384: 本当にあった怖い名無し:2009/02/13(金) 17:30:07 ID:O74ZDTCH0
かなり前に読んだ漫画なので自分で作ってるところもあるかも。
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その国では殺人を犯すと本人のみならず親・配偶者・子供まで死刑になる法律がある。
大人の処刑は見せしめのため公開され、子供は城の奥で執行される。
あまりにも残酷で理不尽な刑に怒りを覚えた青年は城に忍び込み王に手をかける。
瀕死の状態ながらも王は「家族も同罪なのになぜ」と問う。
「自分は孤児で独身、誰にも迷惑をかける事はない。
何の罪もない人間の命まで奪うお前のやり方が許せない」と答える青年に
「それではお前がやってみろ…」と王家の首飾りを渡し、王は生き絶える。
騒ぎを聞いてかけつけた側近達は青年が首飾りを手にしてるのを見て彼を次期王とする。
王になった青年が法律を本人のみ死刑に変更すると
今まで家族のためにと我慢していた人々がこぞって罪を犯し殺人は急増、
残された家族も周囲からの偏見やいじめで辛い日々を過ごす。
悩んだ青年はふと自分が育った孤児院を訪ねる。
シスターと昔話をしようとすると「今日は王としてお忍びで視察に来たのではなかったのか」と問われる。
実は子供の処刑というのは建前で、全員がこの孤児院へ送られ別人として育てられていた。
罪人の子として余計な苦労を背負わず新しい人生を送れるようにとの前王の配慮であり、
青年自身も殺人者の子供であったと知る。
再び法を元に戻すと殺人は激減する。しかし、無くなりはしない。
奪う命も奪われる命も同じはず、家族を巻き込んでまでも殺人は無くならないと人間の愚かさに悩む青年。
そしてある夜、何者かが城に忍び込み青年に手をかける。
「俺は天涯孤独、誰にも迷惑をかける事はない。
何の罪もない人間の命まで奪うお前のやり方が許せない」と言う声を聞き
「それではお前がやってみろ…」と王家の首飾りを渡し、青年は生き絶える。