575: 本当にあった怖い名無し 2017/10/15(日) 19:59:56.77
セガサターンのソフトに「街」という有名ではないけど一部ではコアなファンのいるゲームがあって、
いわゆるサウンドノベル(音の付いた小説みたいなの)ってやつなんだけど、簡単に言うと8人の主人公のある5日間の物語をエンディングまで導くゲーム。
その中の高峰 隆士というキャラクターの物語が後味悪い。
あらすじをザッとまとめると、家族も日本も捨ててフランスに渡って傭兵になっていた男(高峰)が
傭兵として人を殺すことに耐えられなくなって、また日本に逃げ戻ってきたものの、
その日本にも馴染まず、街を徘徊して居場所探しをするみたいな内容。
途中で気まぐれに、因縁ふっかけてきたDQNとかホームレス狩りしているオタク共をぶっ倒しつつ、
家族や友人、かつての恋人などに会うが、そのどれもに結局は心を許せなかった高峰。
そんな高峰が唯一、心を通わせられたのがたまたまホームレス狩りから救ったホームレスのドン。
過去に一山当てながらも自分の行為が原因で居場所を失ったそのホームレスのドンに「父」を感じた高峰はやっと心が晴れ、
フランスも日本も捨てて新天地に居場所を求め、タクシーを呼んで空港に向かおうとした。
だけどそのタクシーに乗り込もうとした瞬間、撃たれる高峰。
空には季節外れの花火が打ち上がっていて、でも高峰はそれどころじゃない。
かつての恋人の幻影に罵倒され、新天地への夢を見ながら高峰は空しく散っていった。
やっと前向きになったところで未来を絶たれるという後味の悪さ。
576: 本当にあった怖い名無し 2017/10/15(日) 20:00:29.24
さらに後味悪いのはこの花火を打ち上げた高峰の父親の話と合わせたとき。
街を徘徊する内にかつての生家に訪れた高峰だが、家族にはなにも告げずに家出同然でフランスに行ったため父親とは確執があった。
父親は高峰のことはずっと気にしていたのだが、久しぶりに帰ってきた息子のことを内面では心配しながら、表面的には拒否してしまう。
このままでは喧嘩別れになると分かっていながらも素直になれない父親。
終いには高峰が再び家を飛び出そうとする直前、「ほっとけ。金でもせびりに来たんだろう。」という酷い言葉を投げ付けてしまう。
父親はその言葉にキレた高峰に殴られて入院。
だけど高峰の父親は入院先で、部下に電話して5日目の夜に、日本中に花火を打ち上げる。
その理由は「その日が誕生日だった息子を花火でお祝いするため」
この高峰父の話は満足そうに花火を見てる父親のカットで終わるのだが、肝心の息子は父親のことなんて影も形も思い出さずに、自分が誕生したその瞬間に息を引き取る。
最後まですれ違いまくってる親子。
後味悪い。