後味の悪い話

【後味の悪い話】少年リーダム

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449: 本当にあった怖い名無し 2012/07/26(木) 09:30:15.80 ID:1Q05mODs0
「少年リーダム」

1982年。少年誌でトップを走り続けてきた週間少年リーダムは
ヒット作に恵まれず発行部数が伸び悩んでいた。
キラ星やチェンジ!などのラブコメ路線で
快進撃を続けるホリデーに抜かされそうな勢いだ。

そこにやってきたのがオシャレな雑誌希望だったのに
リーダムに配属された新人編集者の馳。
最初は漫画に興味がなかった主人公も
努力友情勝利を掲げるリーダム編集の熱意と
漫画への愛情に感化され真面目に漫画に向き合うこととなる。

馳は御世辞がいえない人間なのでダメダメ万年最下位漫画ビッグボールを
漫画家本人の前でケチョンケチョンに酷評してしまい
「あの糞編集を俺の担当にしろ!!」と嫌な形での初めての担当作家を持つ。
漫画家はご立腹状態なので打ち合わせにもならず困り果てる馳だったが
漫画を理解して愛してあげることからだと教えられ
ビッグボールの漫画の中のスイングを実際やってみる馳。

必死で撃てもしない漫画の中のへんてこポーズでボールを打ち続けてる新人編集の姿と
「あれってビッグボールのスイングだよな?あの漫画ってみんな最強でつまんないよ」という子供達を
目の当たりにした漫画家は普通の人目線のキャラを出すことを思いつく。
もちろんモデルは馳だ。このキャラのおかげで読者が入り込みやすくなり
かつ各キャラのすごさが分かりやすくなったためビッグボールは連載開始以来初の
アンケート上位に食い込む。

450: 本当にあった怖い名無し 2012/07/26(木) 09:31:35.70 ID:1Q05mODs0
リーダム自体は300万部を割るなど苦しい状態には変わらず
ホリデーのラブコメがはじまってからの右肩上がりは止まらず発行部数でリーダムに迫っていた。
リーダム編集部一同はラブコメに頼るか頼らないか議論した結果、
リーダムらしい努力友情勝利と皆が憧れるヒーロー路線を貫くことで一致。

その意気込みむなしく、新連載のヒーロー物3本はどうにも振るわない。
馳の担当しはじめたビッグボールにも全く勝てないほど。
リーダムの方針は受けなかったら10週打ち切り。
3本とも打ち切りになったリーダムはますます苦境に立たされる。

そのうちきり作家の一人が持ち前のリアルな絵柄を生かして
描いた読みきり「北斗神拳」が人気作家を押しのけてアンケート1位を取る。
これに手ごたえを感じたリーダム編集は原作者をつけて北斗神拳の連載を開始する。
そのころ日本中でサッカー少年を産むことになるストライカー翔も始まり
元々は人気のなかったプロレス漫画の超人マッスルマスクの路線変更、アニメ化も大成功。
ジャンプの黄金期が幕を開ける事になった。

馳は突如車に轢かれて死ぬ。

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