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679: 本当にあった怖い名無し 2010/11/05(金) 01:01:42 ID:jGtYWPv00
手塚の「ザ・クレーター」より。短編集だが後味悪い話の宝庫だったと思う。
舞台は近未来の日本。第3次大戦が勃発し、日本も若者が軍に徴集されていた。
主人公も、そんな若者の一人だった。
彼は人一倍チキンだったが、特攻隊に入れられ、いよいよ突撃することになる。
仲間達が爆撃され墜落していき、とうとう主人公の飛行機も爆撃に遭い墜落。
主人公の乗った飛行機が、敵の基地を爆破したことを知った軍の幹部達
主人公の行方を確認する前に
「首を弾丸が貫通しながらも、敵の基地めがけて突撃し名誉の戦死を遂げた英雄」
と尾ひれをつけまくって、主人公を戦神に仕立て上げる。彼らは何よりも日本軍の名誉が欲しかったのだ。
彼の持ち上げられようは半端なく、日本一の英雄として小学校の教科書にも主人公の死に様が掲載され
主人公の母親も、外出すれば周りから声をかけられるという有様だった。
しかし悪運の強い主人公、実は生きていた。
墜落寸前に飛行機から脱出、命からがら無人島に辿りつき、元日本兵の横井さんさながらサバイバルしながら生きてた。
木でカヌーを作り、漂流しながら軍の本部に姿を現した主人公を見て、幹部達は激怒する。
彼の英雄伝の偽造が発覚するのを恐れ、あの頃と同様の戦死を遂げろと命令する。
せっかく生きて帰ったのに!と刃向かう主人公に向かい、幹部が銃を向け、首元を撃たれる。
手当てもされないまま飛行機に乗せられ、今すぐ敵の基地へ向かえと命令をくだされる。
発進したはいいが、傷が深すぎてで日本軍司令塔上空で息絶える主人公。
操作主のいなくなった飛行機は、そのまま日本軍司令塔に突っ込んでEND
これはやるせなかった…。
681: 本当にあった怖い名無し 2010/11/05(金) 06:38:03 ID:LQw420h8O
>>679
手塚作品はブラックジャックといい後味悪い話多いね
その話はお母さんがかわいそうだった