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658 :霊能犬ゴロ:2012/04/20(金) 00:32:40.83
これはうちの飼犬とハタメイワクな友人の話。
うちは柴犬(♂)を飼っている。
今年で10歳になるのでけっこうな老犬だ。
名前はゴロ。
今どきこんな昭和的な名前を付けるのもどうかと思うが、
我が家では犬の名前は『チビ』『ゴロ』『ジロ』のどれかに決めてるらしい。
理由を親に聞いてみると、
「この名前を付けると、我が家ではどういうわけか長生きしてくれるから」
とのことで、まあ縁起担ぎみたいなもんだろう。
ところで犬というのは面白いもので、
時々何もない空間に向かって吼えたり、そうかと思えば突然尻尾を巻いて逃げたりする。
うちのゴロはどうも他の犬に比べそういう不思議行動が多いようだ。
犬は嗅覚と聴覚が発達しているので、人間には感知できない臭いや音に反応しているだけだと言う人も多いが、
うちのゴロはどうもそれだけではないらしい。
ゴロは風下の何もない空間に向かって吼えることも多々ある。
659 :霊能犬ゴロ:2012/04/20(金) 00:33:31.20
ゴロがまだ小さい頃の話、公園を散歩しているといつものようにゴロが空中に向かって吼えた。
「ほぉ、それが見えるか」
突然言葉をかけられ声の方向を見るとオッサンがいた。
「何が見えるんですか?」
そう聞くとオッサンは、
「なんだかよくわからないものが見えるよ」
そう答えた。
「幽霊とかですか?」
「さあ、なんだろうね。ワシには見えてるというだけで、その正体まではわからんよ」
「どんな形ですか?」
「なんかモコモコして雲みたいなやつだよ」
なんか胡散臭いオッサンだな・・
そう思ってたら、オッサン俺の心を読んだのか、
「犬連れて向うの桜の方にいってみな」
「行くとどうなるんですか?」
「さあ?吼えるか逃げるか尻尾ふるか、どうなるかはわからんw」
なんなんだと、まだ空中に向かって吼えているゴロを引きずって桜を目指す。
が、途中からゴロが自ら走って桜に向かった。
しかし途中でピタリと止まり全力で桜に向かって吼えた。
俺はなおも桜に近づこうとゴロをひっぱると、
キャイン!
ゴロは情けない声で鳴いて、その場から逃げようとした。
俺はまたオッサンのところに戻って聞いてみた。
「いったい何が見えてるんですか?」
「動物ぽい何かだな。でもよくわからん。
クッキリと見えるわけじゃないんだし、見えても正体わからんだろうな。
ワシはオカルトの専門家じゃなく、ただ見えるだけだから」
そう言ってオッサンは去っていった。
このことがあって、ゴロには常人には見えない何かを見る能力がある霊能犬であることを確認できたわけだ。