)(野うさぎ……)

彡(゚)(゚)ウズウズ

彡(゚)(゚)(死んでるのが見つからないなら……)

彡;(゚)(゚)ドキドキドキ

(´・ω・`)『この世の生き物は神様が創られた宝物なんだ』

彡(゚)(゚)……

(´・ω・`)『悪戯に殺す事はいけない事なんだよ』

彡(-)(-)……

ウサギ「?」

ウサギ ピョンピョンピョン

91: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)23:26:37 ID:I5k
兎逃げて超逃げて

92: 名無しさん@おーぷん 2016/04/04(月)23:51:14 ID:HUU
続きあく

93: 名無しさん@おーぷん 2016/04/05(火)00:30:54 ID:Jm9

(*゚ー゚)「あなた、もうすぐ夕飯ができるからさっさとジェフを呼んできて」

(´・ω・`;)「わ、分かったよ」

(´・ω・`;)(全く、こっちは研究の事を考えていたのにな)

この頃の僕達一家は企業勤めの研究院となり、経済的には安定して来ていた。
だがもう、家族の誰もが、お互いを家族として接する事に限界と諦めを感じていたと思う。

離婚をすればどんなに楽になるだろうと僕は考えていた。

トントン

(´・ω・`)「ジェフ、開けるぞ~」

ガチャ

彡(゚)(゚)「なんや、パッパ?」

(´・ω・`;)「もうすぐ夕飯…ってなんだこの匂い!」

ジェフの部屋には肉の腐ったような悪臭が立ち込めていた。

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94: 名無しさん@おーぷん 2016/04/05(火)00:31:51 ID:Jm9

(´・ω・`;)「おいジェフ、お前何をやっているんだ!?そのビンは何なんだ?」

ジェフのデスクの上にはドロドロに濁った泥上の何かが入ったビンが置かれていた。
どうやら、ら臭気はそこから漂っているらしかった。

彡(゚)(゚)「何って……ネズミの死骸やで」

彡(゚)(゚)「前にパッパにもろた薬品あるやろ?あれとネズミの死骸をビンに詰めて肉を溶かしてるんや」

彡(^)(^)「そうすればキレイに骨を取り出せて、ええ標本が作れるやろ?」

(´・ω・`;)「……その死骸はどうしたんだ?」

彡(゚)(゚)「森で死んでたんを持ってきたんや」

(´・ω・`;)「お前が殺したんじゃないんだな?」

彡(゚)(゚)「……ちゃうで」

(´・ω・`;)「そうか…」

その言葉に僕は安堵を覚えた。
ジェフは生き物の死骸を収集する事はあっても、自ら殺したりする事はなかったようだ。

幼い彼にはこの時ちゃんと、生命に対する良心が芽吹きていたのだと、私はそう信じていた。

95: 名無しさん@おーぷん 2016/04/05(火)00:33:03 ID:Jm9

~第1部 『幼少編』 終~

140: 名無しさん@おーぷん 2016/04/08(金)10:25:14 ID:vrE

>>95

~第1部 『幼少編』 終~

96: 名無しさん@おーぷん 2016/04/05(火)00:34:56 ID:V3c
既に闇が深い

98: 名無しさん@おーぷん 2016/04/05(火)00:45:11 ID:mvl
支援

109: 名無しさん@おーぷん 2016/04/06(水)06:22:05 ID:vY5

ジェフリーは高校生となり、身長185㎝、ブロンドヘアで整った顔立ちの青年に育った。
周囲の人々からは少し大人しそうな、ごく普通の青年に見えただろう。

~リビア高校・職員室~

教師「ジェフリーくん、来たまえ」

彡(゚)(゚)「……?」

教師「こないだ受けた知能テストなんだが、君の点数は素晴らしかったぞ」

教師「IQ145だ。これはかなり優秀な数字だぞ」

彡(゚)(゚)「ふーん、そうなんや」

教師「君には素晴らしい才能があるんだ。是非、その才を十分に伸ばして欲しい」

彡(゚)(゚)「おおきに」

111: 名無しさん@おーぷん 2016/04/06(水)06:23:05 ID:vY5

~教室~

女子達『ねぇ、ジェフリーくんて天才らしいよ』

女子達『そうなの?顔も結構ハンサムだよね』

女子達『大人しいけど、そう言うとこも素敵ね』

女子達『……あんた達知らないの?』

女子達『え、何が?』

女子達『中学時代の彼のウワサ。奇行が目立つ問題児だったらしいよ』

女子達『ウソ!?そんな風に見えないけど』

女子達『本当よ。彼と同じ中学だった子が言ってたんだもん!』

彡(゚)(゚)……

ジェフリーの生活は高校生になっても変わることはなかった。
彼はいつだって孤独だった。

112: 名無しさん@おーぷん 2016/04/06(水)06:50:55 ID:vY5

この頃のジェフリーの楽しみは、自室に籠もってもっぱらハードロックやヘヴィメタルを鑑賞することだった。
とりわけ、ブラックサバスが彼のお気に入りだった。

ズンズン

ギュワンギュワン

彡(゚)(゚)(あぁ、やっぱええわ)

彡(゚)(゚)(刺激的な曲調に、セクシーなオジーの歌声)

彡(゚)(゚)(わいに取っては正にサバスや※) ※サバス:キリスト教の安息日のこと

『People think I'm insane because I am frowning all the time(みんなオレがイカれてると思ってる。オレがいつも眉をしかめてるからね)』

ズンズン

『All day long I think of things but nothing seems to satisfy(一日中物事を考え続けてるけど、オレを満足させる答えは見つからない)』

ズンズン

『Think I'll lose my mind if I don't find something to pacify(何か落ち着けるものを見つけられないと、オレはイカれちまう気がする)』

ズンズン

『Can you help me, occupy my brain?(助けてよ、オレの頭の中を満たしてくれ)』

彡(゚)(゚)……

彡(-)(-)……

115: 名無しさん@おーぷん 2016/04/06(水)13:27:21 ID:9a6
何の話かと思ったらまさかのジェフリー・ダーマー

117: 名無しさん@おーぷん 2016/04/06(水)22:32:51 ID:vY5

この日も夜遅くまで仕事が続き、職場を出たのはもう随分と遅い時間だった。
僕はバーで酒を一杯引っ掛けながら、夕飯代わりのハンバーガーを食べる。

バーを出て家に着いたのは、もう日付が変わろうかという頃だった。

(´・ω・`)……。

もう随分と『ただいま』なんてセリフは言っていない。

家庭という言葉に、多くの人は温かみを感じるだろう。
だが、この時の僕にとって家庭という言葉は冷酷で、重苦しく、ネガティヴなイメージしかなかった。

(´・ω・`)(ジョイスはもう寝たか)

(´・ω・`)(……ふぅ)

僕は家の中に貼られた一本のロープを跨いだ。
これは『僕の領域』と『妻の領域』を視覚化したものだ。
妻が僕の領域を侵したら、ロープに取り付けられた鈴がなり、僕に知らせる仕掛けである。

要するにこの頃の僕と妻は家庭内別居状態だった。

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118: 名無しさん@おーぷん 2016/04/06(水)23:12:15 ID:vY5

妻の病状回復に、僕もそれなりには努力したつもりだった。
だが、妻の精神状態は悪化の一途で、一時期は精神病院への入院を余儀なくされた程だ。

僕はもう、妻を諦めていた。

ここまで何とかやってこれたのは、2人の息子、ジェフリーとデイビッドが居てくれたおかげだ。

彼らがいなければ、僕はとうの昔に妻を置いて家を出てただろう。

(´・ω・`)(ん……こんな時間に台所の灯りが?)

119: 名無しさん@おーぷん 2016/04/06(水)23:13:25 ID:vY5

彡(゚)(゚) ……

彡(゚)(゚) グビッ

(´・ω・`)(ジェフか。一体何をしているんだ?)

ジェフが手にしていたのはウィスキーのボトルと、グラスだった。
薄暗い台所で、ジェフは独りで酒を飲んでいたのだ。

(´・ω・`)「……おい、ジェフ」

彡(゚)(゚) ……

(´・ω・`)「まだ、15だろ。酒を嗜むのは早いんじゃないのか?」

彡(゚)(゚) ……

彡(゚)(゚) グビッ

(´・ω・`;)「おい、聞いてるのかジェフ!」

僕が肩を掴むと、ジェフは静かにボトルとグラスをテーブルに置いた。

彡(゚)(゚) 「あぁ……聞いとるで」

ジェフはそう返すと、そのまま台所を出て行った。

(´・ω・`;)(……ジェフ)

心の支えであった息子の心でさえ、僕にはもう分からなかった。

120: 名無しさん@おーぷん 2016/04/07(木)00:24:33 ID:ORf
この終わりが分かっているからこその地獄感がヤバい

121: 名無しさん@おーぷん 2016/04/07(木)06:52:54 ID:esX

その日、ジェフリーは家の窓から、家の目の前の路地を眺めていた。

深い意味は無かった。
本当にただ眺めているだけだった。

彡(゚)(゚) (……)

彡(゚)(゚) (……)

それはほんの偶然だった

彡(゚)(゚) (……なんの音や?)

少年 タッタッタ

彡;(゚)(゚) ドキッ

家の前を1人の少年がジョギングしており、たまたまそこに居合わせた。
ただそれだけだった筈なのだが。

彡;(゚)(゚) ドキドキドキ

何事にも無感動な青年にある感情が芽生えた。
ジェフリーはその少年に心を奪われたのだ。

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122: 名無しさん@おーぷん 2016/04/07(木)06:58:18 ID:LrW
あっ…(察し)

124: 名無しさん@おーぷん 2016/04/07(木)07:18:02 ID:esX

ジェフリーは今日も自室にこもり、お気に入りのヘビィメタルと共にアルコールを口にしていた。

彡(゚)(゚)……

彡(゚)(゚)(忘れられへん)

彡(゚)(゚)(あの男の子は何処の子なんやろ?)

ジェフリーは子供の頃から、女性に性的魅力を感じなかった。
だが、良くも悪くも、彼の孤独な環境が彼がゲイであるという現実を突きつけずに済んだのかもしれない。

彡(゚)(゚)(あぁ、あの子と仲良くなりたい)

彡(゚)(゚)(あの子とセッXXしたい)

彡(゚)(゚)……

彡(゚)(゚)(せやけど、友達を作ることもできへんワイに恋人なんて)

彡(゚)(゚)(ましてや、男がワイと付き合ってくれることなんて、天地がひっくり返ってもあり得へんのやろな)

『あなた方は、不義の者が神の王国を受け継がないことを知らないとでもいうのですか。惑わされてはなりません。
淫行の者、偶像を礼拝する者、姦淫をする者、不自然な目的の為に囲われた男、男同士で寝る者、盗む者、貪欲な者、大酒飲み、ののしる者、ゆすり取る者はいずれも神の王国を受け継がないのです』
~新約聖書 コリントの信者への手紙Ⅰより~

キリスト教では、同性愛は神が罰する穢れた行為とされる。
当時のアメリカでは、同性愛者は神に見放された人種だった。

125: 名無しさん@おーぷん 2016/04/07(木)07:37:41 ID:esX

ズンズン

『You've seen life through distorted eyes(おまえは歪んだ目を通して人生を見てきた)』

ズンズン

『You've seen life through distorted eyes(でもおまえは知ろうとしない)』

彡(゚)(゚)グビッ

ジェフリーはひたすらに酒を呷る。

『Nobody will ever let you know(おまえが理由を聞いても誰も答えてくれない)』

ズンズン

『When you ask the reasons why
They just tell you that you're on your own(ただおまえは一人だと教えてくれるだけだ)』

彡(゚)(゚)……

父からも

母からも

友達からも

そして、神からも見放された人間。

それが青年のジェフリー=ダーマーだった。

126: 名無しさん@おーぷん 2016/04/07(木)07:51:33 ID:esX

『But you don't want to know(でもおまえは知ろうとしない)』

129: 名無しさん@おーぷん 2016/04/07(木)10:46:07 ID:oky
ハッピーエンドになるといいなぁ(白目)

130: 名無しさん@おーぷん 2016/04/07(木)12:50:22 ID:chK
続きあく

132: 名無しさん@おーぷん 2016/04/08(金)09:07:14 ID:vrE

あの日以来、ジェフリーは家の周囲をうろついてはあの少年を探していた。

彡(゚)(゚)(……なかなか会えへんな)

彡(゚)(゚)(……あ)

道の先にようやく少年を見つけることができた。

彡;(゚)(゚)(アカン、どうしよう)

彡;(゚)(゚)(ワイはあの子と仲良くなりたいんや、声をかけな…)

彡;(゚)(゚)(せやけど……)

『ゲイ?気持ち悪いんだよ!』

『この人、怖い』

『うわっ、絶対コミュ障だよこいつ』

彡;(゚)(゚)ドキドキドキ

少年 トコトコ

彡;(゚)(゚)「あ………ぁ」

少年は過ぎ去り、結局ジェフリーは何もする事ができなかった。

自分の愛する人間に拒絶されるのが怖かったのだ。
そして何より、彼は自分のことを拒絶されるべき人間だと感じていた。

133: 名無しさん@おーぷん 2016/04/08(金)09:28:23 ID:vrE

~リビア高校~

同級生『おい、ジェフリーの奴を見ろよ』ヒソヒソ

同級生『アイツ、学校で酒飲んでるぞ』ヒソヒソ

彡(゚)(゚) …グビッ

ジェフリーはコーヒー用の紙コップにウィスキーを注ぎ、教室でそれを飲む事があった。

同級生『ヤバいよなあいつ、いつも1人でいておとなしいのに』ヒソヒソ

同級生『アイツ絶対やばい奴だって…』ヒソヒソ

彡(゚)(゚) チラッ

同級生『あっ……』

同級生『;;;』

彡(゚)(゚)(……)

ジェフリーの飲酒を同級生はみんな知っていた。
だが、誰も彼を咎めなかった。

いや、『咎めてくれる友人』が居なかったのだ。
いつも孤独で無表情で何を考えているか分からないジェフリーに、誰も関わろうとはしなかった。

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135: 名無しさん@おーぷん 2016/04/08(金)09:31:22 ID:vrE

教師「えー、解剖学では大きく分けて、骨格と循環器とに…」カキカキ

彡(゚)(゚)「メェ~」

教師・同級生『!?』

教師「ど、どうしたダーマー?」

同級生 ザワザワ

彡(゚)(゚)「メェ~!メ゛ェ゛~~!!」

教師「おい、やめろダーマー!!」

同級生 ザワザワザワザワ

彡(゚)(゚)「メ゛ェ~!!メ゛ェ゛~!!メ゛ェ゛~!!」

教師「やめんか!!!」

ジェフリーは突如動物の鳴き声を真似るなど奇行に走る事があった。

そんな彼を中には面白がるものもいたが、教師を含め大多数の人間が彼を問題視していた。
当然、学業の成績も振るわなかった。

このような奇行は、孤独な彼が考え得る、注目を集める唯一の方法だったのかも知れない。

136: 名無しさん@おーぷん 2016/04/08(金)09:45:24 ID:vrE

(*゚ー゚)「えぇ、はい、はい。そうですか、えぇ。大変申し訳ありませんでした。本人にはよく言って聞かせます。はい、失礼します…」

ガチャ

(*゚ー゚)「……ふぅ」

(*゚ー゚)(また学校から苦情の電話)

(*゚ー゚)(いったいどうなってるのよあの子は)

ジェフリーはリビングのソファーに座りながら、呆っと窓の外を眺めていた。

(*゚ー゚)「ジェフ、また苦情の電話よ!どういう事なの!?」

彡(゚)(゚)……

(*゚ー゚)「ちょっと、聞いてるのジェフ!?」

彡(゚)(゚)「…ちょっとフザけただけだよ。ただのジョークさ」

(*゚ー゚)「ジョークで授業を妨害するのはやめなさいって言ったでしょ!!」

彡(゚)(゚)「ユーモアが欠乏してるんだよ、みんな」

(*゚ー゚)「とにかく!!2度とこんなふざけた事はしないで!!」

彡(゚)(゚)「…あぁ」

(*゚ー゚)「まったく!!誰に似たのかしらね!!」

バタンッ

137: 名無しさん@おーぷん 2016/04/08(金)09:52:13 ID:vrE

母親の説教などジェフリーの頭には入っていなかった。
この時の彼の頭を占めていたのは“あの少年”だった。

彡(゚)(゚)(いつもワイの心にはあの子がおる)

彡(゚)(゚)(無理だとわかっていても忘れられへん)

彡(゚)(゚)(触れたい、キスしたい、セッXXしたい)

彡(゚)(゚)(傍にいて欲しい)

彡(゚)(゚)(せやけど、もしワイの気持ちを伝えて、あの子にまで学校の連中みたいな視線を向けられたら…)

彡(゚)(゚)(あの子にまで罵られたり、拒絶したりされたらワイは…ワイは……)

彡(゚)(゚)(………)

彡(゚)(゚)(それなら、力尽くでも……)

138: 名無しさん@おーぷん 2016/04/08(金)10:03:18 ID:vrE

この日、ジェフリーはバットを携えて近所の茂みに身を潜めた。

既に少年の自宅や、行動範囲はあらかた調査済みだった。
計画は周到だ。

後は、いつも通り人気のないこの茂みの前の路地に少年が出てきた所をバットで殴り、気を失わせ、そして暴行するだけだった。

彡(゚)(゚)(……)

彡(゚)(゚)(このバットであの子の後頭部を強打する)

彡(゚)(゚)(あの子が気を失った所で茂みに引き刷り込んで暴行する)

彡(゚)(゚)(……その後は)

彡(゚)(゚)(その後は……)

トコトコ

彡(゚)(゚)(あ…)

彡;(゚)(゚)(来た…)

少年「~?」

彡;(゚)(゚)(今や……っ!!)

トコトコ

彡;(゚)(゚)(ダメや!ダメや!!)

彡(゚)(゚)(やっぱりこんなことできへん!!)

この時、ジェフリーはすんでの所で凶行を自制する事ができた。
だが、彼の中にある歪んだ願望はこの頃から急速に増大していったのだった。

142: 名無しさん@おーぷん 2016/04/08(金)12:20:06 ID:tLT
ここからが本当の地獄だぁ……

143: 名無しさん@おーぷん 2016/04/08(金)20:52:54 ID:Y34
きっと少年と結ばれてハッピーエンドやろなぁ(白目)

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144: 名無しさん@おーぷん 2016/04/09(土)07:02:22 ID:h62

(*゚ー゚)「ライオネル!!アナタ何度言わせるのよ!!アンタのせいで家庭はメチャクチャよ!!」

(´・ω・`)「このロープから先に入ってくるなと言っただろ、ジョイス」

(*゚ー゚)「そんなロープがなんだっていうの!?私はアナタよせいで身も心もボロボロなのよ!!」

(´・ω・`)「君と接していると、僕もイカレてしまいそうだよ」

(*゚ー゚)「なんですって!?私だけじゃないわ!!アナタのせいでジェフまでおかしな子に育ってしまったじゃない!」

(´・ω・`;)「おい!自分の子になんて事を言うんだ!!」

(*゚ー゚)「本当の事よ!!あの子、見た目だけじゃなく、中身まであなたにそっくりね!」

(´・ω・`;)(こいつ……)

この時、僕は悟った。
僕はもうジョイスと共にはいられない。
一刻も早く離れなければと思った。

僕はカバンに適当に着替えを詰め込むとその日の内に家を出た。
もうこの家に未練などなかった。

152: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)00:24:18 ID:9Hk

デイブ「パパ、今日も帰って来ないのかな……?」

(*゚ー゚)「私達はあの男に見捨てられたのよ。でも大丈夫よ、ママが付いてるからね」

デイブ「うん……」

(*゚ー゚)「よしよし」

ガチャ

彡(゚)(゚)「……」

(*゚ー゚)「あら、遅かってじゃないジェフ」

母親と弟のデイビッドが抱き合う姿を、帰宅したジェフリーは無表情で見つめていた。

(*゚ー゚)「ジェフ、私決めたわ。ライオネルを裁判所に訴える事にしたの!あの男はあなた達の父親としての責任を全く果たしていないんですもの!」

彡(゚)(゚)「……そう」

(*゚ー゚)「『……そう』って、あなたもあの男に見捨てられたのよ!?裁判になったら、あなたもママと一緒にあの男を訴えるの!!」

彡(゚)(゚)「……」

(*゚ー゚)「ちょっとジェフ!!」

ジェフリーは母親の言葉を無視して自分の部屋へと戻った。

彡(゚)(゚)「……」

カチャッ

ズンズン?

部屋に引きこもり、レコードをかけながら酒を呷る。
もはや、ジェフリーの居場所はこの部屋しか存在しなかった。

154: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)00:36:26 ID:9Hk

~リビア高校~

同級生『もうすぐ卒業だね!』

同級生『だな、卒業パーティーが楽しみだぜ』

同級生『パーティーには誰をエスコートする?ジェニファーはもうオレの先約が入ってるぜw』

同級生『オレの相手は……お前だよサム!』

同級生『ゲェェ!!ゲイかよお前w』

同級生『おお神よ、この小男ジョージは自然の摂理に背く穢れた存在です。どうかその寛大なる御心で救いたまえ!アーメン』

同級生『やめろやw』

彡(゚)(゚)「……」

同級生『ダンスの相手もそうだけど、オレは卒業プレゼントが楽しみだぜ!何せ、車を買ってもらう予定だからな』

同級生『マジかよ!俺の親父じゃ精々スクーターが関の山だぜ』

同級生『おれんちは、卒業の記念に家族でハワイの予定だぜ』

同級生『お、いいねぇ!!』

彡(゚)(゚)「……」

同級生 ガヤガヤ

もうすぐ、ジェフリーの高校生活は終わろうとしていた。
だが、彼には学校での思い出を共に振り返る仲間などいなかった。

155: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)00:49:05 ID:9Hk

彡(゚)(゚)「……」

だが、この時ジェフリーは1人の女性に声をかけていた。

彡(゚)(゚)「……やぁ」

女子「え、どうしたのジェフリーくん」

彡(゚)(゚)「今度の卒業パーティー、ダンスをする相手は決まっとるん?」

女子「ま、まだだけど」

彡(゚)(゚)「……よかったらワイにエスコートさせてくれへんか?」

女子「え?」

彡(゚)(゚)「ダメか……?」

女子「うーん……まぁ、いいわよ」

彡(^)(^)「ありがとやで」

クラスの中で孤立していたジェフリーであったが、この時彼は卒業パーティーのダンス相手に女性を誘っていた。

自身の歪んだ性癖や、自身を取り巻く厳しい現実と、この時ジェフリーは彼なりに闘っていたのかも知れない。

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156: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)01:01:18 ID:9Hk

あれ以来、僕は家には帰らず、もっぱら安いモーテルに寝泊まりしては生活していた。

(´・ω・`)「ジョイスの金切り声を聞かずに生活できるというは、どれほど幸せなことなのだろうか」

僕はモーテルでの生活をそれなりに楽しんでいた。
だが、それでも気がかりはあった。

(´・ω・`)(レオとデイブは元気にしているだろうか……?)

我が子をあの家に残して自分だけ逃げ出したこと。
そこに罪悪感がないはずがない。

157: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)01:02:18 ID:7yE
見とるで

158: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)06:00:29 ID:sPd
三人兄弟なんか?

159: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)06:46:04 ID:9Hk

父ライオネル(レオ)
妻ジョイス
長男ジェフリー(ジェフ)
次男デイビッド(デイブ)

162: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)07:12:51 ID:pB2
>>159
(´・ω・`)(ジェフとデイブは元気にしているだろうか……?)
こうか

163: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)07:18:48 ID:9Hk

>>162
yes

161: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)07:02:52 ID:R6v
続きあく

164: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)07:18:55 ID:9Hk

ガチャガチャ

(*゚ー゚)「デイブ、その洋服は全部キャリーバッグに詰めてちょうだい」

デイブ「はい、ママ」

(*゚ー゚)「ジェフ!あなたもボサッとしてないで荷造り手伝いなさい!」

彡(゚)(゚)「……」

(*゚ー゚)(あの子、ソファーに座ったきり何もしないでボーッとしてる)

(*゚ー゚)「ジェフリー!!」

(*゚ー゚)「あなたも私達とこの家を出るのよ!早く荷物をまとめてちょうだい!」

彡(゚)(゚)「……」

(*゚ー゚)「……あなた、もしかしてここに残る気なの?」

彡(゚)(゚)「……」

(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「いいわ、あなたももう18歳よ。自分の道は自分で決めなさい」

その数日後、ジョイスは次男であるデイビッドを連れて家を出て行った。
ジェフリーを独り残して。

165: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)07:31:43 ID:9Hk

~リビア高校卒業式~

合衆国国家が流れ、卒業していく生徒達の姿を父母たちが見守る。

涙を流す者。
笑やがら友人や家族と抱き合う者。

まるで、多くの人々が互いの絆を確かめ合うかのように。

だが、ジェフリーは違った。
彼の元には誰一人として卒業を祝福する人間は居なかった。

彡(゚)(゚)

この時のジェフリーの心境など、語るまでもないだろう。

166: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)07:41:03 ID:9Hk

~卒業パーティー~

同級生『卒業おめでとー!!』

同級生『良かったなぁ、サム。ちゃんと女子をエスコートできてw』

同級生『ゲイだから、カモフラージュしてんだろ?』

同級生『えっ、サムってゲイなの!?気持ち悪い!』

同級生『やめろよ!!俺はちゃんと女の子が好きだ。中でも君のことが大好きなんだ。ジェニf』

同級生『おい、あれ見ろよ』ヒソヒソ

同級生『なんだよ人が抱き時なことを言おうとしてるのに!』

同級生『あれだよ、あれ。ダーマーが女子をエスコートしてるぜ』

同級生『えっ、あの孤独の変わり者が!?』

同級生『てゆーか、アイツ卒業パーティー来たんだ』

彡;(゚)(゚) ドキドキ

女の子「ちょっと、ジェフ。凄い緊張してるみたいだけど大丈夫?」

彡;(゚)(゚)「あ、あぁ…」

女の子「しっかりしてよね?エスコートした男子がリードしてくれないと困るわ」

彡;(゚)(゚)「……」

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167: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)08:08:01 ID:9Hk

BGMが切り替わり、生徒達がペアの手を取りダンスを始めた。

女の子「ジェフ」

彡;(゚)(゚)「ほ、ほな」

女の子の手を取るジェフリー。
だが、交友の少ない彼に、今まで女子をエスコートしてダンスした経験など無かったし、マナーをまともに教えてくれる家族も彼には居なかった。

女の子「痛っ!!ちょっと!今私の足を踏んだわよジェフ!!」

彡;(゚)(゚)「ゴゴゴ、ゴメンやで」

女の子「ダンスくらいちゃんと練習してきてよね!!」

同級生『プークスクス』

女の子「もう!」

彡;(゚)(゚)……

168: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)08:09:17 ID:9Hk

こうして、ダンスタイムは終わった。
やがて、司会がマイクを持つと、家族から卒業生へのプレゼントの授与が行われた。

卒業生へ家族からのメッセージが読み上げられると様々な贈り物が渡される。

プランド物のバッグ

新生活を始めるための家電製品

中には乗用車のプレゼントもあった

彡(゚)(゚)

ジェフリーの元にはプレゼントはおろか、メッセージカード1つすら届く事が無かった。

女の子「ねぇ、見てジェフ!パパとママったらこんなに大きな花束をくれたの!!持ちきれないわ」

彡(゚)(゚)「……良かったね」

女の子「ところでジェフ、あなたは何を貰ったの」

彡(゚)(゚)「……何も」

女の子「えっ…?」

彡(゚)(゚)「……」

ジェフリーは無言のまま会場の外へと歩き出した。

169: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)08:09:52 ID:9Hk

女の子「ちょっと待ってよジェフ!」

エスコートした女の子を会場に残し、ジェフリーは近くのファーストフード店へと逃げ込んだ。

家族や友人との愛に溢れるあの場の空気に、ジェフリーはもう耐えきれ無かった。

彡(゚)(゚)……

彡(゚)(゚)(ワイが何をしたんや)

彡(゚)(゚)(ワイにはもう父ちゃんも母ちゃんもおらへん)

彡(゚)(゚)(そばで笑ってくれる友人もおらへん)

彡(゚)(゚)(女の子を好きになれへんけど、いっぱしの男らしく頑張ってエスコートしてみた)

彡(゚)(゚)(せやけど、何もかもうまくいかへん!!)

彡(;)(;)(なんでワイはこんなにも孤独なんや!なんでワイは男が好きなんや!)

彡(;)(;)(なんでなんや!!)

多くの人にとって感動のイベントである卒業。
だが、彼にとっては孤独を深め、心を傷つける物でしか無かった。

170: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)08:13:21 ID:aoJ
悲しい世界

171: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)09:10:38 ID:R6v
かなc

172: (´・ω・`) 2016/04/11(月)09:22:29 ID:ZXJ
奇行が目立つクラスメートのエスコートに応じた女の子ぐう聖やな

176: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)15:33:47 ID:9Hk

ハイスクールの卒業から数日後。
ジェフリーは車で郊外のスーパーマーケットへ買い物に出かけていた。

彡(゚)(゚)(とりあえず酒やな)

彡(゚)(゚)(あとは、食料品と何買ったろ…)

車を駐車場に停め、大通りに出た時、彼は一人の青年に出会った。

痩躯にリュックサックを背負い、その青年はどうやらヒッチハイクをしているようだった。

彡(゚)(゚) ……

ジェフリーは無言でその男を見つめていた。

彡(゚)(゚)(なんて素敵な人なんやろ…)

一目惚れだった。
考えるより先に、気がつけば声をかけていた。

彡(゚)(゚)「やぁ」

何故だか、この時ジェフリーは至って自然に声をかける事ができた。
まるで、運命が誘うかのように。

彡(゚)(゚)「君、ヒッチハイカーみたいやけど?」

青年「今、ライブ帰りなんだけどさ、金がなくなっちまったんだ!んで、家まで送ってくれる天使を待っているところなんだよ」

彡(^)(^)「なるほど、どうやらその天使とはワイの事のようやな。ちょうど買い物帰りで暇しとったんや」

青年「本当かい?いやー、今日は付いてるぜ神様!」

彡(^)(^)「ほんま、今日はついてるで。この出会いを神に感謝やな」

この時、ジェフリーは本当にそう感じていた。
一目惚れした見ず知らずの男と、いきなりドライブする機会に巡り会えた。

これを運命と言わずなんと言えばいいのだろうか?

177: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)15:48:53 ID:9Hk

『Destiny whispered to him "Be a murder" And "kill yourself in the end".』

『 It isn't possible to resist. 』

『You can't also retrogress.』

『 Because that's destiny.』

179: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)16:09:29 ID:9Hk

ジェフリーは青年を車に乗せると、エンジンをかけた。

彡(゚)(゚)「ワイはジェフリー言うんや。ジェフと呼んでくれてかまへんで」

青年「俺はヒックス!よろしくな、天使の兄ちゃん」

彡(゚)(゚)「ライブ帰りや言うてたけど、どんな音楽を聴くんや?」

青年「何ってそりゃーロックよ!激しければ激しいほどいいね!」

彡(゚)(゚)「ほんま!?実はワイも大好きなんや!メタルは聴きよる?」

青年「もちろん!オジー=オズボーンは俺の神様だ!」

彡(゚)(゚)「うおおお!メッチャ気があうやん!!ワイもブラックサバス大好きなんや!!」

青年「本当かい!?兄さん大人しそうなのにいい趣味してるねー!!」

偶然にも2人の音楽の趣味は似通っていた。
互いの好きな曲について盛り上がる2人が打ち解けるのに、そう時間はかから無かった。

180: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)16:14:46 ID:wFZ
ここからが本当の地獄だ…

181: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)16:15:10 ID:3dz
よし救われたな!

185: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)16:21:47 ID:U0F
心が通じ会える人に初めて出会えたんだね……
大切にしろよ、ジェフ

186: 名無しさん@おーぷん 2016/04/11(月)16:22:26 ID:fNn

>>185
ある意味大切にしたね(ゲッソリ)

203: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)07:39:49 ID:YdB

青年「やっぱこの社会はどうしようもないゴミなんだよ!メタルはやっぱこのクソな現実を打破する力をくれるんだ」

彡(^)(^)「ホンマや!こんなに人と気が合うなんて初めてやで!」

それはジェフリーの本心からの言葉だった。
人生で初めて親友になれるかも知れない人に出会えた。

何よりもう、ジェフリーは彼に心を奪われていた。
彼をこのまま返して縁を切らせては絶対に後悔するとジェフリーは悟った。

彡(^)(^)「ヒックスは酒飲むんか?」

青年「もちろん!マリファナをやりながらの酒!最高だね」

彡(^)(^)「ほんま気が合うな!ワイもマリファナと酒が大好きなんや」

青年「ほんと、見かけによらないねー!」

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204: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)07:40:19 ID:YdB

彡(^)(^)「ヒックスは帰りを急いどるんか?」

青年「ん?いや、そーでもないけど」

彡(^)(^)「ほな、ウチに少し寄っていかへんか?すぐ近くにあるんやけど、酒もマリファナもあるで!もちろん、オジーのレコードもや」

青年「本当に!?いやー、でも流石に悪い気が」

彡(^)(^)「ええんやって。これも何かの縁や」

青年「じゃあ、お言葉に甘えて!」

こうしてヒックスはジェフリーの家へ誘われる事になった。

205: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)07:40:57 ID:YdB

2人はブラックサバスの曲を大音量でかけながら語り合った。
マリファナを吸いながら酒を飲み上機嫌な2人の話は尽きなかった。

ジェフリーにとって、どれ程幸福な時間であったろう?
どんな場所にも居場所がなかった彼が初めて心を分かち合える相手ができたのだ。

青年「そうか、父親も母親も家を出ていって、残るのはジェフ、君だけなんだな!」

彡(゚)(゚)「そうなんや。この世はイカサマや。ワイはずっと孤独なんや」

彡(^)(^)「せやけどヒックス!君はワイの求めていた全てや!」

青年「ハハハ、オレは君のマドンナのようだな!」

彡;(^)(^)「冗談とちゃうで!ワイは本気や!」ガシッ

ジェフリーは青年の手を固く握った。

青年「えっ……あ、うん」

彡;(^)(^) ハァハァ

青年(……コイツ、もしかして)

206: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)07:41:34 ID:YdB

彡;(^)(^)「そんなに急がんのやったら今日はワイんちに泊まって行ったらどうや?酔いもまわっとるやろ?」

彡;(^)(^)「あっ!先にシャワー浴びてきたらどうや?」ハァハァ

青年「いや、えーと、気持ちは嬉しいんだけど…」

彡;(^)(^)「遠慮することないやで!」ハァハァ

青年「あ、そうだ!」

彡;(^)(^)!?

青年「そう言えば、今日は親父の誕生日パーティーをするんだった!!」

彡;(^)(^)「え…ヒックス??」

青年「すっかり忘れてたよ!本当にありがとうな兄さん、楽しかったよ!!」

彡;(^)(^)「なんでやヒックス、ワイといようや!!」

絶対に帰したくないとジェフリーは思った。
こんなにも楽しい時間を失うのが彼には耐えられなかったのだ。

もう、あんなどうしようもなく孤独な生活に戻りたくなかった。

207: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)07:42:28 ID:YdB

青年「じゃあ、荷物まとめて帰るよオレ」

彡(^)(^)「……アカン」

青年「……へ?」

彡(●)(●)「アカンのや、ヒックス」

ジェフリーは近くにあった金属製のダンベルを手に取ると、それで青年の後頭部を強打した。

鈍い音と共に倒れる彼を見ながら、耐え難い激しい感情が沸き起こった。
今まで抑えてきた彼の歪んだ感情はこの時爆発し、混ざり合い、そして一つの形になった。

初めての性行為は死体とだった。
死体は逃げないし、彼を侮蔑することもなかった。まさに理想の恋人だった。

彡(●)(●)

ジェフリーは子供の頃を思い出していた。
動物の死体を解体していた時のあの恍惚を。
彼はナイフ持ってくると青年の肉体に刃物を突き立てた。

血が滴り、ジェフリーの体を赤く染め上げる。
青年の体内から内臓を取り出し、床にぶちまけた。
この時、彼はこの世のものとは思えぬ快感を覚えていた。

彡(●)(●)(なんて美しいんだ)

室内にはレコードが流れ続けていた。

ズンズン

『The gates of life have closed on you(人生の門はおまえには閉ざされてる)』

彡(●)(●) グチャ… ギチャッ…

ズンズン

『And now there's just no return(今では戻ることもできない)』

208: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)07:47:15 ID:YdB

~第2部 『もう戻れない道』完~

215: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)12:24:58 ID:MQc
>>208
好青年って感じなのになぁ
悲しいなぁ

209: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)07:47:57 ID:8GJ
ヒェッ…

212: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)07:54:24 ID:YdB

一応
~95 第1部
~208 第2部

213: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)09:53:01 ID:y6o
ついにやりやがった…

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218: 名無しさん@おーぷん 2016/04/12(火)18:16:46 ID:n6y
一番後悔した出来事なんだよなぁ…

336: 名無しさん@おーぷん 2016/05/23(月)09:41:43 ID:QGw

家を出て行ってから1年ほどが過ぎた。
僕はかねてより懇意にしていた女性と正式に付き合うようになっていた。

シャリと言う名の彼女は僕の家庭事情を知り、それでもなお僕を励ましてくれた。
ジョイスと違い明るく人情味のある女性だった。

(´・ω・`)「シャリ、話があるんだ」

シャリ「どうしたのレオ?」

(´・ω・`)「僕と結婚して欲しい」

シャリ「……」

(´・ω・`)「僕は前の家庭では夫としても父としても不十分だった」

(´・ω・`)「正直もう、家庭なんてウンザリだと思っていたよ」

シャリ「……」

(´・ω・`)「でも、君が僕を支えてくれて気づいたんだ。僕の望みは君と家庭を築きたいんだって」

(´・ω・`)「僕と結婚してほしい」

シャリ「……」

(´・ω・`;)ドキドキ

シャリ「…………もちろんよ」ニッコリ

(´^ω^`)「シャリ!」

こうして僕はシャリと再婚した。
今度こそ明るく幸せな家庭を築くんだと、僕は心に誓っていた。

337: 名無しさん@おーぷん 2016/05/23(月)09:50:39 ID:QGw

新しい妻との再出発は順風満帆かに思えた。
だけど、そこには大きな気がかりがあった。

シャリ「これから家庭生活を続けていくに、私のアパートじゃ手狭ね」

(´・ω・`)「僕のウチに住もう。名義は僕のままだし、ジョイスもデイビッドを連れてウィスコンシンに帰ったからね」

シャリ「デイビッド君は次男くんよね?長男くんはまだ家にいるのかしら」

(´・ω・`)「うん…たぶんね」

シャリ「たぶんてアナタ。…連絡してないの?」

(´・ω・`)「たまに電話はしていたんだが、最近は電話に出なくてさ」

シャリ「それ、大丈夫なの?」

(´・ω・`)「ジェフは物静かだが、賢い子だ。もう成人しているしどうにかやっているよ」

シャリ「でもまだ十代なんでしょう?」

(´・ω・`)「うん」

シャリ「まぁいいわ。長男くんとは一度会って話すべきよ。それから親子としてやり直せばいいわ」

(´・ω・`)「……そうだね」

339: 名無しさん@おーぷん 2016/05/23(月)10:01:27 ID:QGw

こうして僕は1年ぶりに家に帰る事になった。
ジェフに配慮し、シャリを連れずに僕一人での帰宅だった。

(´・ω・`)「なんだか不思議な気持ちだ」

(´・ω・`)「自分の家なのに、まるで他人の家の前に立っている気がする」

門扉はまるで重苦しい壁のように感じられた。

(´・ω・`;)(…………このまま立ち往生していても仕方がないか)

(´・ω・`;)「おーい、ジェフ!パパだー!入るぞー!」

そう言いながら僕はドアの鍵を開け、家の中へと入っていった。

(´・ω・`;)(レコードが流れている。ジェフが好きなロックだな。という事はジェフは居るみたいだ)

(´・ω・`;)「おーい!ジェフ!」

僕がどんなに大きな声で呼んでも返事はなかった。

340: ■忍法帖【Lv=7,マドハンド,X9U】 2016/05/23(月)10:05:46 ID:ck8
あぁ怖E

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