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861: 1 2010/01/27(水) 14:05:21 ID:3yGfAIds0
忘れもしない7月1日、一本の電話からそれは始まりました。
「もしもし?」 ぱんっぱんっ
まるで拍手を打つような音だけが聞こえ、そこで通話は切れました。
0742○×△・・・
番号が表示されていたのですぐに掛け直しました
「NT○ド○モです。お掛けになった番号は現在使われておりません。番号を・・・」
ゾクッとして思わず切りました。
(着信履歴から掛けたはずなのに・・・)
仕事が忙しかった事もあり電話の件は忘れていました。
その日の帰り道に友達Aに会いました。
仲が良く色々悪い事もしたつれです。すぐそのまま飲みに行きました。
私の家が近かったものですから近くのスーパーで買い物をし帰宅しました。
他愛もない話に花をさかせ、夜もふけてきた頃に突然Aが話しはじめました。
A「お前覚えているか?」
いきなりの質問でしたし何の事かわかりません。
A「Bと3人で先月ドライブ行っただろ?で○×山でみたあれだよ。」
私「Bがくねくねを見たって騒いで俺がくねくねの正体は
えんらえんらって昔からいる妖怪だろ?ってばかにした時のか」
A「そう。そんでわざわざUターンして見に行ったら・・・・」
私「それがどうしたんだよ」話の要領が得ずイライラしてきた
A「Bが死んだんだ。」
862: 2 2010/01/27(水) 14:06:10 ID:3yGfAIds0
Bがみた場所に戻ると何もみえず私達はそのみたという場所を散策しました。
そこには朽ちた小さなお社と何本も釘が打ち付けられた大きな木があり
誰かの呪いが具現化してみえたじゃないと茶化し帰宅しました。
その3日後くらいにBが
「何も見えないし、誰もいなんだけども何かがいるんだ。怖いんだ」
と相談してきましたが私は幽霊など信じていないので
「あんな不気味なものを見たから恐怖心に心が支配されているんだよ。
なんならお祓いに行け」と相手にしませんでした
そんなBが死んだ。いつ?
A「家の中でな。自分の家族が2人いるんだと。1階でみたのに2階にいる。
リビングにいるのにトイレからでてくる。両親が怖いって。
自分の部屋を開けたら1階にいたはずの母親がいきなり抱きついてきて
あまりに重くて気を失ったって話を聞いた」
私「ドッペルって誰かが呪いかもってサイトで書いてあったよな?
でもなんで自分じゃなくて両親なんだ?」
A「Bにとって自分をみるより両親の方が怖かったんじゃないかな。」
私「あの木の所に俺達以外に誰かいたのか?っているわけないよな・・・。」
沈黙が続き、酒がなくなったので近くのコンビニに買いに外にでた。
863: 3 2010/01/27(水) 14:07:24 ID:3yGfAIds0
電信柱の所に誰かいる。左目が異様に大きくムンクの叫びの様な子供。
そいつがいきなり奇声を上げ四つん這いになって追いかけてきた。
意味もわからず逃げる俺達。
A曰くなんで包丁もったお前が追いかけてくるんだよと。
?後を振り返るケケケケケケと笑いながら中年のおっさんが包丁を手に追いかけてくる。
はぁはぁはぁはぁ
ケケケケケケミッキャキャキャッ~ケタケタタケケケタタタ
真後ろにせまってくる。耳元で声がする。
家の前の路地に入ると急に静かになった。
私「なんだったんだよ今の」
A「わからないけど、とりあえず家に入ろうぜ。まだ安心じゃない」
全力で走ったせいか息切れがひどい。倒れこむように部屋に入った。
パキンっと音がし、バタン 神棚の御札が落ちた。
よくみると所々赤黒く染みだらけである。
怖くなりAの方を振り返るとそこには血だらけのAがいた。
その背中にAをめった刺しにする私の祖父
「大丈夫だから。大丈夫だから。」と笑いながら
864: 4 ラスト 2010/01/27(水) 14:10:11 ID:3yGfAIds0
着信音が鳴り響く
部屋には誰もいない。Aもおじいちゃんも
奈良の実家からの電話だった。おじいちゃんが亡くなったと。
今起こった状況が飲み込めず呆然としていると良かったなとAの声が聞こえた気がした。
24ばりの長い一日が終わり葬儀で忙しく落ち着いてから
AとBに電話をかけた。電源が入ってないとの通知だったので
実家にかけるとAは6月27日にBは6月23日に亡くなったとの事だった。
おじいちゃんは御札の神社の氏子をしていてその日はお祭りだったらしい。
その晩に何の前ぶれもなくぽっくりと笑顔で亡くなったので
幸せだね~とみんなは口々に言っていたのだが
私だけは本当の死因を知っている。
おじいちゃんありがとう。でも昨日みちゃったんだ。
自分の部屋のトイレからじいちゃんが無表情ででてくるのを。