後味の悪い話

【後味の悪い話】仕立て屋の恋

99:「仕立て屋の恋」1/2:2006/11/01(水) 17:02:17 ID:IIUpwxWG0
既出だったらすみません。

変人だと嫌われ孤独に生きる仕立て屋は、向かいに越してきた美女に恋をした。
ただ女を覗くことで孤独を忘れた。仕立て屋は暗がりの中で女を見つめ続ける。

嵐の夜。稲光から女に覗きをしていることがばれるが、女は仕立て屋を避けるどころか
接近してきた。その理由は唯一つ。あの嵐の夜、女の部屋には殺人を犯した婚約者がいた。
そのことを仕立て屋が知っているかどうかを確かめるためだけに女は仕立て屋に愛を囁く。
しかし、仕立て屋は知っていた。婚約者の殺人も女の真意も。
「一緒に逃げよう。はじめは愛してくれなくてもいい。人生を君に捧げる」
仕立て屋は女に言い、切符をわたすが、約束の駅に女が来ることはなかった。

100:「仕立て屋の恋」2/2:2006/11/01(水) 17:06:41 ID:IIUpwxWG0
仕立て屋は失意の中でアパートに帰るが、そこに待っていたのは女と刑事だった。
女は殺人の証拠を仕立て屋の部屋に忍ばせ、彼こそが犯人だと訴える。
仕立て屋は全てを察した。
「少しも恨んではいないよ。ただ、死ぬほど切ないだけだ。でもかまわない。君は喜びをくれた」
仕立て屋はそう告げると身を投げ命を絶つ。

後日、刑事は仕立て屋からの手紙とコートを見つける。
「私と彼女は遠くにいます。どうか探さないでください。コートは婚約者のもので
殺人の証拠です。彼女には何の罪もありません。私達は一緒にいるだけで幸せです」

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