世にも奇妙な物語

【世にも奇妙な物語】<皆のトラウマ回>おばあちゃん ネタバレ

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概要

「おばあちゃん」2001年秋の特別編で放送された。後に『世にも奇妙な物語 小説の特別編 悲鳴』にも収録された。

世にも奇妙な物語、屈指のトラウマエピソード。寝たきりのおばあちゃんと人格が入れ替わってしまった少女の運命は...オンエア時は想像を絶する胸糞振りにただただ唖然となり、今でも時々思い出させられる名作。主演は当時千と千尋の神隠しで時の人となっていた柊瑠美さん

おばあちゃん あらすじ

557: 本当にあった怖い名無し:2008/12/14(日) 06:11:04 ID:+456GF8x0
随分前にテレビで見た世にも奇妙な物語の「おばあちゃん」

山奥にある病院に入院する祖母のお見舞いに来た少女 美保とその両親。
個室のベッドには、全身にチューブが通された祖母が力なく横たわっている。、
動くことも、喋ることも出来ずただじっと窓から差し込む新緑を見つめている祖母は、どこか寂しげだ。
美保の母は軽蔑したような眼差しで祖母の顔を覗き込むと、
「太陽の光が目に悪いから」と、窓のカーテンをシャッと閉める。一瞬表情が歪む祖母。

少女を残して奥の部屋に移動した両親は、医者と何やら会話している。
「病状はなかなか回復せず……」「もってあと……」
どうやら祖母の命はもうそう長くないらしい。少女が悲しそうな顔で祖母の髪を撫でる。
両親が戻ってきた。「美保、帰る準備しなさいよ」。母の言葉に「え!? もう?」と動揺する少女。

「まったく、医療費だけでもバカにならないのに、とっとと死んでくれないかしら」
祖母が身動きできないことをいいことに、心無い言葉を吐き捨てる母。
少女が身支度を終え、両親の後に着いていこうとしたそのとき、少女の頭の中に祖母の声が響いた。
「……!!?? おばあちゃん!?」。驚く少女に、頭の中の祖母は説明する。

558: 本当にあった怖い名無し:2008/12/14(日) 06:11:51 ID:+456GF8x0
「今日の日没、私の迎えが来る。私はお荷物のようだし、それに抗うつもりはないが、
死ぬ前にひとつだけ会いたい人がいる。私の初恋の相手。どうなっているのか心配で死にきれない。
だから、美保の体を借りたい。今日だけ私と入れ替わって欲しい。必ず日没までに戻るから。約束する」
祖母の言葉に驚きを隠せない少女。最初は迷っていた少女だが、
祖母の懇願についに根負けし、入れ替わりを決意する。

「美保! 何してるの!? 早くしないと置いていくわよ!」
母の声に振り向く少女。いやそれは既に祖母だった。
「おばあちゃん、苦しいよ、息ができないよ、助けて」
「ごめんなさい。必ず戻るから」
少女と入れ替わった祖母は、申し訳なさそうにその場を後にした。

病院から帰宅した祖母は、早速初恋の相手の家に向かう。
垣根から家の内部を覗き込むと、そこには寝たきりになり、虚空を見つめるだけの変わり果てた彼がいた。

そこへお粥を持って彼の枕元に座る義理の娘(?)。
熱々のお粥を彼の口元に運ぶが、上手く咀嚼できず、口角から次々とお粥がこぼれ落ちる。。
「あぁ!! イライラする!! ほんといつになったら死んでくれるのよ!」
娘は彼に苛立ち、そう暴言を浴びせてそのまま立ち去ってしまった。

「私と同じ目にあっていたんだ……可哀想に……」
祖母は無断で家に侵入すると彼の枕元に寄り、
「私よ、○○よ、覚えてる?」と話しかけながらお粥を丁寧に彼の口元に運ぶ。
と、そこに娘が。動転した祖母は必死に説明しようとするが、
上手く説明できないし、説明したところで信用してもらえるはずがない。
「何よアンタ!! 頭おかしいんじゃないの!?」。娘にお粥を投げつけられて逃げ去る祖母。

559: 本当にあった怖い名無し:2008/12/14(日) 06:12:27 ID:+456GF8x0
複雑な表情のまま帰宅した祖母は、しばし呆然とするが、ふと外を見ると既に日が傾き始めていた。
美保との約束を思い出した祖母は、慌てて駆け出すと、車で1時間はかかる病院へ向かう。
ようやく山に到着するが、途中で道を間違え、道に迷ってしまう。
「早く行かなきゃ、孫が、美保が苦しい思いをしているのに」
鬱蒼と草木の茂る山道を駆け上がる祖母。と、そのとき、突き出した枝でおでこをザックリ切ってしまう。

その場にしゃがみ込む祖母。「このままやり過ごせば、死ななくて済むかもしれない……」
祖母の脳裏をそんな愚考が過ぎるが、
「だめだ! 美保にはまだ未来があるんだから! こんな傷美保の今の苦しみに比べたら!」
と、思い直して再び山道を駆け上がった。空は既に鮮烈な蜜色に染まっていた。

日がまさに西の空に沈もうとしたとき、祖母は何とか病院の前に到着していた。
病室の扉を勢いよく開ける。
「おばあちゃん、早く、苦しい、苦しいよ」
助けを求める祖母の姿をした少女に、窓から迎えの光が差し込もうとしていた。
「美保、ありがとう、今、元通りにしてあげるからね」
美保のもとへかけよる祖母。2人を淡い光が包み込む。
「美保、本当にありがとう」

次の日、おばあちゃんは天国へと旅立っていった…

560: 本当にあった怖い名無し:2008/12/14(日) 06:14:47 ID:+456GF8x0
― 30年後 ―

鯨幕に包まれた美保の自宅。礼服を着た人々が盛んに行き交う。
美保の父はすでに他界しており、母の葬儀が行われていた。

読経の中、棺の横で正座している美保。遺影には美保の母親が写っている。
「因果応報なのだろうか、あの人も、全身にチューブを通されて苦しみながら逝った」
美保の心の声が響く。

ふと、髪の毛をかきあげる美保。その額にはあのときの傷がまだ残っていた。

「美保にはすまない事をした…まだやり残したことがあったからね。だって不公平だろ? この女にも苦しい思いをさせなきゃ。望まない延命装置、山奥の病室への隔離。全てあの女が私にしてきたことだ、不公平だろう?私ばっかりじゃ…」

髪の毛を下ろし、心の中で呟く美保。
「ごめんね、美保。でも不公平じゃない。あの女にも、私の気持ちを分からせてやりたかったの」
不適な笑みを浮かべながら遺影を見つめる、美保の祖母。

終 わ り

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