後味の悪い話

【後味の悪い話】SF映画「宇宙人王さんとの遭遇」

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568:1/6:2013/02/04(月) 06:40:40.43 ID:RPvenxao0
イタリアのSF映画「宇宙人王さんとの遭遇」。ややうろ覚え。既出だったらすみません。

主人公はローマで中国語の翻訳で生計を立てている女性。
ある日、彼女に通訳の依頼が入る。
依頼主は緊急にある人物との同時通訳をして欲しいという。

主人公は高額の報酬金に訝しげなものを感じるが、結局その依頼を受ける。
依頼主の男が主人公を迎えに現れ、車に乗せられると目隠しを付けられる。
理由を訊くと極秘の人物だそうだ。車はそのまま件の人物のいるという場所に到着。
建物内に入っても目隠しを付けられたままの主人公は、
電子ロックや警備員がいる厳重な部屋に入る。
ここに通訳相手の人物がいるようだ。

569:2/6:2013/02/04(月) 06:41:27.74 ID:RPvenxao0
目隠しをとってもいいかと聞く主人公に、
依頼主はその代わり部屋の電気を消したままの通訳を頼む。
通訳形式は、依頼主が通訳相手に質問し、
それを主人公が中国語に訳して相手に伝える、というのを繰り返すもの。

部屋が暗いまま通訳をする主人公。
相手は流暢な中国語で、王(ワン)と名乗った。男性らしい。
少しの間通訳していた主人公だが、主人公は相手の顔が見えなければ
正確な通訳は出来ないと言い、部屋の明かりをつけるように頼む。

依頼主が電気をつけると、なんとそこにいたのは椅子に縛られたイカの様な生物だった。
驚いて主人公が逃げ出そうとすると王さんは自分は貴方に危害を加えるつもりはない、という。
主人公が王さんの話を聞いてみると、彼は自分は遠い宇宙のからやってきた宇宙人で、地球には文化交流の目的でやってきた。
中国語を話すのは地球で最も話されているからだという。

570:3/6:2013/02/04(月) 06:42:15.85 ID:RPvenxao0
主人公は王さんの礼儀正しい態度から、彼は異形ではあるが、
地球侵略に来たのではないと考え、優しい態度で接する。
依頼主は王さんの不審な点から、地球侵略に来たと考え、厳しい態度で接する。

不審な点というのは、
・王さんはローマに二週間滞在していたが、その間に女性宅(主人公ではない。黒人。)の家に不法侵入し、何か怪しげな事をしていた。
・黒人女性に驚いた王さんは逃げ出すが、その間何処にいたか不明なこと。(観客にはそこは廃屋で、内部に円錐状の大きな物体があることがわかる。)
・王さんは黒人女性宅に何故か再び侵入したこと。(その場で黒人女性に取り押さえられた。王さんはバットで殴られれば気絶する程度に弱い。)
・黒人女性宅から王さんの物と思われるスイッチのような装置が見つかったこと。
王さんは通訳によって質問を答えていく。
・女性宅にいたのは寝床を作るためで、誰も住んでいないと思ったから。
・再び侵入したのは驚かせてしまった女性に詫びるため。

571:4/6:2013/02/04(月) 06:43:04.98 ID:RPvenxao0
そこまでは順調だったが、依頼主が王さんにスイッチのような装置を見せると王さんは動揺する。
厳しく追求する依頼主をなだめ、主人公が聞いて見ると、
・装置は宇宙翻訳機なるもので、特に害はない。
と答える。とりあえず納得する依頼主。
だが、女性宅を逃げ出した王さんは何処にいたのか、という質問に移ると、
・正確な位置が不明なので判らない。
という。依頼主は厳しく追求するが、王さんは判らない、の一点張り。
その後、依頼主は脱水症状に陥り苦しむ王さんに水を与えたようとしなかったり
(主人公の説得により水は与えられた)、
曖昧な答えを返す王さんに電撃で拷問したりして、正確な答えを聞き出そうとする。

572:5/6:2013/02/04(月) 06:44:15.03 ID:RPvenxao0
主人公は王さんに同情し、拷問されてなお依頼主と同じ人間である
自分のことを気遣う王さんを、人権センターに相談して救出することを決意する。
主人公はトイレに行くふりをして、
携帯電話で人権センターに電話をかけようとするが、電波が届かない。
仕方なく固定電話を施設から探す主人公。

施設は窓が一切無く、軍服を着た男や、白衣の人物がいた。(実際には秘密警察)
やっとの思いで見つけた電話は、通話中に突然切れてしまう。
盗聴されていたのだ。絶望した主人公が振り返ると、警備員が主人公を拘束しようとしていた。

抵抗した主人公は警備員を気絶させることに成功した。
しかし、人が近づいてくるのに気づいた主人公は近くのロッカーに隠れ、隙間から様子を窺う。
人通りはまばらだが途絶えず、ロッカーから出る機会がなかなか訪れない。

573:本当にあった怖い名無し:2013/02/04(月) 07:01:21.46 ID:RPvenxao0
しばらくすると施設全体に大音量で警告音が流れだし、照明が赤く点灯し始めた。
人通りが途絶えたのを確認した主人公は、そっとロッカーを出て、王さんの拘束を解く。
脱出の為通路を進んでいく主人公と王さん。ある扉を開けると、窓のある部屋に出た。
窓から外を見た主人公は言葉を失う。
窓からは何機ものUFOがローマをレーザーで攻撃する光景が見えた。

一方、依頼主は施設から脱出し、軍の司令室のような場所にいた。
そして戦闘機を出撃させる依頼主。戦闘機がUFOを次々に撃墜する。
すると王さんが宇宙翻訳機を操作し始めた。
廃屋の物体が動き出すと、ビルのような大きさに変形し、バリアを発生し始めた。
物体を中心にどんどん広がるバリア。戦闘機だけがバリアに接触すると塵に変わった。邪魔がなくなったUFOは再び攻撃を始める。

スイッチのような装置は宇宙翻訳機などではなく、
侵略兵器の起動スイッチだった。徐々にバリアに覆われて行く地球。
うなだれた主人公に王さんは中国語で呟いた。
「馬鹿だなお前。」
エンドクレジット、地球をすっぽり覆う大きさになったバリアと、
地球に向かう大量の円盤群が映し出されてFin.

574:568:2013/02/04(月) 07:02:31.22 ID:RPvenxao0
王さんは善良な宇宙人として描かれていただけに、
外見の差別はやめよう的な落ちかと思っていたので、
主人公が裏切られたラストシーンはかなりショックだった。
しばらく人間不信になりそうだ。

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