スポンサーリンク
609: 本当にあった怖い名無し:2010/03/20(土) 18:15:59 ID:TVTwSAU60
植物人間の話で思い出した。
乙一の短編でタイトルは忘れた。内容もうろ覚えなんで細かいところは間違ってるかもしれない。
主人公は普通の男性。ピアノが得意な嫁と小さい娘がいる。
ある日、嫁と喧嘩し、そのまま出勤するが、その途中で事故にあってしまう。
気付けば自分はどこかに寝かされていた。
思考はしっかりしていたが、目も見えず、耳も聞こえず、体も動かせない。
ただ、右手の人差し指だけが動き、肘から下にだけ感覚がある状態。
意思の疎通は、感覚がある腕に文字を書いてもらい、
イエスかノーを人差し指を動かす回数で答える事でなんとか取れた。
嫁は毎日見舞いに来てくれて腕に日付を書いてくれる。
それだけが主人公に時間を教えてくれるものになる。
また、嫁は主人公の腕を鍵盤に見立ててピアノを弾いてくれた。
そんな生活をずっと続けるが、思考はしっかりしてる主人公は常に苦悩していた。
嫁は献身的に世話をしてくれるが、嫁の人生をこんなことで無駄にさせていいのか。
彼女はまだ若いからいくらでもやり直しがきく。
もう自分を捨ててくれていいのに、そのことを伝えるすべがない。
しかし、ある時思いついた。そして彼は人差し指を動かすのをやめた。
嫁が腕に文字を書かれても指を全く動かさない。
そのうち嫁が連れてきた医者が、感覚がある腕に刺激を与えはじめた。
痛かったが我慢し、主人公の人差し指は沈黙を続けた。
その後も、何度腕に文字を書かれても無視し続けたら、腕に書かれる日付が1日おきになり、
3日おきになり、そのうち、いまが何月何日なのか分からなくなった。
これでいいと、そのうち主人公は思考をするのをやめた。
614: 本当にあった怖い名無し:2010/03/20(土) 20:34:02 ID:ec8g+rEiO
>>609
失はれる物語ってタイトルだった希ガス
610: 本当にあった怖い名無し:2010/03/20(土) 18:39:55 ID:IL+wUpud0
後味悪いというか悲しいな…