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127: 本当にあった怖い名無し 2012/09/29(土) 22:07:18.29 ID:0XqJxb+y0
藤子不二雄のSF短編集
ある学術的な探査団が、ある惑星に着陸する。
そこは原始的な文明を持つ人間とそっくりな種族が生活していて
老教授は自分の説、この惑星の住民と地球人との血縁関係を証明することに生き甲斐をかけていた。
その手がかりを調査しに訪れていた。教授と助手の若い男女二人。
住民は無表情で、言葉は通じてるのに返事もしない。
ただ、黙々と誠心誠意もてなしてくれる。
ある時助手の青年が「冷たい水をくれないか」と言うと、話しかけられた村の少女は無言のままどこかへ行ってしまった。
その翌日、飛行船で調査中に青年助手はその少女を見かける。切り立った危ない崖を通って
村からとんでもなく遠い場所を歩いていた。
何をしてるんだろう?と思いつつ、さらに次の日。
例の少女が無表情で差し出したのは、遠くの谷まで汲みに行ってきた「冷たい水」だった。
この星の住人は、感情の起伏が浅いが、正直で純朴な人たちだった。
彼が「冷たい水」と言ったために、少女は危険を冒して2日かけて汲みに行ったのだった。
教授は村人に「こういう模様を見たことはないか?」と地球の古代文明の碑石を見せる。
村人たちは集まって何かを話し合った後「見たことがある」と返事をしてきた。
「それはどこだね!?」と興奮する教授に「案内するから数日待ってくれ」と言う。
「わしはこの証明に人生をかけてきたんだ。数日くらいなら待つ」と浮かれて
指折り数えている教授を遠目に、助手の青年と女性は暗い顔で互いの不安を語りあった。
そしてついに案内された洞窟で、古代の地球にあったものと同じ象形文字が刻まれた
岩場を発見する教授。泣いて喜ぶ教授の横で、青年は気付いていた。
村人たちに見せた「写真」の文字と全く同じ模様が刻まれていることに…
誠実で優しい住人たちは、教授に喜んでもらうために文字を刻んだのだろう。
そのために数日かかったのだ、と気付いていたが、助手たちは教授にそれを告げないまま
宇宙船に乗って地球に帰還していった。
138: 本当にあった怖い名無し 2012/09/30(日) 08:41:59.65 ID:7ezlmf+70
>>127
ニューイヤー星か
住民は純粋な親切心でやってるのに悪い結果になってしまうのが
後味悪いといえば悪いな
異質の文明がコンタクトして、言葉は通じるのに考えが伝わらない的な
同じ藤子Fの「ミノタウロスの皿」と同じような後味悪さ
131: 本当にあった怖い名無し 2012/09/30(日) 00:48:05.74 ID:KBzjt9FB0
教授が死ぬ間際に見せてくれたとかだったらめちゃくちゃいい話なのに
132: 本当にあった怖い名無し 2012/09/30(日) 03:06:34.82 ID:ToOF9H9zP
ドゴン族の神話みたいだな