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石が自分に話しかけてくる
237 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/12/10(木) 22:56:40.27 ID:4NZWP1rE0.net
石じじいの話です。
石と会話する人がいました。
じじいの会った人は、いつ頃からか「石が自分に話しかけてきて、いろいろなことを教えてくれる」と言い始めたそうです。
石は神や精霊が宿るのだと。
明日の天気から、兜町の相場まで。
その持ち主に直接関係のあるような事に関しては、非常に正確な予測情報を与えてくれたそうです。
家族は気味悪がって、その石を捨てるように何度もいったのですが、彼は承知しなかったと。
持ち主によると、その何でも教えてくれる石は、持ち主の「心意気」に共感して奉仕してくれているのだ、ということで自信満々でした。
その石はじじいが拾い与えたものではありませんでしたが、石のことも持ち主のことも非常に心配だったそうです。
238 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/12/10(木) 23:10:15.48 ID:4NZWP1rE0.net
皆が予想するとおり、石の「助言」はどんどんエスカレートしていきました。
「あの人間はあなたに悪意を持っている」、「あなたの妻は不倫をしている」など。
おきまりの「いやな」助言もするようになりました。
持ち主の奥さんが浮気をしていたのは確かだったようですが、それは夫がおかしくなる前か、なった後かは微妙だったと。
石の助言のおかげでその家は急速にお金持ちになりました。
その豪勢な家は、私が中学生になることまで残っていました。廃屋として。
持ち主はありがたがって、その石のために社を自分の屋敷に建てたそうです。(その社らしきものは、廃屋には残っていませんでしたけど)
しかし、そのような石の霊力(?)が知れ渡ってくると、その御利益にあずかろうとするものたちも現れて、宗教団体(講)のようなありさまとなりました。
普通はここで魔性のモノである石は、有用な助言の見返りを持ち主に求めるものですが、石はまったく無欲であったと。
どんどん有用な情報を与えてくれていたと思われたそうです。
239 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/12/10(木) 23:16:15.28 ID:4NZWP1rE0.net
結末はあっけなく訪れました。
持ち主が自宅の自室で首を吊っていたそうです。
物言う石が無くなっていたので、誰かが持ち主を殺してその石を奪ったのではないか?と人々は勘ぐったそうですが、捜査は行われなかったようです。
その後、石の噂は聞かれず、だれかがそれを使って世界征服をしたということもない。
じじい曰く、
「ほんとうに、あの石がものをおしえてくれよったんかわからんぞ。
はよう脳病院につれていってやったらよかたかもしれんわの。
信じられんけど、あの石は魔性のもんやったかものぅ。
そういうもんは、人に、『おまえは特に選ばれたんぞ』いうてちかよってくるんよ。きぃつけなはいや」
自分で移動する石
248 :名無しさん@そうだ選挙に行こう@\(^o^)/:2015/12/14(月) 19:53:33.18 ID:SbwAuJAS0.net
石じじいの話です。
じじいによると、自分で移動する石があったということです。
「デスバレーの動く石」のような話です。彼がよく行く山の一つで目撃したとのこと。
年に二、三度は見るのですが、その石は長径3メートル、短径1メートルほどの楕円形をしていて、比較的硬い砂岩でした。
その山で周辺は泥の石(泥岩)でできていたので、木のまばらな山の斜面で目立っていました。
それが、ずるずると下に滑り降りてくるのです。
なんのことはない自然現象か、と思われたのですが。
毎回、注目するとはなく見ていると、その石はどんどん斜面をずりさがってきます。まわりの灌木をなぎ倒しながら。
ある年、その石は平坦な地形のところまでおりていたそうです。
「これでとまらい」とじじいは思ったのですが、
次の年、その石はさらに、その平坦面をすぎて次の斜面にかかっていたそうです。
「だれが、うごかしたんや?」
さらに不思議なことに、石は斜面をくだらずに横に移動し始めたと。
斜面を下ではなく横へ移動していく巨石。
そのまま斜面を下ると森に入るので、どうなるか?じじいも楽しみにしていたのですが、がっかりしましたがびっくりもしたそうです。
或る日その石は、斜面を横切り、その先にある崖から下の沢に落ちていたそうです。
かなりの高さの崖だったそうですが、石は沢のなかで割れずに川の流れに洗われていました。
おそらく滑っているときは下であっただろう部分が上になっていましたが、
そこには三重円の模様がきれいに彫り込まれていたとのことです。
だれかがわざわざきて彫り描いたとも思えなかった状態でした。
その後、石はなんの変化も顕わさなかったそうです。
いまでもその石はあるんでしょうね。
石のありかを教えてくれる野犬
258 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/12/21(月) 23:59:58.60 ID:uHr5D6EV0.net
石じじいの話です。
山の中で石のありかを教えてくれる野犬にあったことがるそうです。
しかも、しゃべったとのこと。犬が。
この話を聞いたときに、「じいちゃん、おかしくなってる」と思ったのですが。
まあ、はなしてくれる他の話もおかしいといえばおかしい。
じじいが山を歩きつかれて昼飯を食っていると、藪からがささと一匹の黒犬がでてきたそうです。
柴犬のようなのではなく、ひょろっとしてたと。
犬は群を作るので、一匹野犬がいればさらに三匹はいる!ということで身構えたそうですが、ほかにはいません。
その犬は、へっへっ、と言いながらゆっくりと警戒しながら近づいてきたそうです。
じじいはにぎりめしをすこし割って投げてやりました。犬はそれを注意深く嗅いで食べたそうです。
さらに飯をやります。犬はじじいに近づいて伏せをしました。
毛並みはきれいではなく、いかにも小汚い野良だったそうです。
259 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/12/22(火) 00:01:08.75 ID:43MG+2G30.net
飯を食い終わりじじいが行こうとすると、犬がついてきます。
少し行くと、犬が吠えて、ある方向へさそうような仕草をします。
無視しようとすると、犬がけたたましく吠え立てます。
それでも無視して、あばよと分かれようとすると、
犬が『コッチエコイ、オマエノスキナモノガアル』と話しかてきたそうです。別に口を動かしたわけではなかったそうですが。
『コッチダ、コッチダ』と犬が繰り返します。
じじいは興味を持って、しかし鉈を握りしめて犬の後を追いました。
犬は藪のなかや斜面をどんどん進みます。
「おいおい、わんよ、はよういかんでまってや」
じじいはひいひい言いながらついて行くと、崖に出て、そこにはきれいな石灰岩がたくさんあったそうです。
それを拾うと、犬がまたワンワンと吠えながら山を移動していく。
それについていくと、またべつの露頭があって、きれいな石がある。
それをひろって移動してを繰り返したそうです。
リュックがいっぱいになって持てなくなった時に、「もおええわい」と犬に話しかけると、犬は猛スピードで駆け去ったそうです。
それからはその犬にあわんかったん?
「いやー、あれからあわんかったんよ。ええことはつづかないぃ」
その話を聞いた翌年(?おそらく)じじいは、一匹の子犬をくれました。黒い。
そいつは15年生きて、我が家の番犬として活躍しましたが・・・
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白いロープ
478 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/07(日) 15:15:38.58 ID:+DG4v9FK0.net
石じじいの話です。
石を求めてある山を歩いていた時、山道を横切る白いロープを見たそうです。
それは綿のやや太いもので、山道を横切って両側の山斜面(上の方と下の方)に延べていたそうです。
じじいは私有地の境界線と思ったらしいのですが、
「こがいな、山奥で、ようこげな厳密なことをするもんよ!」と不審に思いました。
彼はそのロープを追って山の斜面を登りました。ロープは延々と山の上に続いていたそうです。
ロープを手に持って引っ張ってみると、最初はズルズルと引き寄せることができましたが、やがてピンっと引き寄せなくなったそうです。
どんどん山の斜面を登っていってもロープは延々と続きました。
これではキリがないので、山道までもどって石探しに戻りました。
石を少し拾って、山道を戻るとロープはもとのところにあります。
今度はそれを山の斜面をくだって追っていきました。ロープはまた延々と続きます。
長いあいだ歩くと、急に森が途切れて崖にでました。
そこからも下へロープは続き、下にあるため池の中に入っていたそうです。
もう里の方まで降りてきていたのです。
ロープを引っ張るとピンと張って、ロープの続きは池の中からでてこなかったそうです。
どうしようもないので、そのまま山をおりて帰ったそうです。
その山には、二度と行かなかったということです。
ロープは、綿製でしたが真新しく置いてすぐに見えたそうです。
四国の東部
483 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/08(月) 10:53:37.98 ID:4V9gatNi0.net
石じじいの話です。
終戦後すこしたってから、彼は初の長距離遠征として四国の東部に石探しの旅に出たそうです。
当時は車も所有しておらず、なかなか大変だったということです。
石もそれほど多くは運べないので、半分物見湯山の旅だったのです。
かなり深い山に入った時に、「変な人物(じじい曰く阿呆」に遭遇したそうです。
じじいが山奥の河原で野営の準備をしていた夕刻、上流から汚らしい格好をしたリュックを背負った小柄な男がやってきました。
彼は長いあいだ風呂にもはいっておらず、着物も洗っていないと見えて臭かったと。
じじいもたいがいだと思うのですが、じじいは衛生観念のかなり高い人だったので、まめに体を拭いて洗濯していました。
その男曰く、「この山には宝がある!」「それを私は探しているのだ!」
じじいは当惑しました。熱心にこちらに話してくるその内容が「荒唐無稽」に思えたからです。
「昔は、ここが世界の中心だった」「私が宝を見つけたら、世界中の信心(宗教?信仰?)がひっくり返る」
「昔、ここらにやってきた平家の落人たちが、宝を見つけて、それを守護することにしたが、
世代を経るにしたがって、その目的が忘れさられて、歴史のなかに埋もれてしまった」などなど。
484 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/08(月) 10:55:40.91 ID:4V9gatNi0.net
じじい曰く「難しい、信じれん話で、よう覚えておらんわい」
「わしは、それより、気が気やなかったで。頭のおかしい人に夕方、山のなかで会うてみなや。こわいで」
じじいはその人物を警戒しました。
彼は、今日一晩いっしょにいたい、と言ったそうです。
彼は重いツルハシのような道具や折りたたみ式のシャベルなどを携帯していましたが、食べ物をもっていなかったそうです。
じじいは彼に食物を分けてやりました。
夜、眠る時に、「夜中に襲われて金品を奪われるのではないか?」と気になって、オチオチ眠れなかったそうです。
翌朝早く目をさますと、すでにその人物は姿を消していたそうです。
じじい曰く。「そがいなとこに宝なんぞあるかい!とりつかれたおかしなもんよ」
しかし、今この話を考えると、「ソロモンの秘宝伝説」だったのかもしれません。
じじいはその後、少しの石を得て、土佐ば(高知県)の方に山を下るのですが、
そこでさらに怖いことに遭遇することになります。
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じじい狩り
492 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/10(水) 13:20:56.64 ID:RnIn+JCC0.net
石じじいのはなしです。
じじいが昔話をしてくれていたとき、唐突に言いました。
「おっちゃんは、狩られたことがあるんよ」
?と思いました。当時は、「オヤジ狩り」という言葉はなく(そのような行為はありましたが)、すぐには理解できませんでした。
じじい曰く、
「山に登っとったときにのう、銃で撃たれたんよ。あれにはまいったい」
それは単に猟師による誤射や悪戯ではないか?と思ったのですが、彼の遭遇した「狩り」は以下のものでした。
じじいが山道を歩いていたとき、突然銃声がして、近くの樹木の幹に跳弾したそうです。
兵役経験のあるじじいは、すぐにこれは銃撃だ!と気がつき身を伏せました。
すると二発目が。一発目よりも彼の近くに着弾しました。
じじいは背負っていたザックを捨て、金属のバールだけを持って、ほふく前進で低木の生い茂った道の脇を移動しました。
さすが元大日本帝国陸軍衛生兵。ほふく前進は得意です。
もといた場所から10メートルくらい離れたときに、彼の近くの地面に銃声とともに着弾しました。
射撃者はじじいの位置を知っているかのようだったと。
身の危険をひしひしと感じ、彼はどんどん進んで、そして意を決して立ち上がって山道を走り始めました。
そこに、さらに至近距離に一発銃弾が。
5分ほど全力で走って、息が上がったじじいは道路際の茂みに身を隠しました。
493 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/10(水) 13:24:18.73 ID:RnIn+JCC0.net
すると、目の前の道の上に一発着弾。
ここでじじいは、おかしい!と気がつきました。
銃撃は道の山側、山のほうから行われています。
そこには道がないのに、じじいに追いすがって、おくれることなく正確に撃ってくる。
じじいは少し死を覚悟したそうです。
そのまま彼は道から離れて山の斜面を這いながら下って、大きな樹木に身を隠しました。夜を待ったのです。
その日の夜は闇夜だったそうですが、それに乗じて彼は森のなかを這いずって山をくだりました。
「生きたここちがせんかったわい」
進んでは潜みを繰り返しながら薄明るくなってきた時に、山道にでました。
その道をおそるおそる下っていると、道の地面に銃の薬莢が散らばっていたそうです。
じじいは怖くなって、その薬莢の一つを急いで拾ってポケットにしまうと、また必死で走って里までくだりました。
それ以降は撃ってはこなかったそうです。
仙人
511 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/12(金) 07:41:28.05 ID:QSWW6Xqi0.net
石じじいの話です。
じじいは石探しの途中、かなり奥深い山中で「仙人」(修行者?)に出会ったそうです(笑)。
高山地帯でほとんど森が途切れるようなところの山の洞穴(自分が掘ったのかも)のなかに住んで、
衣類はボロボロだったといいます。ツタや樹木の皮などで着物を補修していたそうです。
ヒゲは伸び放題。印象に残ったのは、黒々とした長く伸びた眉毛でした。
しかし頭髪とヒゲは白髪で素足だったと。
ある程度は厳しい四国の山奥の冬を、どうやってその状態で過ごしていたのか?疑問におもったそうです。
その仙人と称する人物は地元の人間ではなく、関東大震災を経験して世の中の無常を知って仙人をこころざすようになったと言っていたそうです。
彼の言葉には四国のなまりがなく、いわゆる標準語だったとのこと。
文明的なものは、単純な刃物やロウソク、マッチなどもなく、まったく「下界」との交渉を絶っているように思えたそうです。
その人物が言うのには、仙人になるためには「腹に力を蓄える」、「頭のてっぺんから空気を吸い込む(?)」
一日中ほとんど食事をせず、摂るのは澄んだ水、菖蒲、野いちごやあんずの干したもののみということでした。
身体はがりがりに痩せていたが、力は強いようだったとのこと。
512 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/12(金) 07:43:13.78 ID:QSWW6Xqi0.net
彼は淡い黄色い横笛を持っていて、それをしばしば愛おしいように吹いていたそうです。
尋ねると、それは「若い生娘の足の骨だ」と言うので、じじいは仰天しました。
(なんかチベット密教<ラマ教>にでてくる話のようですね)
仙人とその「生娘」との間になんらかの関係があったような口ぶりでしたが、
それを詳しく尋ねることはしなかったし、する雰囲気でもなかったとのこと。
じじいは興味を持って、二晩その洞穴(仙人の住居)に滞在しました。
他にもいろいろなことを聞いたが、ほとんど忘れてしまったそうです。
その後、彼が別れるとき、その仙人は別に名残惜しいという態度も示さず淡淡と別れて、
去っていくじじいを一瞥たりともしなかったということです。
別れ際に、彼が自ら作ったという薬(丸薬)をくれました。
頭痛や腹痛、発熱、関節痛などのときに、それを少し削って服用すると不思議と症状が緩和されたそうです。
鎧武者の屍体
527 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/14(日) 06:16:53.61 ID:Q3PLLiiQ0.net
石じじいの話です。
石を求めて山深く訪れたときに、じじいはいろいろ不思議なものを見つけたり、それらと遭遇したりしましたが、これも理解が難しい発見例です。
じじいがかなりの高山の森を歩いていたときに、「鎧武者の屍体」を見つけたそうです。
すこし森が開けた空き地のようなところにそれは転がっていたそうです。うつむいて臥していたといいます。
はじめ、どこかの「変態」が「趣味」で鎧を着て山に登って死んだのか?と思ったそうです。
もしこの屍体が最近のものならば警察に届けなければならないので、「なんぎなことよのうぅ」と気が重くなりました。
もし、それが「武士の時代」のものであれば、そのように保存が良いわけがないと思えたのです。
しかし、よく屍体を調べてみるとおかしなことに気がつきました。
鎧は非常に古びて見えたそうですが(色は、たぶん、黒い色だったとのことですが)、
屍体はミイラのようになっていて(乾いていて)、肉が少し残っていたそうです。
雨の多い地方なのに、そんな状態で保存されるのはめずらしいと(ありえない?)。
兜をかぶって、手甲も脚絆のような鎧もつけていました。
しかし、その鎧はいままで見たことがない型だったそうです。
歌舞伎や五月人形でみられるようなものではなく、装飾などが一切なく金属のちょう帷子でした。
装着している人物は非常に大きく、八尺はゆうにあったそうです。
528 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/14(日) 06:18:19.85 ID:Q3PLLiiQ0.net
じじいはその屍体をバールを使ってひっくり返して上を向かせてみましたが、顔の部分は白骨化していました。
その面貌は、目玉の孔がとても小さく互いに離れていて、上下顎には歯が一本もありませんでした。
首の部分には乾燥した肉がついていたそうです。
じじいは出来心でその鎧の一部を取り外して持ち帰ろうとしましたが、帷子の一片たりとも剥がれませんでした。
互いに固く繋がっていて身体にも貼り付いているように感じられたそうです。
最後は石頭ハンマーで腕の部分をもぎとろうとしましたが、それも叶わなかったと。
陽が傾いてきたので、それ以上滞在すると自分が宿泊のために建てたテントに下りるのが夜になってしまい危険なので、そのときは放置したそうです。
翌日、ふたたびその場所を訪れましたが、鎧屍体はそのままでした。
欲と興味の塊になったじじいは、その屍体を引きずろうとしましたが、重くて少しも動かすことができなかったそうです。
「あれは、重かったわい。すこしもうごかんのよ。大砲みたいなもんよ」
これは持って帰っては良くないものかもしれん(他の人に伝えて一緒に持ち帰ることも良くない)とじじいは考えて、
その屍体の上に近くの森から運んできた枯れた樹皮や下草をかぶせて、読経してその場をあとにしました。
彼が山中で見た不思議物のなかでも、五本の指にはいるほどの奇怪なものだったそうです。
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山から人が降りてくる
549 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/16(火) 11:41:39.58 ID:wseWfP2X0.net
石じじいの話です。
『七人ミサキ』を彷彿とさせる出来事です(もともとは土佐の言い伝えですが)。
じじいはある日、山に登りましたが、狭い山道を上から男が一人歩いて降りてきたそうです。
じじいは「こんにちは。せいがでますのぅ」と挨拶したそうですが、
その男は無言でじじいを一瞥して、通り過ぎて道を下って行きました。
「無愛想な人よのうぅ」と思って、じじいは先を急ぎましたが、今度は女性が降りてくる。
「こんにちは」応答なし。
ちょっとムッとしたじじいは登っていくと、また一人男が。
無言で行き過ぎる。
ここでじじいは思いました。
「山の上の方で入会地の作業でもしとるかのう?
こがいな山のなかで祭りはないやろうし、祠やお寺もないけんね」
そうしていると、こんどは二人づれの女性が。無言でした。
じじいは不思議の思いました。
山での作業ならば、ナタや藁ヒモを持って、それなりの格好をしているものですが、
降りてくる人たちは、みな普通の街中でのような服装でした。
するとさらに男性が一人。また一人、また一人、また一人。
きりがない。
皆無言で歩いていきます。別に奇怪な姿をしているわけでなく、普通の人間でした。
いやな気分で立ち止まると、さらに人が降りてくる。どんどん降りてくる。
さすがにじじいもちょっと怖くなって道を外れて森の中に分け入って、そこから道の方を観察しました。
すると、どんどん人が降りてきます。互いに話すこともなく。
じじいは覚悟を決めて、道に戻り降りてくる人々と行き過ぎならが、山の上を目指しました。
550 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/16(火) 11:43:41.61 ID:wseWfP2X0.net
森の木々がとぎれて山の上を見渡せるところに出た時に、じじいのキXタマはちぢみあがりました。
山の斜面をアリの行列のようにたくさんの人が道を降りてくるのが一望できたのです。
人はどんどん上の森から出てきていました。
じじいは危険を感じて、森に逃げてうつ伏せで隠れていましたが、とても怖かったそうです。いつ肩や背中を叩かれるかと思うと。
じじは立ち上がり、山の斜面を降りて別の林道に出て里にくだりました。
山の麓に農家があり、そこでじいさんが縄をなっていたそうです。
彼に尋ねると、今日はそんな作業を山の中でしてはいない、ということでした。
じじいはことの顛末を説明すると、その老人は顔をこわばらせて言ったそうです。
「おおっ!そがいなめに会いんさったか!
それはのう、怖いもんよ。百人目に会うたら、その会うた人は死ぬんで!あぶなかったのうぅ」
老人によると、十年に一度くらい、そのような謎の行列に山中で遭遇する村人がいるとのこと。
その理由はわからない、ということでした。
その後、老人はじじい(その時はまだ年をそれほどとっていなかったのですが)を家に招き入れ、酒と食べ物をご馳走してくれたそうです。
神様をよぶ石
567 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/17(水) 14:54:38.21 ID:RiEdFfmP0.net
石じじいの話です。
以前、「話しかけてくる石」の話を紹介しましたが、それに似た話です。
朝鮮での話です。
ある朝鮮人の知り合いの家に行くと、みたこともない石が奥の間(「男性の部屋」)に絹織物を敷かれて鎮座していたそうです。
全体に淡青色で真っ黒な筋模様が入った石でした。
これは何か?と尋ねると、その朝鮮人主人は「これはね、神様をよぶ石だよ。たいじなものだよ」と答えました。
どうやってよぶのか?と再び尋ねたら、
五日ほど後にその神様を下ろす儀式をするので、途中まで見せてやるから家に来い、と言います。
じじいは酒を持って家を訪れると、主人は真っ赤な着物を着用していました。
数日前から肉類を食べるのをやめて身体を清めており、
(当時は、朝鮮ではそれほど肉を食べなかったそうで、プルコギなどもなかったそうです)
心も平安に落ち着いていて、もってきた酒も飲むことを丁重に断ったそうです。
奥の間の中央部にその石が置かれていて、四隅に灯明が立てられていました。
それは、「バター」を使ったものだったそうです。
普通のろうそくの明かりは赤黄色っぽいのですが、バターの明かりは白色に輝いていました。
主人は石の前に座っていましたが、座っているその側には、石の前にどんぐりとおそらくリスと思われる小動物の死体が「供えて」あったそうです。
じじいはちょっと引きましたが、主人は以下のように説明したそうです。
これから、この石の前に座って祈るのだ。それは三日三晩不眠不休で行う。その間、飲食をしてはならない。
それが満願となったとき(三日目の明け方時)に「神様」が目の前に現れて、希望をなんでもかなえてくださる。
この方法は成功することがほとんどない難しいものだ。
まず、この石はそう多くないし(しかし朝鮮や中国にはいくつかある、という口ぶりだったそうです)、
三日間も飲まず食わずで居眠りもしないで祈り続ける、ということできないからだそうです。
その日はその家でご飯をご馳走になって、じじいは帰りました。
568 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/17(水) 15:03:44.22 ID:RiEdFfmP0.net
三日目の朝に、じじいはわくわくしながらその家を訪れました。
そこはえらいことになっていたそうです。家人が皆けがをしており、家が荒らされていました。
どうした?と尋ねると、三日目の朝に心配していたので奥の間に行ってみると、主人は床に突っ伏していたとのこと。
「ああ、途中で眠ってしまったのだな」と思って主人を起こすと、彼は青い顔をして急に暴れ出したそうです。
それでこのていたらくだと。
じじいが身構えて行くと、主人は奥の間に座り込んでいましたが、襲いかかってはいませんでした。
しかし、敵意のある目つきでじじいを睨んだそうです。人が変わったようでした。
それからその主人は、家人に対しても、近所の人々に対しても(だれにでも)残酷に、狡猾に悪意をもって接し始めたそうです。
それで人々は恐れて、その家を敬遠するようになり邑で孤立しました。
そしてある日、主人は家を出て行って行方不明になってしまったそうです。
死んだという話は聞かれなかったので、どこか別のところで住み着いたのだろう、ということでした。
じじいはほうじ茶を飲みながら、落雁をもらって食っていた私に言いました。
「そうよ、神様はほんとうに降りてきなさったんかもしれない。しかしのう。
その神さんは、悪い神やったんやねぇ。
降りてきたんやが、あの朝鮮人の目の前やのうて、あの人の心のなかに現れたんや。こわいのう」
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アンマエ
661 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/28(日) 20:14:56.55 ID:hHq0qghM0.net
石じじいの話です。
これも朝鮮時代の話です。
じじいは海岸(日本海の;朝鮮では東海=トンヘと呼ぶ人間もいたそうですが)の近くの山を歩いていたときに、幽霊船をみたそうです。
じじいは山を歩いていて、開けた場所から海が見えたそうです。快晴でした。
日本海をみていると、遠くに船が。
彼は日本光学の双眼鏡を持ち歩いていたのですが、それでみると古風な帆船でした。
「ほう!あがいなふねもまだあるんかのう?」と思い、山を歩き続けたそうですが、
夕方になって再び海が見えるところに出たら、その船がさらに近づいていました。
よく見ると船体が真っ黒で、二本ある帆は真っ赤でした。
それがどうも陸地に向かって動いているらしい。
近くの港に入港するのか?と思って、その港町に宿をもとめて下山しました。
町におりて地元にひとに、そのような船が入港するのではないか?と言ったところ、その人々は顔色を変えて大騒ぎになったそうです。
その慌て方が尋常でなかった。
海岸で朝鮮人たちは松明を燃やし始めました。
町の駐在(日本人でした)にその騒ぎについて尋ねると、
「うん、よくわからない。
彼らの言うことには、なにか、恐ろしい船がたまにやってくるらしい。
まあ、ちょうせんじんの迷信でしょう」
海岸には祈祷師のような女性がやってきて、「拝みながら踊っていた」そうです。
ご苦労さんなことよのう、と思ってじじいは宿屋でぐっすりと眠りましたが、
翌朝、さらに騒ぎは大きくなっていました。
地元のもと両班の娘がその夜にいなくなったと。
いちおう行方不明事件なので駐在さん(日本人)も捜査を始めました。
どこにもいません。近くの村・町に電信で通知したそうです。それらしき人物はいない。
村人は海岸に集まって怯えたように海を見ていました。
そこには、沖合に黒々と停泊する例の船がありました。赤い帆を青い空に照らして。
帆をあげているのに船は動かず錨を下ろして停泊しているようでした。
ふたたび双眼鏡で見てみましたが、船上に人影は無かったそうです。
662 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/28(日) 20:17:21.76 ID:hHq0qghM0.net
じじいは駐在と話をして、あれは無人の難破船ではないか?と思って村人に尋ねたそうですが、
アレが怖い船(朝鮮語では「アンマエ」と言っていたそうです)だと村人は口々に言いました。
村人は、もっと人がいなくなるのではと恐慌していたそうです。
駐在とじじいが尋ねたところ、アノ船がくると必ず村の人がいなくなる、と。
「よっしゃ、あの船まで行ってみようや!」とじじいが言っても、村人は腰が引けてだれも舟を出そうとしませんでした。
重苦しい空気に包まれて夜になりました。
夜になっても黒い船は明かりもつけずにいたそうです。
村の若いものが数人、勇気をだして警戒するために浜に残ったそうです。松明を焚いて。
じじいは翌朝、大騒ぎで目を覚ましました。
例の若いものがいなくなっていました。一人もいない。松明は倒れて消えていました。
砂浜(それほど広くなかったそうですが)には大勢の人が走り回った足跡が残っていました。
村人や呪術師は、「あれだ、アノ船が人を喰らうんだ」といって青くなっていたそうです。
じじいもそう何日も滞在しておられなかったので、車に同乗させてもらい村を後にしました。
駐在の住所を聞いておいたそうです。
彼は家に帰ってからちょっとしてから駐在に手紙を書いたのですが、その返信がすぐに来たそうです。
「あの船は、その後二日停泊し、その後、朝見てみるといなくなっていた。その間に村人の8人がいなくなった」
その後、第二信が彼から来て、それには「その後、いなくなった人々の着物の一部が海岸に打ち上げられた」と。
駐在は、心中ではないか?とも書いていました。
「ふしぎなこともあるもんよ。ひとがあがいにたくさんいっぺんにおらんなるとはのう。
日本もええ船があるんやけん、あのおかしな船をしらべたらよかったやけど」
日本の行政府は迷信を取り除こうと努力していましたが、そのような事件を伴う(根拠のある?)迷信は根絶やしにはできなかったそうです。
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じじいと不良娘
677 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/30(火) 21:42:14.99 ID:yQrUAPBO0.net
石じじいの話です。
じじいの住む村は、かなり山奥で空気が驚くほどよく静かでした。今でもそうです。
そこに戦後すぐに、母親とその娘の親子がやってきたそうです。
噂で聞くに、その娘は素行が悪くいわゆる不良で、それを更生させるために都会から田舎にやってきたのだ、ということでした。
父親は戦死しておりいないので、うまくしつけができないで困っているとも。
1ヶ月後くらいに、その母親は近くの集落の人に(他人だったそうですが)その娘を預けて、そこを去りました。
娘はそこで生活を始めました。
その母親の態度から、じじいは「あの母親は自分の娘を捨てたな!」と気がついたそうです。
じじいは田舎者でしたがバカではなかったので、それはおそらく確かだったのでしょう。
ある日、じじいが山に行く準備をしていると、その娘が(中学生だったのですが)見ていたそうです。じじいをじっと睨んでいたそうです。
痩せた背のちょっと高い女の子だったのですが、眼光がするどかったと言っていました。
じじいはいやな気分になって山にいきましたが、次の日もその娘はいたそうです。
それが数日つづいたのですが、ある日、じじいは思いきって娘に声をかけました。
678 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/30(火) 21:42:48.69 ID:yQrUAPBO0.net
「わしといっしょに山へいくかな?」
当時は大人が子供に声をかけても通報されるような社会ではなったので。
(それを見ている人もいないし、それを気にかけるような風潮でもない:ある意味、子供はほったらかしだったのです。それにその娘は、預かっている家庭にとっては金をもらって世話をしているにすぎませんから)
女の子は笑いもせずじじいについて来たそうです。
山を一緒に登って石探しと石拾いをしました。
じじいは弁当を彼女に分けてやったそうです。
次の日も彼女は来ました(夏休みだったのです)。
じじいは小さな子供に欲情する性癖を持っているわけではありませんでしたが、まるで自分の子供のようにその子に接しました。
じじいは結婚しておらず子供もなかったので、なおさらだったということです。
じじいは山の歩き方、石の探し方、どんな石が貴重か、などのノウハウをその子に伝授しました。
じじいは、まあ、子供だからこんなことを言ってもしょうがないか、と思っていました。
しかし、事態は思わぬ方向に進みます。
彼女はとても石探しの才能があったそうなのです。
軽々と山を登るし、道を覚えて帰り道も平気で歩ける。
そして教えられたとおりに、またはそれ以上に上手に石を探して、いくつも貴重な石を見つけたそうです。
679 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/30(火) 21:44:28.79 ID:yQrUAPBO0.net
「えらいことよ。そのこはのう、がまんづようてのう、よう、やまをあるけえたんよ。
あがいな元気な子は、わしらの村にもおらなんだい」
その子は面白い貴重な石をたくさん見つけて、じじいに提供しました。
そして、その見つけた石の中から、ちいさな綺麗なものを1つじじいから分けてもらって大事そうに持ち帰ったと。
ある日、じじいと女の子は山をかなり歩いたあと、おそい昼食をとりました。
女の子が持ってくるようになったお弁当は、粗末なものだったそうです。
食後、彼女は疲れたのか、ウトウトと眠りこけたそうです。
「ありゃりゃ、ねてしもうたい」とじじいは思ってタバコをふかしていましたが、急に「おとうさん!」と彼女が叫んだそうです。
じじいはびっくりして彼女を方をみましたが、彼女はまだ眠っていたそうです。
彼女の寝言だったのです。
じじいは自分がしていた手ぬぐいを折りたたんで彼女の頭の下に敷いて、目がさめるまで待っていたそうです。
その日はそれで石探しをやめて帰りました。
じじいは彼女の卓越した石探しの能力に驚いて、ちょと怪しんでいました。
そうして一ヶ月ほど、日曜日ごとに彼女はいっしょに石探しに出かけました。
じじいは彼女に「友達といっしょに遊ばないのか?」と尋ねましたが、
彼女は「ともだちはいない」と苦しそうにいったそうです。無口な少女でした。
680 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/30(火) 21:45:52.58 ID:yQrUAPBO0.net
そうしているうちに、彼女はその村を去りました。
聞くところによると、「どこか他の町の家に養子としてもらわれていった」ということでした。
じじいは彼女を自分の娘のように思い、情が移っていたので、かなり落胆しました。
ただ、じじいは娘がことづけたという手紙を渡されました。
封筒に入っていてきちんと糊付けで閉じられて封緘されていました。
じじいは開けてみましたが、そこには、
じじいと一緒に山歩きをしたことがとても楽しかったこと、
自分は母親とあまりうまくいかなかっとこと、
その村での生活はひとりぼっちで寂しかったこと、
そして無愛想な態度をじじいにとったことを謝罪することばなどが書き連ねてあったそうです。
その手紙はじじいのことを『おじいちゃん』と表記していました。
じじいはその手紙を大事に持っていて、私にも見せてくれました。
それは鉛筆で書かれていて、子供にしてはきれいな文字でした。
「のう、ぼく(わたしのこと)よ、かわいそうやったのう。
自分のこどもがにくい親がどこにおらい?
しかしのう、あのころはおなご一つの手でこどもをそだてるんは、えらいたいへんやったんで。
もうええおとなになっとるやろうけど、どこにおるんかのう?」
じじはいとおしむように、その手紙をもとどおり座机の引き出しにしまって、そう言いました。