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861: ↓1/2:21/12/11(土) 11:26:01 ID:nHoK
完全なるもの 作者:瀬川乃里子
主人公は男子大学生。
ひょんなことから、大人しくて体の弱い同級生A(♂)と親しくなる。
Aを主人公を家に連れていき、父親の研究室に案内した。
研究室内には、奇形のトカゲみたいな生き物が放し飼いにされていた。
A「父は病弱な僕のために、新しい健康な体を作ってるんだ。
今のところ、失敗ばかりだけど。
その子(トカゲ)はルクだよ。失敗作だけど知能が高いから、処分しなかったんだ」
と話した。
そこへA父が帰ってきて、主人公は追い出された。
しばらく後、Aは病死した。
A父は死んだAを新しい体に移植し、Aは健康になって復活した。
復活したAは、喜怒哀楽など、一切の感情を感じられなくなっていた。
862: ↓2/2:21/12/11(土) 11:26:17 ID:nHoK
A父は
「お前は感情に振り回され過ぎる。新しい体にそんな弱さは不要だから、取り除いた」
と話した。
Aは
「喜びも悲しみも感じないのでは、生きている意味がない!」
と言って、ナイフを持ってA父に襲い掛かり、殺した。
ルクはすべてを見ていた。
急いで家から抜け出し、助けを求めて主人公に会いに行った。
主人公は異変を察し、ルクを連れてAの家に行った。
A父の死体の横に、虚脱したような表情のAが立っていた。
「父を殺しても何も感じない。父より好きな君を殺したら、少しは悲しいかな」
と言って、ナイフを手に襲い掛かってきた。
ルクは必死でAを止めようとし、最後には、失敗作を溶かすための酸のプールにAと一緒に落ちた。
一人と一匹の体は完全に溶け、後には何も残らなかった。
主人公は、Aが『丈夫で健康な体になれたら、あんなことがしてみたい、
こんなこともしてみたい』と目を輝かせて話していたことを思いながら、去っていく。