ホラー

【洒落怖】昔田舎で起こったこと

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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:40:44.58 ID:8Bp+h5fP0
これを誰かに話すのははじめてなんだが、暇な奴は聞いてくれ。

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:42:28.07 ID:8Bp+h5fP0
あらかじめ断っておくけど、相当に長い上にヘタクソな文だと思う。
エロもない。
そして多分レスもしない。すまない、あまり時間が無いんだ。
ネタや釣りだと思われてもかまわない。
俺が吐き出したいだけというオナヌースレだ。
ただ出来るだけ多くの人の目に触れてほしい。

早速話をはじめよう。
俺が小学5年の頃の話だ。

6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:43:27.71 ID:8Bp+h5fP0
東京で生まれ育った一人っ子の俺は、ほぼ毎年夏休みを利用して1ヶ月程母方の祖父母家へ行っていた。
両親共働きの鍵っ子だったので、祖父母家に行くのはたいてい俺一人だったが、
初孫だった俺を祖父母はいつも笑顔で歓迎してくれた。

山あいにある小さな集落で、集落の北端は切り立った山になってて、その山のすぐ下を県道が走ってる。
県道沿いに商店が数軒並んでて、その中に祖父母家があった。
山を背にすると猫の額程の平地があり、真ん中に川が流れてて、川を渡って数分歩くとすぐ山になる。
山に挟まれた県道と川がしばらく坂を上っていくと、
険しい峠になっていて、この集落は峠までの道で最後の集落になってる。
この峠は名前も何だか不気味だったこともあって、昔ながらの怪談話をよく大人たちに聞かされたものだった。

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:44:49.37 ID:8Bp+h5fP0
そんな寒村の小さな集落、全部合わせて50人も住んでないような場所だから、
遊び仲間になる子供も5~6人ぐらいしか居なかった。
よく遊んでいたのが、
子供たちの年長者であるA(中1)
Aの弟のB(小6)
仲間内で唯一俺より年下だった魚屋のC(小4)
川で泳いだりカブトムシを取りに行ったり、東京のコンクリートジャングルで生まれ育った俺にとって、
ファミコンが無くても楽しい田舎での暮らしは新鮮で、天国のようだった。

10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:45:40.13 ID:8Bp+h5fP0
小5の夏休み。
俺は例年通り新幹線とローカル線、さらにバスを乗り継ぎ6~7時間掛けて祖父母家に行った。
翌日から遊び仲間たちに挨拶回りをして、早速あちこち走り回って遊びまくった。
集落の大人たちから「行ってはいけない」と言われていた、集落南端の山中にあるお稲荷さんで肝試しもした。
カンカン照りの昼間だけど、鬱蒼とした森の中で、北向きなせいもあって薄暗くて怖かったな。

11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:46:44.08 ID:8Bp+h5fP0
それとは別に、もう1ヶ所「行ってはいけない」と言われてた場所がある。
場所、と言うか、俺が聞いてたのは漠然としたエリアで、
県道伝いに峠方面に行くと、県道沿いに製材工場と墓地がある。
「その墓地から先には絶対に行くな」と。

今でこそ県道は道幅が拡張されたり、トンネルがいくつもできたりしてるらしいが、
当時は集落から数キロ先の峠まで、道幅も狭くて交通量も多かったので、危ないからだと説明されていた。
確かに両親と車で行ったとき、車で峠を越えたことがあったけど、崖にへばりつくような道で、
車線内に収まりきらない大型トラックが、センターラインを跨ぎながらビュンビュン走ってたのを覚えている。

13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:47:13.21 ID:8Bp+h5fP0
肝試しの翌日、昨日の肝試しはたいしたこと無かったなと、皆で強がりながら話しているとき、
Bがニヤニヤしながら話はじめた。
B「峠の方に行った墓の先、鎖がしてある道あるじゃん?あの先にすっげぇ不気味な家があるらしいよ!」
A「家?鎖の奥に行ったことあるけどそんなの無かったぞ」
C「えぇ?A君行ったことあるの!?あの鎖の先は絶対行っちゃいけないって…」
A「おう、内緒だぞw」

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:48:11.49 ID:8Bp+h5fP0
どうやら本当に行ってはいけない場所というのは、鎖のある道小道だったようだ。
A「あの道の先って、川にぶつかって行き止まりだぞ」
B「それがな、昔はあの先に橋があったらしいんだよ。でも、俺たちが生まれた頃に洪水で流されたんだって。
 で、あの道とは別に、川の手前から斜めに入ってく旧道があるらしいんだよ。
 そこに古い橋がまだ残ってるって話だぜ。
 旧道は藪だらけだし、周りは林だから、あの道から橋も見えないけどな」
A「誰に聞いたんだ…?」
B「□□(別地域)の奴に。いわくつきの家らしいよ」
A「面白そうだな」
B「だろ?今から行ってみようぜ!」
AB兄弟はノリノリだったが、年少者で臆病なCは尻込みしていた。

16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:49:45.13 ID:8Bp+h5fP0
B「Cはビビリだなwお前夜小便行けなくて、寝小便が直らないらしいなw」
C「そんなことないよ!」
B「やーいビビリwおい、Cはビビリだから置いてこうぜw」
C「俺も行くよ!」
俺たち4人はわいわい騒ぎながら、県道を峠方向に歩いていった。

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:50:09.64 ID:8Bp+h5fP0
集落から歩いて10分。製材所や牛舎を抜けると、山側に大きな墓地がある。
そこからさらに5分程歩くと、Bが言う『鎖の道』が右手にあった。
車に乗ってたらまず気付かないであろう、幅2m程藪が薄くなっているところを覗くと、
5m先に小さな鉄柱が2本あり、ダランとした鎖が道を塞いでいる。
鎖を跨ぎ、轍が消えかけ苔と雑草だらけの砂利道を少し歩くと、道は徐々に右へとカーブしていく。

鬱蒼とした木々に囲まれて薄暗いカーブを曲がっていくと、
緑のトンネルの先から、ひときわ明るい光がさしこんでいた。
そこで川にぶつかり、道は途切れた。
今居る道の対岸にも、森の中にポツンと緑のトンネルのような道が見える。
対岸まではせいぜい10~15mぐらい。川幅ギリギリまで木々が生えてるため左右の見通しは利かない。
足元には橋台の跡と思われるコンクリートの塊があった。

18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:50:40.22 ID:8Bp+h5fP0
A「やっぱ行き止まりじゃねーか」
B「まぁ待ってよ。ほら、コレ橋の跡でしょ?あっち(対岸)にも道があるし」
A「ほんとだ」
B「戻ろうぜ。旧道の目印も聞いてあるからさ」

そこから引き返してカーブを曲がっていくと、カーブの付け根あたりでBが道の脇を指差した。
B「ほらこの石。これが旧道の分岐だ」
人の頭ぐらいの大きさの、平べったい石が2つ並んで落ちていた。
ひとつは中心がすこし窪んでいて、B曰く昔はここに地蔵があったんだとか。

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19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:51:18.03 ID:8Bp+h5fP0
県道方面から見て、カーブの入り口を左側。濃い藪が広がってるなかで、確かに藪が薄い一本のラインが見える。
藪の中は緩い土がヌタヌタと不快な感触だが、このライン上は心なしか踏み固められているように思えた。

藪を掻き分け、笹で手を切りながら進んでいくと、川に出た。
B「ほれ、橋だw」
Bがニヤケながら指差したのは、古びた吊り橋だった。
A「橋ってこれかよw行けるか?これw」
B「ホラ、結構丈夫だし行けるだろw」

まずは、Bが先陣を切って吊り橋を渡りはじめた。
ギギギギと嫌な音はするけど、見た目よりは丈夫そうだ。
Cは泣きそうな顔をしていた。

20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:51:59.66 ID:8Bp+h5fP0
いっぺんに吊り橋を渡って橋が落ちたら洒落にならないので、一人ずつ順番に対岸まで渡ることになった。
一番ノリノリのBが渡り終えると、次にA、そして俺が渡り終えて、
最後に残ったCを呼ぶが、モジモジしてなかなか渡ろうとしない。
B「おいC!何怖がってんだよ!大丈夫だよ。
 俺らが渡れたんだから、一番チビなお前が渡っても橋が落ちることはねーよ!w」

対岸からあーだこーだとけしかけて、5分近く掛かってようやくCも渡ってきた。
涙で顔をグショグショにしたCの頭を、笑いながらBがグシャグシャと撫でていた。

21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:52:42.33 ID:8Bp+h5fP0
橋までの道と同じような藪が少し薄いだけという、獣道にも劣る旧道を2~3分程歩くと、
右手から苔と雑草だらけの砂利道が合流してきた。
流された橋の先にあった車道だろう。

そこから100m程だろうか、クネクネとS字カーブを曲がっていくと、広場のような場所に出て2軒の家があった。
元々は他にも数軒家があった形跡があり、奥にはすぐ山肌が迫っていた。
家があったと思われる場所は空き地になってる為、鬱蒼とした森の中でかなり広いスカスカな空間が不気味だった。
2軒の家は平屋建てで、道を挟んで向かい合うように建っている。
どちらも明らかに廃屋で、左手の家には小さな物置があった。

22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:53:31.48 ID:8Bp+h5fP0
広場の入り口には、風化して顔の凹凸がなくなりつつある古い地蔵があったが、何故か赤茶けていた。
AB兄弟はすげーすげーと興奮してたが、俺とCは怖くなってしまい、黙り込んでいた。
Cはキョロキョロしながら怯えている。
どちらの家も玄関の引き戸や窓は、木の板を×印の形に打ち付けて封鎖されていた。
B「どっかから入れないかな」
AB兄弟は家の周りをグルグル眺め回していた。
とても帰ろうなんて言える雰囲気ではないが、Cは小声で「もう帰りたい…」と呟いていた。

物置がある家の裏手からBがオーイ!と声をあげた。
皆でBの声のする方に言ってみると、裏手のドアは鍵が閉めてあるだけで、木の板は打ち付けられていなかった。

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