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241: 本当にあった怖い名無し:2008/05/19(月) 17:50:31 ID:/QPL603g0
作者もタイトルも忘れた短編。タイトル確か「侵入者」とかそんな感じ。
主人公A子は裕福な家で育ち、夫も一流企業、何不自由なく暮らす今で言うセレブ妻。
出産で入院し、多少不安になっている時、その病院で働く掃除婦B子と出会う。
B子の娘は同じ病院に入院し、出産予定日も同じだというので話があい、
部屋に掃除をしに来た時、よく話すようになった。
B子の家は母子家庭で、生まれつき傲慢なA子は心の中で
「こんな家に生れ、こんな母がゴミにまみれて仕事をする家で育った娘と、
裕福で立派な両親に育てられた私とは違う」と思っていた。
退院し、赤ちゃん用に改築した豪華な部屋、素晴らしい家具に囲まれ、
優雅に育児を始めるA子だったが、B子が頻繁に訪ねてくるようになった。
戸惑いつつも、高慢なA子は
「一生自分にも、その娘にも縁のない世界だから憧れているのだろう」と家に入れてやる。
家に来るとB子は、赤ちゃんを見ては「かわいいかわいい」と褒めちぎり、
A子もそれを聞いて悪い気はしない。
むしろ「選ばれた人間の子、B子の孫とは全く違う世界の子」だから当たり前位に思っている。
ある日、切羽詰まった様子B子が訪ねてきた。
「ちょっとこれから遠くへ行く事になったので、最後にもう一度赤ちゃんを見せてください」と。
いぶかしみながらも、子供を見せると
まるで我が子のように慈しみ、涙を見せて帰って行った。
その後、テレビのニュースで、
B子が、B子の娘に暴力を振るう娘の内縁の夫を殺害したと報じられる。
そしてそれにはB子の孫も巻き添えになったと。
そこで気がつく。
警察が追ってきているのに、なぜわざわざ他人の子である我が子を見に来たのか。
それも涙を浮かべ、名残惜しそうに帰って行ったのか。
殺されたB子の孫は、本当にB子の孫なのか。
子供だけでもまともな暮らしをさせたいというB子のたくらみではないのか…
ふと我が子の顔を見ると、まるで侵入者のように見えた…
242: 本当にあった怖い名無し:2008/05/19(月) 17:57:08 ID:q9uQi3py0
このスレの常連、阿刀田高だな。
キング・オブ・後味悪。
246: 本当にあった怖い名無し:2008/05/20(火) 05:52:12 ID:0biv6EEA0
>>242
阿刀田先生、その称号はむしろ喜ばれそうだw
243: 本当にあった怖い名無し:2008/05/19(月) 21:46:23 ID:gIPRgxI20
ちなみにタイトルは「来訪者」だね。
ドラマ化もされた。