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小さな人影
306 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/03 00:15 ID:+djG5rAi
友人に聞いた話。
小学生の頃、父親と二人で山道を下っていた。
霧が出ていたので、互いに手を繋いで足元を見ながら歩く。
と…ふいに父親の手に力が籠った。
「お父さん、痛いよ」
そう言って顔を上げた。
父親は前方を睨んだまま、険しい表情を浮かべている。
その視線の先を追うと、霧の中にぼんやりと小さな人影が見えた。
「見るな!」
突然、父親が大声で吠えた。
「目を瞑れ!儂がいいと言うまで絶対に開くな!」
只事でない剣幕に、慌てて目を瞑る。
そのまま、父親に引き摺られるように歩き続けた。
ジャリッ…ジャリッ…
足音が二人の横を通り過ぎる際、小さく呟く声が聞こえた。
「ナンマンダブナンマンダブ…」
それから20年あまりの月日が経ったある日、
久しぶりに父親と酒を酌み交わしていて、あの時のことを思い出した。
「あの人影、誰だったんだ?」
父親はしばらく黙っていたが、やがて渋々といった様子で呟いた。
「お前だった」
それっきり何も言わず、父親はコップ酒をあおった。
猟犬
355 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/05 00:20 ID:wOMYurfL
猟師に聞いた話
猟を終え、軽トラックで山道を下っていた。
荷台の檻には犬が2頭。
途中、うっそうと茂る森に差し掛かったところで、突然犬たちが吠え始めた。
何ごとかとバックミラーを覗く。
荷台を見通す小窓に、一瞬人の顔が覗いたかと思うとすぐに引っ込んだ。
異様なまでに無表情な男の顔。
驚いてブレーキを踏み、車を降りて荷台の方へ。
そこに人の姿はなく、檻にも異常はなかったが、中の犬が1頭消えていた。
もう1頭の犬は『何か』に怯え切っており、以来猟犬としては使いものにならなかった。
修行の成果
356 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/05 00:21 ID:wOMYurfL
Fさんに聞いた話
杣人のFさんはもう70過ぎの老者だが、山足が異常に速い。
かなり険しい斜面でも、平地と同じスピードで歩く。
体力自慢の作業員でも、Fさんのペースには付いていけない事が多い。
ある日、その理由を問うてみた。
「若い頃、山伏について修行してたんだが…」
自宅の上がり框で、Fさんは靴下を脱いで裸足の足裏を見せてくれた。
土踏まずの辺りに、親指ほどの穴が開いている。
「ここから筋を一本抜いてもらってから足が軽くなったんだ」
山の中の家がおかしかった
∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part77∧∧
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1432382677/
156 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/06/06(土) 11:39:08.57 ID:+PYsqkDW0.net
叔母さんが霊感アリなんだけど、引っ越してきた山の中の家がおかしかった。
玄関と納屋から変な音がするらしい。
ポタポタポタッっていう水が落ちる音と、ベショッっていう濡れた足音が時々聞こえるんだとか。
元の持ち主やご近所さんに色々聞いてみたところ、
納屋の床と玄関脇のスペースをリフォームした際に、近くの川辺から拾ってきた石を使っていたのがわかった。
叔母さんはハンマーで掘り出してモルタルを綺麗に落としたあと、
洗ってから檀家に入っているお寺さんに拝んでもらって元の川に戻したら、
それ以降は一切そんな異音はしなくなって、なぜか畑の作物がよく育つようになったんだとか。
昔話みてーだなと、ホウレンソウのお裾分けをもらいながら思った。
山姥のお話
∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part78∧∧
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1437535517/
73 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/07/27(月) 21:03:25.47 ID:V6tiMmTG0.net
知り合いに伝え聞いた、山姥のお話。
昔の山村ってさ、本当に交通網が発達してないのね。
隣町に行くって言っても、徒歩で本当に峠も何回も超えなきゃ無理ってのも普通だったらしいね。
そんな山村の付近の山に住んでたという山姥。
この山姥が標的にしていたのは、主に外部から嫁いできたお嫁さんだったらしい。
山姥のテリトリーの山に入ると、お嫁さんが忽然と消えてしまうことがあったそうだ。
消えてからしばらくすると、山村に着物の一部と骨の一部だけが届いているということも。
若い女子を食う山姥ということで、恐れられてたそうだ。
というのは上辺の話で、
実は、山姥は嫁ぎ先でひどい目にあって、それでも手段がないせいで逃げられないというお嫁さんを、
こっそりと逃がしていたそうだ。
この話をしてくれた知り合いの知り合いが、実際に逃がしてもらったとかそうじゃないとか。
あいつら
357 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/05 00:22 ID:wOMYurfL
Fさんに聞いた話
はしごに昇って枝打ちをしている最中、
足元でガサガサと音がしたので見下ろしてみると、妙なものが居た。
人の頭ほどの毛の固まりから、細い人の手足が数本ずつ生えている。
そんなものが、手足で草を掻き分けて森の中へ消えた。
「人に化けようとしたんだろうが…ありゃデタラメだ。あいつら目が見えんからな」
Fさんは平然とそう言ってのけたが、『あいつら』が何なのかは教えてくれない。