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152: 本当にあった怖い名無し 2020/03/11(水) 15:12:41.13ID:HpH0BLv60
戸梶圭太の『誘拐の誤差』という小説
語り部である主人公は、不運にもチンピラに絡まれて殺されてしまった小学生の男の子の幽霊
幽霊である主人公は何処にでも行けて他人の思考を読むことも出来て、そんな彼の神の様な視点から、彼が死んだ後の世間の動きが淡々と語られていく
子供一人を殺したにも関わらず何の変わりもなく平然と暮らし続ける犯人の様子や、息子の死を嘆く
DQN両親、デタラメな捜査の末に誤認逮捕をしてしまう警察、警察の尋問に精神的に追い詰められて嘘の自供をしてしまう無実の一般人、等々の姿が淡々と語られていく
物語終盤では、小学校で行われている告別式の様子を眺めていた主人公は、一人の少女に興味を持つ
その少女は「私も誘拐されれば、皆が興味を持ってくれるのかなぁ?」と思考していたのだ
一見すると地味な日陰者と言った印象の少女だが、よく見ればなかなか可愛く、主人公はその子のことが気になってしばらく観察することにした
で、次の最終章では、主人公が読者に語りかけて来て、飽きたのか疲れたのか、現世からあの世へと成仏することを宣言する
「僕だってあの女の子のことが気になるし、読者の皆も事件の顛末とか気になるだろうけど、ごめんね」
的に謝りながら物語は終わる
153: 本当にあった怖い名無し 2020/03/11(水) 15:22:41.79ID:2abH3fk40
「小説推理」の連載作品だったみたいだけど
打ち切り?
154: 本当にあった怖い名無し 2020/03/12(木) 00:46:06.94ID:T+Vq/odq0
>>153
いや、打ち切りなのかは知らんけど
この作者はこういう終盤での奇抜な超展開を平然とやってのける一風変わった作家よ
154: 本当にあった怖い名無し 2020/03/12(木) 00:46:06.94ID:T+Vq/odq0
例を上げると、同じ作者の『レイミ 聖女再臨』という長編ホラー小説
序盤~中盤は凄くシリアスなホラーサスペンス
廃墟のビルに5人の男女が大切な「ある物」を持ち寄って集うところから始まる
でもこれも奇抜な終わり方をする。
5人の男女は、数年前に6人で「ある物」を6等分に切り分けて一人一人に分配して、数年後に集まって「ある物」を1つに戻すと約束していた
しかし現在、約束の廃ビルに5人は集まったけど、6人目である最後の1人Aが来ない
Aを待っている間に5人の人間関係は悪化していって、「ある物」を一人占めしたいという願望が爆発。
血みどろの争いが始まる
その6等分にされた「ある物」とは、「レイミ」という名の一人の絶世の美女の遺体だった
廃ビルでの5人の争いのパートの合間合間に、不在のAの視点で過去が語られていく
6人はレイミの美しさの虜となり、彼女を女神のように崇めて信奉していた
そんなある日、レイミから「私を殺して死体をバラバラにし、数年後に元に戻しなさい」と命じられる
6人は言われた通りにし、Aはレイミの片足を預かることになった
不思議なことにレイミの遺体は防腐処理を施していなくても決して腐ることはなく、生前の美しさを保ち続けていた
A(女)は悶々とした日々を過ごしていたけど、ふと「レイミの過去」を調べてみようと思い立った
そしてレイミの足跡を調べると、ドス黒い情報ばかりがどんどん出てくる
(この辺りが物凄くホラーテイストで最高に面白い)
レイミは過去に関わった者全てに怪奇的な災いをもたらして破滅させていた
最も恐ろしかったのは、レイミがとあるカルト教団の教祖の恋人だったという事
その教団は異次元に纏わる闇の儀式を行った後に、おぞましい形で壊滅していた
どうやらレイミは人間ではないらしくて、異次元からやって来た悪魔の類いのような存在なのだ
その事実をAが理解した矢先に、1人の奇妙な男が現れる
155: 本当にあった怖い名無し 2020/03/12(木) 00:49:01.67ID:T+Vq/odq0
とても朗らかな雰囲気のブ男は、然り気なくAに近付いて語りかけると、自らを「天使」と称した
(この辺りから普段の作者のテイストの作風が混じり始めると同時に、天使の人柄の良さのせいでほんわかした雰囲気の展開が暫く続く)
天使であるその男が言うところによると、彼は神に命じられて地上の監視をしているらしい
神の創造したこの世界には、ごくたまに異次元から化物が紛れ込んでくる。
そういった異物を見付けることが天使の仕事だという
天使から「何かそういった怪異に心当たりはありませんか?」と質問されて、Aは最初ははぐらかして隠した
だけど、何だかんだで天使と一緒に過ごしているうちに次第に打ち解けていって、とうとうAはレイミの存在を天使に明かしてしまう
廃ビルでの5人のラストパート
これまでの争いで既に3人が死亡、2人が争っている
そこへ乱入者が
現れたのは、Aのパートで情報が出ていたカルト教団と、その教祖
実はカルト教団は滅んでいなくて、レイミにやらされた闇の儀式によってグロテスクな怪物に姿を変えられながらも密かに存続していた
教団は2人を捕らえてレイミの遺体を奪うと、遺体の頭部と胴体だけを繋げて復活の儀式を始めようとする
教団はレイミを恨んでいて、不完全な状態で復活させて復讐を果たそうとしていた
恐ろしい教祖の登場に「悪のラスボスが現れた!」的な雰囲気になるけど、
教祖が喋り始めると雰囲気がぶち壊しにされる
(ここからこの作品は完全にこの作者特有の「節」の作風と化してしまい、ホラーサスペンスとしては崩壊する)
教祖はカタコトの日本語で小学生レベルの低俗な発言を繰り返し、
レイミ復活の儀式の手法も教祖の過去のトラウマから来る屈折した性癖のせいで珍妙極まりないものとなる
156: 本当にあった怖い名無し 2020/03/12(木) 00:49:55.43ID:T+Vq/odq0
そしてさらに乱入者が
なんと現れたのは剣を装備した「黒天使」たち
通常の天使は地上を監視することが仕事だが、
黒天使はレイミのようなこの世のものではない怪異の殲滅を専門としている武闘派
黒天使たちはその場にいた全員を殺戮する(2人も、教団も)
しかし一足遅く、レイミは四肢の無い不完全な状態ではあるが復活を遂げてしまった
「不完全みたいだし、余裕で殺せるっしょ?」と余裕綽々で笑う黒天使たち
一方、Aはと言うと
廃ビルを見上げながら、かつての仲間たちがレイミを売ったという事実に激しく動揺すると同時に
神を恐れて震えていた
不細工な天使はそんなAを安心させようとして慰めて、彼女の背中を押してその場から一緒に立ち去ろうとする
“次の瞬間、廃ビルが大爆発した”
という一文で終わり

