後味の悪い話

【後味の悪い話】殉死の予約

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566: 本当にあった怖い名無し:2007/06/21(木) 17:08:46 ID:NuLTRdwc0
「女狐」から。

冴えない初老の侍。なぜか若く美しい娘に好かれる。
侍は初め相手にしないのだが、一途な娘にほだされて結婚(先妻は早くに死亡)
新妻との生活は楽しく、日に日に若返るような心地だ。
ある日、侍は上司から「主君が死んだら腹を切ってくれないか」と言われる。

殉死は禁じられていたが、殉死する臣下が多いほど箔がつく、ということで、
主君の生前から「切腹の予約」をする習わしがあった。
侍は「妻の生活の安定」を条件に、この話を受けた。
どうせ先に死ぬのは自分、妻さえ幸せになってくれれば…と思ってのことだ。

やがて主君の病死を知らされ、切腹しに帰宅すると妻が自害していた。
「あなたは私がお世話をしてさしあげないと…」
そう言うと妻は笑って息絶えた。
妻は夫の契約を知っており、自分もともに逝くつもりだったのだ。
上司に妻の死を報告に行くと、なぜかうろたえる上司。

実は主君は生きていた。
主君は侍の妻に懸想しており、邪魔な侍をだまして切腹させ、
側室に迎えようとしたのだ。
侍は、武士道だの忠義だのそんなものはくだらない、
今はただ妻の元へ行きたい、と腹を切る。

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