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864:本当にあった怖い名無し:2013/08/16(金) 02:09:10.55 ID:UzajEc490
『キノの旅』の「コロシアム」
喋るバイクを相棒に当ての無い旅をする、銃の腕が立つ旅人が主人公
ある日旅人は風光明媚で有名なある国に入国すると、いきなり参加番号を言い渡された
どういう事か旅人が入国審査に携わる兵士に尋ねると、『3か月に一度、この国の市民権を獲得するための勝負がある』と説明される
風光明媚だったこの国は、7年前に前国王の実の息子が父(前国王)や親族を皆殺しにし、そして息子が新たな国王に収まり、
かなり自堕落でエキサイティングな国へと生まれ変わったという
それ以来この国への移住を望むエキサイティングな人が増えたため、コロシアムで勝負し、
最後に残った優勝者には市民権及び国のルールを一つ付け加えれる権利が与えられる
勝負へのエントリー期間中に来る人のほとんどは市民権獲得の為にやってくるが、
稀に国が変貌したことを知らないでエントリーされる人がいると兵士は話す
865:本当にあった怖い名無し:2013/08/16(金) 02:11:06.02 ID:UzajEc490
もし勝負が嫌でエントリーを破棄するとこの国の奴隷として一生を終る事になり、
そしてこちらが棄権を申しても、相手がそれを認めなければ棄権できない
以前、ある夫婦が旅人と同じように知らずに入国しそのままエントリーされ、まさかの一回戦目で夫婦対決を余儀なくされた
妻は夫のおかげで棄権できたものの、自動的に勝ち進んだ夫の方は2回戦目に殺されたのは傑作だったと兵士たちは爆笑する
それを聞いていた旅人が珍しくキレていたのに、相棒のバイクは気が付いた
旅人は笑いこける兵士たちを銃で脅し、勝負にエントリーする事を伝える
勝負の内容は省くが、「決勝戦まで勝ち進んだ旅人が、対戦相手との勝負中の事故に見せかけて国王の頭部を銃で破壊。
対戦相手は気絶したふりをしてくれたので、勝者になった旅人が、『国王が死んだから、国王になりたい市民たちで勝負し、
最後の一人が新国王になる』という新ルールを作って出国」という流れになる
866:本当にあった怖い名無し:2013/08/16(金) 02:13:08.43 ID:UzajEc490
で、後味悪いというのは、主人公である旅人がこの国へ行こうと思ったきっかけの話
上記の後、湖で休んで小石を湖に投げている旅人に、相棒のバイクがふと思い出した事を訊く
「前に、馬車に乗った若い夫婦が、今から素敵な国へ行くって言ってたよね?」
「言ってた」
「その後、どこかで奥さんに会ってたよね? 奥さん、一人だった」
「ああ」
「そして笑顔でこう言った。『とても素晴らしい国でした。ぜひ訪れるべきですよ』って」
「ああ。その通りさ」
バイクにそう答えた旅人は、近くにあった一抱え位ある大きな石を湖の中に投げ込む
旅人にわざわざ嘘ついてまでその国を薦めた奥さんは、単純に狂っていたのか、
はたまた夫の敵討ちとして旅人を利用したのかわからないが、後味悪い