
読書をしよう、ということで バキ童さんの動画から感銘をうけ、一行目が印象的な小説を集めました。青空文庫で読めるものもあります。ぜひ読んでみてください。
太宰治『葉』(新潮社)
死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目しまめが織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。
夏まで生きていようと思った。
太宰治の短編集『晩年』に収録されている最初の話『葉』の一行目
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/2288_33104.html
新潮社
¥515
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『天使考』星新一(「ようこそ地球さん」より)
天国はずっと独占事業だったので、天使たちは、しだいに役人臭をおびてきた。
新潮社
¥916
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『代替』舞城王太郎(『短編七芒星』より)
ろくでもない人間がいる。お前である
くだらないことに執着して他人に迷惑をかける人間がいる。これもお前である。
何を触っても誰と関わっても、腐敗と不幸をもたらす人間がいる。まさしくお前である。
¥770
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『星の王子様』の前書き サン=テグジュペリ
子どものみなさん、ゆるしてください。ぼくはこの本をひとりのおとなのひとにささげます。
新潮社
¥475
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『涼宮ハルヒの消失』谷川流(KADOKAWA)
地球をアイスピックでつついたとしたら、
ちょうど良い感じにカチ割れるんじゃないかというくらいに
冷え切った朝だった。
KADOKAWA
¥660
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『私が大好きな小説家を殺すまで』斜線堂有紀(KADOKAWA)
憧れの相手が見る影もなく落ちぶれてしまったのを見て、
「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で
「それでも生きてくれ」と願うのが執着だと思っていた
KADOKAWA
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『推し、燃ゆ』宇佐見りん(河出書房新社)
推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。
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『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ
人生とは、これまでやってきたことが還(かえ)ってくるものだと思っていた。
勉強も仕事も、過去の自分が頑張ってくれたそのぶん、成績や給料といった形でその後の自分に還元されてきた。
ただ、これからは違うのかもしれない。
今後還ってくるのは、これまでやってこなかったことのほうなのかもしれない。
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『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦(KADOKAWA)
ぼくはたいへん頭が良く、
しかも努力をおこたえずに勉強するのである。
だから、将来はきっとえらい人間になるだろう。
KADOKAWA
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『四畳半神話大系』森見登美彦(KADOKAWA)
大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。
KADOKAWA
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『サラバ!』西加奈子(小学館)
僕はこの世界に、左足から登場した。
『重力ピエロ』伊坂 幸太郎
春が二階から落ちて来た。
新潮社
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『阿修羅ガール』舞城王太郎(新潮社)
減るもんじゃねーだろとか言われたので
とりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。
新潮社
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『ピエロ伝道者』坂口安吾
空にある星を1つ欲しいと思いませんか? 思わない?
そんなら、君と話をしない。
『好き好き大好き超愛してる』舞城王太郎
愛は祈りだ。僕は祈る。
僕の好きな人たちには皆そろって幸せになってほしい。
それぞれの願いを叶えてほしい。
温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、
それぞれの好きな人に囲まれて楽しく暮らしてほしい。
講談社
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『キッチン』吉本ばなな(ベネッセコーポレーション)
私がこの世で一番好きな場所は台所だと思う。
どこのでも、どんなのでも、
それが台所であれば食事を作る場所であれば私はつらくない。
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『ゲームの王国』小川哲(早川書房)
この諺から「輝いてるときこそ、足元の落とし穴に気をつけなければならない」という教訓を引き出した国語教師は残念ながら二流だった。
正しい解釈は
「足元の穴に落ちたくなければ、そもそも輝いてはいけない」
ということだ。
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『こころ』夏目漱石
私はその人を常に先生と呼んでいた。
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『草枕』夏目漱石
山道を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。
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『刺青』谷崎潤一郎
それはまだ人々が「愚(おろか)」という貴い徳を持っていて、
世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。
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『希望の国のエクソダス』村上龍
この国には何もかも揃っている。
だが、希望だけがない。
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『ロリータ』ウラジミール・ナボコフ
ロリータ、
我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。
ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩目にそっと歯を叩く。
ロ。リー。タ。
河出書房新社
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『蟹工船』小林多喜二
おい地獄さ行ぐんだで!
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新潮社
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トルストイ『アンナ・カレーニナ』(新潮社)
幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。
新潮社
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『老人と海』アーネスト・ヘミングウェイ
彼は老いていた。
新潮社
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『悲しみよ こんにちは』フランソワーズ・サガン
ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、
悲しみという重々しい、りっぱな名をつけようか、私は迷う
新潮社
¥584
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『列』中村文則(講談社)
その列は長く、いつまでも動かなかった。
先が見えず、最後尾も見えなかった。
何かに対し律儀さも見せるように、奇妙なほどまっすぐだった。
講談社
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『ユージニア』恩田陸
新しい季節は、いつだって雨が連れてくる。
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『蹴りたい背中』綿矢りさ(河出書房新社)
さびしさは鳴る。
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『カラフル』森絵都
死んだはずのぼくの魂が、ゆるゆるとどこか暗いところへ流されていると、いきなり見ず知らずの天使が行く手をさえぎって、
『おめでとうございます、抽選にあたりました!』と、まさに天使の笑顔をつくった。
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『春と修羅』宮沢賢治
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
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新潮社
¥693
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『桜の樹の下には』梶井基次郎
桜の樹の下には屍体が埋まっている!
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¥99
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『駈込み訴え』太宰治
申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷ひどい。酷い。はい。厭いやな奴です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ。
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『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎
100万人の群衆の中から、この本の著者を簡単に見つけ出す方法がある。
まずは、空が真っ黒になるほどのバッタの大群を人々に向けて飛ばしていただきたい。人々はさぞかし血相を変えて逃げ出すことだろう。
その狂乱の中、逃げ惑う人々の反対方向へと1人駆けていく、やけに興奮している全身緑色の男が著者である。
¥1,012
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『告白』湊かなえ
牛乳を飲み終わった人から、紙パックを自分の番号のケースに戻して席に着くように。
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『セカイ、蛮族、ぼく。』伊藤計劃(「ハーモニー」より)
『遅刻遅刻遅刻ぅ~』と甲高い声で叫ぶその口で同時に食パンを加えた器用な女の子が、勢いよく曲がり角から飛び出してきて僕にぶつかって転倒したので犯した。
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『ダレン・シャン』ダレン・シャン(小学館)
この話は本当に起きたことだけど登場するもの名前を全て偽名にしてある。本当の名前は書きたくても書けないのだ。
小学館
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フランツ・カフカ「変身」高橋義孝訳
ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変っているのを発見した。
新潮社
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