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254: 1/2 2017/09/20(水) 00:07:02.55
今読み終えてムカついたので。
レイ・ブラッドベリ「全額払い」
火星で酔っぱらう三人の男。
数時間前までは食料をロケットに積み込み、保養から帰るつもりだった。
だが突然、空に強烈な青い閃光が閃き、地球は燃え盛った。
地球は核戦争で滅びてしまったのだ。
男たちは火星に残った最後の人類だった。そして二度と戻れない地球上でも。
泣きながら地球での思い出を語り合っていると、火星人がやってきた。
火星人は青銅色の仮面を被っている。
火星人は三人にテレパシーで話しかけてきた。
それによると、火星には千人ほどの火星人が生き残っていて、とても美しい町に隠れ住んでいるのだという。
そして、三人を保護したいのだと。
火星も昔は核武装をしていたが、今は武装を捨て、平和に暮らしている。
だが三人の男たちは文明に栄える火星を、滅んだ地球と自分たちの悲惨な境遇に引き比べ、羨み、また苛立つ。
自分たちは故郷を失ったのに、こいつらは。
押し問答の末、銃を持っていた一人が火星人を撃ってしまう。
そして三人の男たちは自分たちのロケットに乗り込み、火星人の町へと向かう。
一人は「こんなことは理性的じゃない。止めるべきだ」と思うが、結局なにもしない。
255: 2/2 2017/09/20(水) 00:12:20.22
彼らは火星人の町にロケットを着陸させる。
青銅色の仮面をつけた男たち、エメラルドの霧をまとった女たち、笑いながらかけまわるこどもたち。
様々な色に絶えず変化する噴水。どこかで素晴らしい音楽が奏でられ、空気には新鮮な香りが漂っている。青水晶の窓、咲き誇る花、目に染みるような緑の草。
誰もが幸せそうだった。
彼らはそれぞれの機関銃の引き金を引いた。
町はあっというまに静まり返った。
彼らは崩壊し、炎をあげる町をあとにした。
「やつらにもわかったろうな」
お互いを慰め合う男たちで終り。
ちなみに火星人は理性的で、上から目線でもなく、本当に三人を助けたくて声をかけてきただけ。
火星人が怖くて、とか侵略目的で、とかの方がまだ許せた。
こいつらの勝手な自己憐憫で全滅させられた火星人がひたすら可哀想。
259: 本当にあった怖い名無し 2017/09/20(水) 01:48:26.08
ブラッドベリは人間なんてそんなもの、ってストーリーが上手くて
やりきれないながらも美しい話が多くて好きだよ
黒いカーニバルとかこのスレ住人好きそう